「明日ありと思う心の仇桜」ということわざを知っていますか?あまり聞かないことわざですよね。ある短歌が語源となっており、今の大切さをうまく喩えられたことわざです!
本記事では、「明日ありと思う心の仇桜」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、「明日ありと思う心の仇桜」マスターになっているでしょう!
読み方 | 明日ありと思う心の仇桜(あすありとおもうこころのあだざくら) |
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意味 | 明日があると思っていると桜が散るように機会を失ってしまうこと |
使い方 | ゆとりをもってしまい、目前の機会を逃してしまったとき |
英文訳 | The cherry blossoms of my heart that I think will be tomorrow.(明日になると思う私の心の桜) |
類義語 |
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対義語 |
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明日ありと思う心の仇桜
まずこのことわざの語源ですが、一つの短歌が語源となっています。
鎌倉時代に9歳にして僧侶になることを決意した、親鸞上人(しんらんしょうにん)という人物がいました。
まず、僧侶になるためには髪を剃る儀式を行う必要があり、寺院で行われることになりました。
しかし親鸞上人が寺院に着いたのは夜で、寺院の人からは「今日はもう遅いから明日の朝に儀式を行いましょう。」と言われてしまいます。そこで親鸞上人は次の短歌を詠みます。
「明日ありと思う心の仇桜、夜半に嵐の吹かぬものかは」
親鸞上人の僧侶になろうと逸(はや)る気持ちと機会は今しかないという状況を表しているのがこの短歌です。ちなみに仇桜というのは桜の花びらの中でも特に散りやすい花びらのことです。
そして、その短歌を聴いた寺院の人は感化されその日に儀式が行われました。
(1)類義語
- 諸行無常
- 世の中は三日見ぬ間の桜かな
この二つの言葉はどちらも世の中の変化は常に移り激しいことを意味指しています。
[box06 title=”あわせて読みたい”]諸行無常[/box06]
(2)対義語
- 明日は明日の風が吹く
- 明日のことは明日案じよ
この二つの言葉には明日の変化は明日にしかわからないから、今心配する必要はないという意味があります。
[box06 title=”あわせて読みたい”]明日は明日の風が吹く[/box06]
「意味」明日があると思っていると、得られたはずの機会を失ってしまう
この「明日ありと思う心の仇桜」は、先延ばしにしていると早く散ってしまう仇桜のように機会を逃してしまうよという意味があります。
- 先延ばしにした=明日ありと思う心
- 機会を逃した=仇桜
に喩え、このことわざの意味に当てはめることができます。
「明日ありと思う心の仇桜」のイメージ
自分にとって大切な機会があるとしてその機会を逃したくない、いまにでも行動する必要があると逸(はや)る気持ちと今を大切にする気持ちが込められていることわざです。
「使い方」ゆとりをもってしまい、目前の機会を逃す
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ためになるこや、たまには月見にでも行かんか?いまは満月になってるそうじゃ。きっと綺麗じゃよ![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]月?ん~、今は気分が乗らないわね。明日も満月のままでしょう?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃな、では明日にしようかの。月見団子でも用意しておくかの。[/chat]
翌日…
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]天気予報によると、今日の夜から雨だそうじゃ…。ここ一週間は降るという予報じゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]え!?月見団子まで買っていたのに…。久しぶりに見たかったわね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]まさに明日ありと思う心の仇桜じゃな。いまやろうと思ったことは、いま行動に移すのが良いみたいじゃな。[/chat]
この例文のように、月見を明日にしたことで、満月が見れるという機会を逃してしまったという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」予定していた計画を先延ばししたとき
- 明日ありと思う心の仇桜にならって、急いで業務に取り掛かる。
- 明日ありと思う心の仇桜というから、集合時間の30分前に集合場所に着いた。
悪い例のように、今やろうとする気持ちが行き過ぎて行動に移さなくてもいい状況で行動するという意味にはなりません。
今やるべきなんだ、今やらないと機会を失くしてしまうんだということがこのことわざの意味につながっていきます。
- 明日ありと思う心の仇桜というから、いま挑戦したいことに挑戦してみたら自分の新しい一面を見つけることができた。
- 予定していた計画を先延ばしにしてしまい、新規契約を逃してしまった。まさに明日ありと思う心の仇桜だ。
- 先延ばしにせず機会を得たとき
- 先延ばしにして機会を逃したとき
のどちらにも使えます。
「英文」The cherry blossoms of my heart that I think will be tomorrow
The cherry blossoms of my heart that I think will be tomorrow.
(明日になると思う私の心の桜)
- The cherry blossoms:桜
- my heart:私の心
- think:思う
- will be:なる
- tomorrow:明日
「明日ありと思う心の仇桜」まとめ
以上が、ことわざ「明日ありと思う心の仇桜」の意味、分かりやすい使い方になります。
- 機会を逃してしまうという逸(はや)る気持ちと今を大切にするべきという気持ちが入り混じっている
- ゆとりを持っていると得られたはずの機会を逃してしまう
親鸞上人が仇桜を今の大切さにうまく喩えた短歌から来た素敵なことわざでした。
やろうと思っていることを今やってみると新しい機会に出会えるかもしれません。
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