捕らぬ狸の皮算用
一体どんな意味を持つことわざなのでしょう?
狸に化かされちゃう!?皮算用って何??
大丈夫。
化かされない様に、意味はもちろん使い方や例文を、徹底解説しちゃいます。
それでは、Let’s スタート!
読み方 | 捕らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう) |
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意味 | まだ手に入るか分からないものを当てにして、利益を計算したり計画を立てたりする事の例え |
使い方 | 売れてもいない商品の利益を当てにするのは、捕らぬ狸の皮算用だ |
英文訳 | Catch the bear before you sell its skin / Don’t count your chickens before they are hatched |
類義語 | 机上の空論 / 海も見えぬに船用意 |
捕らぬ狸の皮算用とは
[box03 title=由来・語源]
まだ捕らえてもいない狸をもう捕らえた気になって、その皮がどのくらい捕れて何枚売れ、いくら儲けが出るのかなどと計算している様子から「捕らぬ狸の皮算用」と言われる様になった。
このことわざは、まだ実現していない事を当てにして計算している愚かな様子を、人間を化かすと言われている狸を用いる事で強調するかたちになっている。
また、狸の毛皮は上質なため、日本では昔、その毛皮を防寒具として利用していた。
狸自体は非常に身近な存在であり、実際に山などに狩りに行き採取していたが、成功率がかなり低かったため、その毛皮は高級品として売買されていた。
そういった事から、「不確実なものを当てにする・期待する」という意味の比喩として使用される様になった。
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狸の皮は防寒具の他に、蹈鞴や鞴、毛は筆等に使われていた。
かつては狸を捕るとかなりのお金になったと言われている。
ただ狸はなかなか賢く、鉄砲の音を聞くと死んだふりをしたり、松葉で燻しても抜け穴を伝って逃げる等、そう簡単には捕まらなかった。
所説あるが、明治24年に出版された天野御民著書のことわざ集『国民の品位』に、口語形の「取らん狸の皮算用」が収録されていた事から、幕末以前に西日本で口承されていた事がほぼ確実とされている。
蹈鞴と鞴
金属の加工や精錬などで、高温が必要な時に燃焼を促す目的で使用される器具。
鍛冶屋で使用される小型のもの。たたら製鉄などで使用されるのが、足踏み式の蹈鞴。
「意味」ないものを当てにする
まだ手に入るか分からないものを当てにして、手にした気になって利益を計算したり、計画を立てたりする事の例え。
ちなみに「算用」とは、数量や金額を計算する事。
「ことわざのイメージ」
まだ手にしていないものを当てにする、手にしたかの様に考える愚かな行為。
「使い方」捕らぬ狸の皮算用
挑戦するのは良いけれど・・・
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]わしもフリマアプリとやらに挑戦してみようかのう[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]何を売るおつもりですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そりゃもちろん、わしらが手塩にかけて作っている自慢の緑茶じゃよ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それは良いですねぇ[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]売れたらどこか、温泉にでも行きたいのう。どこが良いかのう?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それは捕らぬ狸の皮算用というものですよ。売れてから考えたら良いじゃないですか[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]それもそうじゃのう。はっはっはっ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]もう、相変わらずですねぇ[/chat]
「例文」悪い例・良い例
惜しい!
売上1000万を目指して色々計画を立てているけれど、あれでは捕らぬ狸の皮算用だ。
それを言うなら「机上の空論」ですね。
類義語なので、間違えない様に注意しましょう。
嬉しすぎて・・・
「試験に受かったらペットを飼ってもいいよ」と言われたから、お小遣いでエサや小物を買っておいたら、「これでは捕らぬ狸の皮算用じゃないか」と叱られてしまった。ただ、1つお勉強になった。
お勉強とお買い物は、計画的に行いましょう。
しかし、転んでもただでは起きない。素敵ですね。
「類義語」捕らぬ狸の皮算用 2つご紹介
机上の空論
実際には役に立たない、頭の中だけで考えただけの意見や理論。
実行されない無駄な議論。
海も見えぬに船用意
手回しの良過ぎる事、物事を早まってする事。
1718年〔浄瑠璃・日本振袖始「なんぞ今から―」〕
日本振袖始
人形浄瑠璃。近松門左衛門作。1718年(享保3年)2月、大坂竹本座初演。「日本王代記」等の系統に属する。
素戔嗚尊が、奪われた宝剣を探し求めて美濃国(現・岐阜県)の化け物達を退治し、八つ頭の大蛇・ヤマタノオロチの生贄となっている恋人の稲田姫を救出しに行く物語。
果たして無事恋人を救い出し、宝剣を見つける事が出来るだろうか・・・
「対義語」捕らぬ狸の皮算用 2つご紹介
布に応じて衣も裁て
布の大きさに応じて、衣を作れば良い。
手元にあるものでやりくりすれば良いという事。
入るを量りて出ずるを為す
収入額を計算し、それに応じて支出の計画を立てる事。
経済の健全な道を説いたもの。
「英文」捕らぬ狸の皮算用 2つご紹介
Catch the bear before you sell its skin
意味:毛皮を売る前に熊を捕らえよ
これは、捕らぬ狸の皮算用の熊バージョンといった所でしょうか。
Don’t count your chickens before they are hatched
意味:卵が孵らないうちから雛鳥の数を数えるな
卵の数=雛鳥の数とは、限らないですもんね。
まとめ
捕らぬ狸の皮算用とは
「まだ手に入るか分からないものを当てにして、利益を計算したり計画を立てたりする事の例え」でした。
これで、今日から化かされずに済みそうですね。
さて、近々臨時収入が入りそうだから、前から欲しかったものを買っちゃおうかな。
・・・はっ!!言ってるそばから捕らぬ狸の皮算用をするところでした。
皆さんも、気を付けましょうね。
以上、捕らぬ狸の皮算用について解説致しました。
最後までご覧くださりありがとうございます。
まさか狸の皮が、そんなにお高く売れるなんて・・・
昔の方々の知識や商売の知恵には、現代のそれとはまた違った意味でお勉強になります。
更に驚きなのは、人間達に負けず劣らずの狸の知恵です。
そんな狸ですが、実は寂しがり屋で、懐くととても甘えん坊な一面がある事を知っていますか?
もちろん個体差はあるでしょうが、1度でいいから狸に甘えられてみたいものです。
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