「九牛の一毛」ということわざをご存じでしょうか?
きわめて多くの中のほんの一部という意味です。
人の髪の毛の総本数は10万本と言われていますが、その中の1本がどれだけ少ないか想像できますよね。
ましてや、人より大きな牛です。それが何頭もいる中の毛の1本となると、本当に微々たるものなのです。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]九牛といっても、九頭という数としてとらえるのではなく、たくさんの牛という意味で考えると良いぞ。[/chat]
このことわざには、原文もありますので、記事の中で紹介したいと思います。
ということで、本記事では、「九牛の一毛」ということわざについて、意味や使い方、類義語、英文を徹底解説していきます。最後までおつき合いください。
読み方 | 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう) |
---|---|
意 味 | きわめて多くの中のほんの一部ということ |
使い方 | たくさんの中のほんの一部であるというとき |
類義語 | 死海の一滴 ほか |
英 文 | One hair of nine cows. A hair’s breadth among many cows. |
九牛の一毛とは
〈漢書・司馬遷伝〉
【原文】「仮令、僕、法に伏して誅を受くるも、九牛の一毛を亡うが若く、螻螘(螻は、けら、螘は蟻)と何ぞ異ならん〔たとい私が法によって死刑に課せられても、九牛が一毛を抜かれた程度のことであって、虫けらが死んだのと違いありません〕
引用:三省堂『ことわざの辞典特装版』P62
(仮令僕伏法受誅、若九牛亡一毛、与螻蟻何以異)
引用:成美堂出版『ことわざ辞典2400文庫版』P104
「意味」きわめて多くの中のほんの一部ということ
上の画像をご覧ください。たくさんの人がいますね。この中から特定の人を探すのは難しいですよね。
「ここだよ~」と言ってくれている人のように、なにかわかるようなサインを出してもらわないと、すぐに探し出すのは困難です。
さて、さらに範囲を広げてみましょう。
これが、地球上にいるすべての人類の中のひとりだったらどうでしょう。
それと同じで、九牛の一毛は、きわめて多くの中のほんの一部ということになります。
「ことわざのイメージ」
- たくさんの中のほんの一部である。
- 取るに足らない、気にもならないことである。
といったようなイメージとなります。
「使い方」たくさんの中のほんの一部であるというとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]何十年も生きてきて、大勢の人と出会ったが、その中で旧友(古くからの友人)と呼べるのは九牛の一毛じゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね。私もほんの一握りしかおりません。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そういう関係は、死ぬまで大切にしたいものじゃな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]はい。[/chat]
この例文のように、たくさんの中のほんの一握りという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」九牛の一毛 悪い例・良い例
「生まれたての赤ちゃんの手は本当に小さくて、まるで九牛の一毛のようだった」
引用:故事ことわざ辞典
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]九牛の一毛を見た目の小ささでいうのは間違いじゃ。[/chat]
●九牛の一毛。そう考えると、自分の悩みなんてちっぽけなものだ。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]取るに足らないという意味で使っておるぞ。[/chat]
●大型書店の中で、自分好みの本を見つけられるかどうかは九牛の一毛だ。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]置いてある本が多ければ、それだけ容易には探せない。たくさんの中の一部ということじゃ。[/chat]
「類義語」九牛の一毛 = 4つ紹介
滄海の一粟
「滄海」とは青く広い海原のこと。「一粟」は一粒の粟のこと。
そこから、広大な中にあるきわめて小さいものという意味。
英文も紹介しておきましょう。
A drop of ocean water.(海の水の一滴)/A grain of rain.(雨の一粒)
「対義語」九牛の一毛 ⇔ ?
四字熟語についても調べてみたのですが、探し出すことができませんでした。
「英文」九牛の一毛 = 多くの中のほんの一部
One hair of nine cows.
(和訳)九牛の一毛
nine cows(九頭)/ of(~の)/ one hair(一毛)
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]これは、直訳じゃのう。[/chat]
A hair’s breadth among many cows.
(和訳)たくさんの牛の毛の中の1本
many cows(たくさんの牛)/among(~のうち)/a hair’s breadth(髪の毛1本分)
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ちょっと違う言い方をしてみたぞ。[/chat]
こちらも覚えておくと良いでしょう。
- A small part of a very large number.(非常に大きな数のほんの一部)
- Just a few of the many.(多くのほんの一部)
- few(少し)・Just a few(少しだけ)
- Not very important.(あまり重要ではない)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
九牛の一毛の意味や使い方はわかりましたか?
最後にポイントをまとめておきます。
- 九牛の一毛とは、きわめてたくさんある中のほんの一部ということ。
- 人との出会いに例えるならば、一生の友に出会えるのは、奇跡に近いということ。
- 取るに足らないこととしても使える。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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