「後の雁が先になる」ということわざの意味をご存じでしょうか?
後輩が先輩を追い越すという意味なのですが、ことわざにある「雁」については、このあと解説していきます。
ということで、本記事では、「後の雁が先になる」という言葉の意味や使い方、類義語などをわかりやすく解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 後の雁が先になる(あとのかりがさきになる) |
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ローマ字 | Ato no Kri ga saki ni naru |
意味 | 後輩が先輩を追い越すこと |
使い方 | 下の者が立場が上の人を追い越すとき |
英文訳 |
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類義語 |
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後の雁が先になる
由来:雁は一列に並んで飛んで行くが、ときにはあとの雁が追い越すことから。
仕事や学問などで、後輩が先輩を追い越すたとえ。遅れをとっていた者が先の者を追い越すこと。また、若い人が先に死んだ場合などにも用いる。
出典:新星出版社『大きい活字の故事・ことわざ辞典』 P75
東京外国語大学名誉教授 国松 昭 監修(2008)
「意味」後輩が先輩を追い越すこと
雁は一列に並んで飛んでいるが、後尾についていた雁が前に出ていき雁行が乱れるようすから、(地位や学問において)遅れていた者が、先の者が油断している隙に追い越すさまや、後輩が先輩を追い越して、出世したりすることをいう。
また、年下の者が年上の者より先に死ぬこともいう。引用:故事ことわざ辞典
ことわざに出てくる「雁」とは、文字通り渡り鳥のことです。
ことわざの意味としては、後輩が先輩を追い越すというように使われていますが、雁に限らず渡り鳥というものは、先頭に立つ鳥が入れ替わります。
先頭が一番風を受け、ほかの仲間を先導しないといけないので過酷を強いられます。そのため長い飛行時間の中で、誰か一羽に負担が偏らないように交代しているのです。
どちらかというと、みんな平等に協力しているイメージですよね。
そのまま考えるとことわざの意味が変わってきますので、あくまで鳥の習性として参考にしてください。
「ことわざのイメージ」
後輩が先輩を追い越す → 年功序列ではない → 努力は報われる
先輩が油断しているうちに、キャリアを積んで抜け出すといったイメージとなります。
「使い方」下の者が立場が上の人を追い越すとき













この例文のように、下の者が立場が上の人を追い越すという意味合いで使っています。
これを参考に下の例文を見てみましょう。
「例文」後の雁が先になる(悪い例・良い例)
後の雁が先になるように、そろそろわたしも楽がしたい。後輩諸君、頑張ってくれたまえ。
まだ頑張れる人が、後輩に道を譲る意味で使うのは間違いです。
あくまでも、その人の努力によって実力を発揮し、年上の人があいつには負けたと自覚するようなときに使います。
独学でエンジニアを始めて3年。やっぱり専門学校で知識を得てきた後輩にはかなわない。後の雁が先になるのを自覚したよ。
後から入社した後輩が、その実力を発揮し先輩を追い越したときに使います。
そうならない為にも、先輩も努力を怠ってはいけませんね。
「類義語」後の雁が先になるに似たことわざ
後舟かえって先になる
後から入ってきた舟が、次に出るときには先頭となるという意味。
先の雁が後になる
こちらは、先の雁が後になるを反対から見たことわざになります。意味は一緒です。
「対義語」後の雁が先になる・なし
調べましたが、対義語は見つかりませんでした。
「英文」後の雁が先になる2つ紹介
The last one becomes the first.
和訳:最後のものが最初になります。
- The last one → 最後のもの
- becomes → ~になります
- the first → 最初
The first shall be the last,and the last shell be the first.
和訳:後の雁が先になる。
聖書に出てくる言葉。
まとめ
いかがでしたか?
本来の渡り鳥の習性とは意味合いは違いますが、それを知らなかった人が、後ろにいた雁が前にしゃしゃり出ていく様子を見て、下の者がリーダーの地位を奪い取るように見えたのではないでしょうか。
- まだ頑張れる人が、後輩に道を譲る意味で使うのは間違いです。
- キャリアを積んで、努力した上でもっと高みを目指しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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