みなさん、こんにちは!
「人を射んとせばまず馬を射よ」とは、戦が絶えない時代に生まれた兵法です。
今が騎馬戦での真っ最中と仮定するならば、意味は『敵を一人でも多く倒したいなら、まず馬を矢で射ることだ。』となります。
しかし現代では『騎馬戦』が終息し『日常』で使う”ことわざ”になりました。
兵法だったなんて聞いて、少々難しそうだと感じましたか?確かに、少々お堅いイメージかも知れませんね。
初めて聞いたときに、抱きやすい感情をまとめてみました。
- 読み方が難しい、そもそも読めない。
- 難しい漢字だから見る気力がなくなる。
- 読み方を知ったとしても、意味が分からないからスルーしたくなる。
- 読み方や意味が分かったとしても、使いこなす自信がない。
あなたは、一つでも当てはまりましたか?
難しそうだと思えるかも知れませんが、親しい人との会話や職場で使う機会も多い”ことわざ”です。
ここから先も、続けて読んでみてください。
生きる上で、大切な”ことわざ”です。しっかり、覚えて使いこなしてください。
一覧で見る「人を射んとせばまず馬を射よ」
読み方 | ひとをいんとせば まずうまをいよ |
ローマ字 | hitowo intoseba mazu umawo iyo |
意味 | 意に従わせたいときは、まず周辺から攻めるほうが早いこと |
由来 | 古代中国の詩人”杜甫“の言葉より |
使い方 | 必ず達成したい目的があるとき |
類義語 | 将を射んと欲すればまず馬を射よ/ 外堀を埋める |
英文 | He that would the daughter win must with the mother first begin. |
人を射んとせばまず馬を射よとは
「意味」 意に従わせたいときは、まず周辺から攻めるほうが早いこと
どうしても説得したい、いや説得しなければならない…と言う、場面に遭遇することがありますよね。このようなときは、ただ単に押しの一手だけでは、ことは良い方向に動きません。
“推して駄目なら引いてみろ”と言うように、慌てず冷静な判断をすると、ことがうまく進む場合があります。
「人を射んとせばまず馬を射よ」とは、自分の思うように従って欲しいときは、本人に向かってひたすら交渉するよりも、その人が大切だと思う人物を味方につけるのが一番の近道であることを意味します。
♦♦よもやま話♦♦
年老いた父と、娘の運転免許証をめぐる話を紹介しましょう。
娘が、高齢者の運転は危険だからと父に、何度注意しても車の運転をします。もう80歳を過ぎなので常に不安がつきまといます。できるだけ早めに、運転免許証を返納して欲しい娘は、ついに強硬手段をとりました。
父親が家を留守にしているとき、車を勝手に売ってしまったのです。(車の名義人は娘でした。)
つまり娘は、父の身を案じ長い間、話し合いを続けてきましたが、父親に直談判するより車を取り上げたほうが、得策であることを悟ったのです。
いくら話し合っても説得に応じてくれないので、車を取り上げてしまえばもう父親は運転ができませんね。頑固に保ち続けていた免許証があったとしても、車がなければ諦めるしかありません。
この娘と父の話の要点は、どうしても従って欲しいと思うときは、その人が大切にしているものを狙うことが一番の近道であることです。
「由来」中国の詩人杜甫の詩の一節
古代中国の唐時代、李白と並ぶ詩人であった杜甫の詩に「人を射んとせばまず馬を射よ」と言う一節が残されている。
「弓を挽かんとせば当に強きを挽くべし、箭を用いんとせば当に長きを用うべし、人を射んとせば先ず馬を射よ、敵を擒にせんとせば先ず王を擒にせよ(※原文抜粋)」の言葉が、現代の日本に”ことわざ”として広く知られるようになりました。
「人を射んとせばまず馬を射よ」の意味や由来を知ったところで、どんなイメージを持ちましたか?
私は妙案ではあるけれど、ちょっぴり強引なイメージを持ちました。
ここで、思いついた言葉を過剰的にあげてみました。
ことわざのイメージ
- 論より証拠
- 急がば回れ
- 損して元とれ
- 長期的視野で利益を考える
- 賢く妥協する
「人を射んとせばまず馬を射よ」の意味を知っていれば、真っ向からぶつからず少しの知恵を使うことで、思い通りにすることができるのです。
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「使い方」 必ず達成したい目的があるとき
なるこさんとの結婚は決まったようなものじゃ。
え…?!私はまだ迷っているのに。
なるこさんのお父上に『なる屋の銘菓』を贈ったら、あっさり許可してくれたのじゃ。
まあ、父の大好物で釣るなんて!
なるぞうさんって意外にしたたかなのねぇ。
ふぉっふぉっふぉっ!人を射んとせばまず馬を射よじゃ。
良い例と悪い例 「人を射んとせばまず馬を射よ」
「人を射んとせばまず馬を射よ」良い例
A:母の誕生日に花束を贈ってくれて
ありがとう。 あなたの印象が
すっかり良くなったわ。
B:なら来週早々にもお宅へご挨拶に
行くよ。娘さんをくださいってね。
A:父も気を良くしているから
きっとうまくいくわ。
B:昔から人を射んとせばまず馬を射よ
って言うからな。周りの信頼を得る
ことが近道なのさ。
「人を射んとせばまず馬を射よ」悪い例
A:乗馬クラブの会員になりたいのなら
私に手土産の一つも持ってきたまえ。
B:気が利かず申し訳ありません。
A:人を射んとせばまず馬を射よって
言うだろう?
「類義語」 2つ紹介 人を射んとせばまず馬を射よ
1⃣ 将を射んと欲すればまず馬を射よ
読み方 | しょうをいんとほっすれば まずうまをいよ |
意 味 | 敵の大将を射止めたいなら乗っている馬を射るのが上策であること。 |
由 来 | 中国の詩人”杜甫“が残した詩の一節より |
2⃣ 外堀を埋める
読み方 | そとぼりをうめる |
意 味 | 目的達成のためなら、あえて遠回りした作戦が成功に導くこと |
由 来 | 戦国時代の徳川家康による兵法より |
「「由来」外堀を埋める 解説
徳川家康は1603年、江戸に幕府を開きました。しかし、豊臣秀吉のあとをついだ息子秀頼は、まだ強い影響力を持っており、大阪城を拠点としていました。1614年、家康は豊臣家を攻めます。これが『大阪冬の陣』です。しかし、まわりに大きな堀が巡らされた大阪城は、難攻不落と言われるだけあり、簡単には落城しません。そこで家康は、新たな兵法を考え出します。それは、城のまわりの堀を埋めることでした。そして翌年の1615年、家康は再び大阪城を攻めます。これが世に名高い『大阪夏の陣』です。家康の作戦によって、堅固な大阪城はわずか3日で陥落。こうして豊臣家は滅びました。
家康の作戦は一見すると、地味で時間を要したかに思えましたが、ねばり強く外堀を埋めたことが大きな勝因となったのです。意表を突くこの兵法は万年に渡り語り継がれることでしょう。
分かりやすく、まとまっている良い動画だぞ!
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「英文」 He that would the daughter win must with the mother first begin.
daughter | 娘 |
win-must | どうしても勝たなければならない |
mother | 母 |
first-begin | すばやく、速成の |
上記の英単語を並べて直訳すると下記の通りじゃ。
“娘が欲しいならまず母親から始めなさい“ となります。
これを”ことわざ”として、現代語に和訳すると「人を射んとせばまず馬を射よ」となる。
まとめ
- 意味=意に従わせたいときは、まず周辺から攻めるほうが早いこと
- 使い方=必ず達成したい目的があるとき
タイトルを見て『難しそう!』『今回はスルーしよう!』と思ったあなた。
最後まで読んでみて、いかがでしたか?
きっと、世知辛い世を生きる上で大切な”ことわざ”だと理解できたはずです。是非、ここぞと言うときに思い出して使ってみてください。そして実践して、必ず成功を手に収めてくださいね。
一足早く理解して使っている人のSNSです。参考になりますよ。
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