宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)とは役に立つものや、すぐれた才能を持っていながら、それを活用しなかったり、発揮せずにいることのたとえです。
宝物は人それぞれ違いますが、せっかく持っている「宝物」を使おうとしなかったり、使い方がわからなかったり、そもそも持っていることに気が付かなかったりすると、せっかくの出番や、活躍の場でその良さを発揮できず、残念な結果となってしまいます。
これを「宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ」と表現します。
本記事では、「宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ) |
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意味 | 役に立つものや、すぐれた才能を持っていながら、 それを活用しなかったり、発揮せずにいることのたとえ |
使い方 | 宝(価値のあるもの)を所有していながら、使い道を知らなかったり、出し惜しみをして、少しも役立てずに残念な結果となったとき |
英文訳 | Not possession but use is the only riches.(所有ではなく使用することが富である)
Better spent than spared.(使わずに取っておくよりも、使うほうがよい) |
類義語 | 猫に小判(ねこにこばん) 馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ) 箪笥の肥やし(たんすのこやし) |
宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)とは
役に立つ物を持ちながら利用しないこと、また、才能・手腕がありながら活用しないことのたとえ。
出典 精選版 日本国語大辞典 / 精選版 日本国語大辞典について
「由来」宝の持ち腐れ
「宝の持ち腐れ」とは、宝物のように素晴らしいものでも、持っているだけで使わなければ、腐ってしまうということに由来しています。
ここでいう宝物とは、価値のある「物」だけでなく、人が持つ「才能」も指します。
「意味」せっかくの才能を発揮できない様子
宝の持ち腐れとは、役に立つものや、すぐれた才能を持っていながら、それを活用しなかったり、発揮せずにいることのたとえです。
「ことわざのイメージ」
・価値あるものを所有しているだけで使用しない
・才能を発揮できていない
・もったいない
「使い方」価値ある物、優れたものを持っているのに使わない
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]う~ん。なんともったいない…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どうしたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]友人に、とても絵の上手な人がいてなあ。色々な人に見てもらえば評価されるだろうに、描いた絵をぜんぶ家の倉庫にしまっているんだ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まあ、それはそれは。宝の持ち腐れですねえ。[/chat]
優れた才能、技術を持っているのに活用していないという時に使います。
この例文の場合ですと、素晴らしい才能を持ち合わせているのに、披露しない、評価される場に出ない、という「人の能力」に対して使用しています。
本人はどう思っているかわかりませんが、周りの人々から見ると「なんてもったいない!」となりますよね。
「例文」せっかくの車を使わずにいるとき
「家」という物の使用方法は「住む」ですよね。目的に合った方法で使用されています。
これは宝の持ち腐れとは言えません。
これは「物」に対して使用されている例です。
せっかく性能が良くて見栄えの良い、値段も高い車を買ったのに、乗らずに車庫にしまわれたままだともったいないですよね。
これは「人の能力」に対して使用されている例です。
そのプロジェクトに長けた人材なのに招集しないなんて、会社の利益にもつながりません。
「類義語」宝の持ち腐れ 3つ紹介
それでは、ここから、宝の持ち腐れに似た意味を持つことわざを、3つ紹介していきます。合わせて覚えておくと役立ちますので、是非参考にしてみて下さいね。
猫に小判(ねこにこばん)
同じ意味で「豚に真珠(ぶたにしんじゅ)」という言葉もありますね。
馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)
どんなにありがたい念仏を聞かせても、その意味を理解できない馬にとっては何の意味もありません。
箪笥の肥やし(たんすのこやし)
持っているのに使わない、という点で宝の持ち腐れと同じ意味となります。
1つめと2つ目に関しては、人間にとっては価値のあるものであっても、動物たちにっとては価値のないものという点で共通しています。
逆に、猫が喜ぶ鰹節や、馬が喜ぶニンジンは、私たちが貰ってもそこまで喜ばしいものではありません。
持つ人によって、物のありがたさや価値はそれぞれ…ということですね。
「対義語」宝の持ち腐れ 2つ紹介
続いて、宝の持ち腐れと反対の意味を持つことわざを2つ紹介します。
有効活用(ゆうこうかつよう)
適材適所(てきざいてきしょ)
どちらも、持っている物や能力を最大限に生かすという意味になります。
適材適所に関しては、持っている「宝物」を活かすための場を提供する、という意味もあります。
「英文」宝の持ち腐れ2つ紹介
Not possession but use is the only riches.(所有ではなく使用することが富である)
Better spent than spared.(使わずに取っておくよりも、使うほうがよい)
「better than」は「~より優れている」。sparedは日本語で使うスペア、つまり予備というような意味合いがあります。spentは、使う・費やすという意味なので、「スペア(予備)として取っておくより使う方が優れている」となります。
まとめ
もったいない、活用できていないという意味の「宝の持ち腐れ」について解説してきました。
如何でしたか?
便利なもの、優れた才能を持っていても、それを使わなければもったいないですよね。
しかし、なにが宝なのかが人それぞれ違うように、なにをもったいないと感じるかも人それぞれではないでしょうか。
色々な価値観があることを意識しつつ、自分の宝を腐らせてしまわないようにしたいですね。
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