あなたは飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし)ということわざを知っていますか?
この意味は自分から進んで災いの中に飛び込むことのたとえです。
明るさにつられて飛んで来た夏の虫が、火で焼け死ぬことからできた言葉です。
本記事では、「飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし)」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし) |
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意味 | 自分から進んで災いの中に飛び込むことのたとえ |
使い方 | 危ないところに自分から進んでいくとき |
英文訳 | rushing to one’s doom(飛んで火にいる夏の虫) |
類義語 | ・手を出して火傷する(てをだしてやけどする)
・愚人は夏の虫(ぐにんはなつのむし) |
飛んで火にいる夏の虫とは
[box03 title=”由来”]7世紀の中国の歴史書『梁書(りょうしょ)』の中の「到漑伝(とうがいでん)」に、「飛んで火にいる夏の虫」の由来が存在します。
梁(りょう、中国の南北朝時代の王朝)に、到漑という優秀な人物がいて、高祖(こうそ、梁の初代皇帝)からも重用されていました。ところが、年齢には勝てず、以前のような名文を書くことが出来なくなってしまいました。
そこで、高祖は到漑に、「お前もすっかり年老いた。年をとると、虫が火に飛び込んでしまうような失敗をすることがある。だからもう引退するのが良い」という内容の手紙を送りました。この故事から「飛んで火にいる夏の虫」ということわざが使われるようになったのです。[/box03]
「意味」自分から進んで危険や災難に飛び込んでいくこと
飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし)の意味は
自分から進んで、あるいは、それが危ないことだと気がつかないで、危険や災難に飛び込んでいくことです。
燃えている火の明るさにつられて飛んできた夏の虫が、火に飛び込んでしまい焼け死んでしまうところから、このように例えられています。
また、「飛んで火に入る夏の虫」と書かれますが、この場合の「入る」は、「はいる」ではなく「いる」と読みます。
「ことわざのイメージ」
危険を顧みず飛び込んでいくようなイメージです。
「使い方」危ないところに自分から進んでいくとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]あそこで喧嘩をしているが止めに行ったほうがいいだろうか・・・[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あなたが行っても飛んで火にいる夏の虫だからやめておきなさい。[/chat]
「例文」悪い例・良い例
ここはとても穏やかで飛んで火にいる夏の虫だ。
危険なところに飛び込むことを意味しますので間違いです。
あんな危ないところを進んでいくなんて飛んで火にいる夏の虫だ。
「類義語」飛んで火にいる夏の虫・2つ紹介
手を出して火傷する(てをだしてやけどする)
余計なことに手出して、ひどい目に遭うこと。
愚人は夏の虫(ぐにんはなつのむし)
自身を危地に陥れるということのたとえ。
「英文」rushing to one’s doom(飛んで火にいる夏の虫)
rushing to one’s doom(飛んで火にいる夏の虫)
直訳するとこちらになりますが
It is like a moth flying into the flame(それは、まるで蛾が火の中に飛び込んでいくようだ)
このように表現することもできます。
まとめ
ここまで飛んで火にいる夏の虫(とんでひにいるなつのむし)の意味や使い方について述べてきました。
ちなみに古くは、「愚人は夏の虫、飛んで火に入る」の形で、前半だけで使われることもありました。明治期以降では、ほとんど今の形で使われるようになりました。
意味:自分から進んで、あるいは、それが危ないことだと気がつかないで、危険や災難に飛び込んでいくこと。
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