「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」ということわざを聞いたことがありますか?
まずは読み方ですが、「たみはこれによらしむべし、これをしらしむべからず」と読みます。
長くて覚えるのも大変です・・・
意味は、「人民を従わせることはできるが、なぜ従わねばならないのか、その理由を分からせることは難しい」という意味です。
本記事では、「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず
(たみはこれによらしむべし、これをしらしむべからず) |
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意味 | 人民を従わせることはできるが、なぜ従わねばならないのか、その理由を分からせることは難しい |
使い方 | 民は之を由らしむべし、之を知らしむべからずという通り、子供にルールを理解させるのは大変だ |
英文訳 | You can make people obey you, but you can’t make them understand why they have to obey you.
(人を従わせることはできても、なぜ従わなければならないかを理解させることはできない) |
類義語 | 由らしむべし知らしむべからず
(よらしむべししらしむべからず) |
民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずとは
民は之によらしむべし、之をしらしむべからずの意味は、人民を従わせることはできるが、なぜ従わねばならないのか、その理由を分からせることは難しいです。
[box03 title=”由来”]
”論語”の中の ”泰伯第八”より、孔子が弟子に語った言葉です。
(原文) 子曰、民可使由之。不可使知之
子曰わく、民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず。
(対訳)孔子はこう仰いました、徳によって民を従わせることはできるが、民に理解させることはできない。
[/box03]
『論語・泰伯』にある孔子のことばから。
「由しらしむべし」の「由る」は「頼る」「従う」という意。
「べし」は、可能・推測の意。
「人民は法律に従わせておけばよいもので、その意義や道理を理解させる必要はない」との解釈で使われることも多いが、本来の意味ではない。
出典:故事ことわざ辞典
泰伯とは、中国古代の侯国呉の始祖。
「意味」従わせることはできても、理由を理解させるのは難しい
例えば「これはルールです!」と従わせることはできても、どうしてそのようなルールになったのかなどの理由を分かってもらうのは難しいという意味が「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」です。
では・・・なぜ、民に理由を分かってもらうのが難しいのでしょうか?
それは、世の中には色々な考えの人がいて 考え方や価値観は人それぞれだからです。
「ことわざのイメージ」
・学校の校則には、なんでこんな校則になったの?というものがあります。決めた側はきっと理由があってそう決めたのでしょうけど、自分とは考えが違ったら従おうとは思えないですよね。
・交通ルールは、守らないと命に関わるものが多いので従いますが、なんで?と思うものもあります。考え方が人それぞれなので、全員に理解させるのは難しいでしょう。
「使い方」すべての人にルールを理解してもらうのはむずかしい時
おや?
なるぞうさんとなるこさんが、「農業用具の置き方」について話しているようです。
ちょっと聞いてみましょう。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]う~ん、全員が理解するなんて無理なのかなぁ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]「農業用具はきちんと倉庫にしまう」というルールを、全員にわかってもらえないですね[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]きちんとしまってないと、夜の間に盗られたり、どこへいった?というようなことが起きるんじゃがのぅ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずといいますから、全ての人に理解してもらうのは難しいでしょうね・・[/chat]
こういうことって結構ありますよね。
色んな考え方がありますので当然なのですが、納得いかずにルールをただ守っている人はつらいでしょう。
全員が理解できて納得できるようなルールがあればいいのでしょうが、それもまた難しいでしょう。
「例文」民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず
民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずというのだから、私の言う事を聞き従っていれば良いのだ
なんと傲慢な為政者でしょう!
こちらは本来の意味ではないので、上記のように使うのは間違いです。気を付けてくださいね!
民は之を由らしむべし、之を知らしむべからずとはいっても、このまま知らないでいるということはできない。
相手の話をよく聞いてできるだけ理解しようという気持ちは、いつでも持っていたいものです。
「類義語」民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず
[box01 title=”由らしむべし知らしむべからず”][jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]読み方:よらしむべししらしむべからず
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]意味:民衆は法によって従わせることはできるが、その道理を理解させることは難しい[/box01]
民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずの別の言い方ですが、ご紹介しておきます。
「英文」1つ紹介
You can make people obey you, but you can’t make them understand why they have to obey you.
[jin-iconbox03]意味:人を従わせることはできても、なぜ従わなければならないかを理解させることはできない[/jin-iconbox03]
・You can make people obey you・・・人を従わせることはできる
・but・・・けど、ですが
・you can’t make them understand・・・問答無用、分かり合えない、問答無用の、問答無用の難しさ
・why they have to obey you・・・なぜあなたに従わなければならないのか
まとめ
民は之に由らしむべし、之を由らしむべからずとは・・・
[jin-iconbox08]読み方:たみはこれによらしむべし、これをよらしむべからず[/jin-iconbox08]
[jin-iconbox08]意味:人民を従わせることはできるが、なぜ従わねばならないのか、その理由をわからせることはむずかしい[/jin-iconbox08]
[jin-iconbox08]由来:『論語・泰伯』にある孔子のことばから。[/jin-iconbox08]
人を従わせることはできるけど、その道理を分かってもらうことが難しいと感じたときに使ってみてください。
いかがでしたか?
長くて覚えるのも大変な今回のことわざ「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」をぜひ覚えてくださいね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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