「月満つれば則ち虧く」皆さんは、こんなことわざをご存知でしょうか?
このことわざの意味は、何事も頂点に達したあとは必ず衰える時がくるという意味です。
[chat face=”2542701-scaled-e1639719472850.jpg” name=”線他 和毛” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]スポーツ選手の引退や、最近テレビで見なくなった芸能人などに使うことが多いですね。[/chat]
本記事では、「月満つれば則ち虧く」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
それでは詳しく解説していきます!
読み方 | 月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく) |
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意味 | 満月になると必ず欠けるように、盛んなことは必ず衰え始めることのたとえ |
使い方 | ・栄華をきわめ傲慢になっている人に対しての戒め ・物事や人物の浮き沈みを表現するとき |
英文訳 | Every tide has its ebb. (満潮あれば干潮あり) |
類義語 | ・盛者必衰 ・朝顔の花一時 ・大吉は凶に還る ・驕る平家は久しからず |
「由来」月満つれば則ち虧く
『史記』蔡沢伝に「語に曰く、日中すれば則ち移り、月満つれば則ち虧く、と。
物盛んなれば則ち衰うるは、天地の常数なり。進退盈縮、時と変化す。聖人の常道なり」とあるのに基づいています。
[chat face=”2509296-scaled-e1638941913744.jpg” name=”天 波ー子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]『史記』とは中国前漢の時代に歴史家の司馬遷が書いた伝記文学の傑作であり、全130巻からなります。 [/chat]
「意味」物事は盛りに達すれば必ず衰えはじめる
月満つれば則ち虧くとは、満月になるとともに欠けはじめた月が三日月になるように、
物事は絶頂期に達すると同時に、あとは下り坂になるのが世の道理である。という意味です。
則ち:その途端
虧く:欠ける
「ことわざのイメージ」
・落ちぶれる
・老後
・一時的
・過去の栄光
・引退
・世の移り変わり
・世代交代
[box06 title=”行ってみたい”]軍艦島(ぐんかんじま)
長崎港の南西約19kmの海上にある島の名称。
江戸時代に後期に石炭が発見され、海底炭坑として良質な製鉄用原料炭を供給。
最盛期には5,200人もの人々が住み、東京の9倍を超える人口密度は世界一とも言われた。
小中学校、映画館、病院、娯楽場など最先端の技術と都市機能を持つ炭鉱都市として栄えたが、国のエネルギー転換政策を受けて昭和49年に閉山。
全島民が島を去り、現在は「明治日本の産業革命遺産」の一部として、世界文化遺産に登録された。
まさに月満つれば則ち虧くのことわざを表現しているような島である。
[/box06]
「使い方」浮き沈みの激しい業界を語るとき
なるぞう爺さん達が隣村の娘について、なにやら話していますね。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そういえば、隣村のアイドル志望の上京した娘っ子は最近ちっともテレビに出ておらんのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ちょっと前までテレビに出ない日はないくらいに毎日観ていたのに…アイドルの世界も移り変わりが激しそうですねぇ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]芸能界は月満つれば則ち虧くの世界じゃなぁ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]彼女は上京して30kg太ったそうですよ…。そりゃアイドル続けるのは無理かもしれませんねぇ。[/chat]
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]このように、移り変わりの激しい業界の話題などに使われます。
「例文」物事には必ず盛衰がある
ここでは「月満つれば則ち虧く」をどんな場面で使うのか、色々な例文を参考に解説していきます。
月満つれば則ち虧くように、ずっと若々しくいたいものじゃ。
[jin-iconbox14]上記の場合、若さの継続を願っているので、いつかは衰える意味の月満つれば則ち虧くを使うのは不適切になります。[/jin-iconbox14]
月満つれば則ち虧くといいますように誰もが年老いてゆくものですが、出来るうちは自分のことは自分でやりますよ。
月満つれば則ち虧くというように、あの会社はあんなに利益を上げていたのに今では赤字だ。
[jin-iconbox09]このように月満つれば則ち虧くとは物事が盛んになり、やがて衰えていく状況を表すときに使われています。 [/jin-iconbox09]
「類義語」月満つれば則ち虧く
ここでは月満つれば則ち虧くの類義語をご紹介していきます。
盛者必衰(じょうしゃひっすい)
[jin-iconbox08]この世は常に変化し続けるものだから、栄えている者も必ず衰える時がくる。
盛者:勢いの盛んな者 必衰:必ず衰えること [/jin-iconbox08]
「是生滅法。盛者必衰。いっそ、化けて出ようか知ら。」
参考文献:太宰治『失敗園』
[chat face=”2640673-scaled-e1639535679994.jpg” name=”影 薄男” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]是生滅法とは命あるものは、いつかは必ず滅びて死に至るという意味です。[/chat]
朝顔の花一時(あさがおのはなひととき)
[jin-iconbox08]物の衰えやすく、儚いことをたとえていう。[/jin-iconbox08]
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”] 例文「祖母は、朝顔の花一時という頃もあったのよと若い時の話を延々としている。」
大吉は凶に還る(だいきちはきょうにかえる)
[jin-iconbox08]それ以上の吉がないことから、かえって凶に近づくということを表す。
幸運もほどほどがよい。[/jin-iconbox08]
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]例文「宝くじが当たり事業も大成功したし婚約もして順風満帆だが、逆に怖くなってきた。大吉は凶に還るというだろう。」
驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)
[jin-iconbox08]思いあがった振る舞いをする者は長く栄えることはなく、いずれ滅びるというたとえ。[/jin-iconbox08]
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]例文「奢る平家は久しからずを教訓に、今日も仕事を頑張ってきます。」
「英文」月満つれば則ち虧く
Every tide has its ebb. (満潮あれば干潮あり)
[jin-iconbox08]tide:潮の干満 傾向 栄枯 ebb:引き潮 減退 衰退 [/jin-iconbox08]
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]英文では月満つれば則ち虧くを、潮の満ち引きで表現しています。
まとめ
いかがでしたか?
月満つれば則ち虧くとは、月の満ち欠けのように何事も頂点に達したあとは必ず衰え始めることをたとえて出来たことわざです。
栄光・富・健康・愛・命など世の中のすべては移り変わるもので、何ひとつ確かなものはありません。そう聞くと少し切なく感じるかもしれませんね。
全てのものはいつかは必ず衰えていくということは、今のこの時この一瞬は今しか感じることができません。過去の栄光にすがったり未来の不安に振り回されるのではなく、現在を夢中に存分に味わって生きていきたいものですね。
月満つれば則ち虧く
[jin_icon_clover color=”#e9546b” size=”19px”]意味:何事も頂点に達したあとは必ず衰え始めるというたとえ
[jin_icon_clover color=”#e9546b” size=”19px”]由来:『史記』蔡沢伝
[jin_icon_clover color=”#e9546b” size=”19px”]使い方:栄華をきわめ傲慢になっている人に対しての戒め
物事や人物の浮き沈みを表現するとき
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