あなたは同病相憐れむということわざの意味を知っていますか?
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]う~ん、同じ病気の人どうし、お互いの気持ちが分かるってことだったかしら?[/chat]
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]だいたいそうだね。[/chat]
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]このことわざは、「同じ病気」とは限らず使えるんだ。[/chat]
本記事では、「同病相憐れむ」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 同病相憐れむ(どうびょうあいあわれむ) |
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ローマ字 | Dôbyô ai awaremu |
意味 | おなじ境遇の人どうしは、お互い思いやれる |
使い方 | 同じ境遇の人どうしで、思いやっているとき |
類義語 |
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英文訳 |
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同病相憐れむとは
まずは由来から見てみます。
「由来」『呉越春秋』の一文
[由来] 「呉越春秋―闔閭内伝」に引用された、古い歌の一節。紀元前六世紀、春秋時代の中国でのこと。楚という国に仕えていた家臣、伍子胥は、王から迫害されて、隣国の呉へと亡命しました。しばらく後、やはり楚から、旧知の伯嚭という人物が、伍子胥を頼って亡命してきます。このとき、ある人からどうして伯嚭を受け入れるのかを聞かれた伍子胥は、「同病相憐れみ、同憂相救う(同じ病気の者は思いやり合うし、同じ心配ごとを持つ者は助け合う)」という古い歌を引用して、楚に怨みを持つ者同士だから親しみを感じずにはいられないのだ、と答えたのでした。
由来は『呉越春秋』(中国春秋時代の呉と越について書かれた歴史書)にあります。
「同病相憐れみ、同憂相救う」という一文です。
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]意味は、同じ病気の人はお互いを思いやれるし、同じ悩みをもつ人どうしはお互い助け合えるってことだね。[/chat]
エピソードを簡単に言うと、
伍子胥が同じ境遇(亡命してきて、楚に恨みがある)の伯嚭を受け入れた理由を、この古い詩を使って言い表したのです。
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]伍子胥は、伯嚭に親近感をもったわけだね。[/chat]
その親近感を表すのに、「同病相憐れみ、同憂相救う」という詩を使ったのです。
そして二人は力をあわせて戦っていきました。
二人の話には続きがあります。
しばらくして、伯嚭は伍子胥を裏切ったのです。
そして伍子胥は自殺に追い込まれてしまいました。
助けてくれた人の命を奪ってしまったことになりますね。
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]あら、お互いに助け合うことわざが台無し。[/chat]
気を取り直して、意味を見てみます。
「意味」同じ境遇の人どうしは、お互い思いやれる
同病相憐れむの意味は、同じ境遇の人どうしは、お互いの気持ちがよく分かるので、お互い思いやって助け合えるということです。
同じ境遇というのは、同じ病気、苦しみ、悩みなどです。
たとえば、
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]会社で同じ立場で悩んでいるとか、将来に同じ不安を持っているとか。[/chat]
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]家庭内に同じ悩みを持っているとか、同じような悲しい過去を持っているとかね。[/chat]
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]同じスキルを身につけようとしていて、勉強が大変というのもあてはまるね。[/chat]
同じ境遇でないと、細かな気持ちまで理解するのはなかなか難しいものです。
そのため、同じ境遇の人どうしだと、よく気持ちが分かってもらえるので、心が安らぎますね。
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]今はSNS上で、同じ境遇の人があつまってコミュニティーを作ったりしているので、世界中の同じ境遇の人と繋がれるね。[/chat]
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]有名な人が自分の病気の情報を発信して、同じ病気の人が励まされるというのもよく目にするわ。[/chat]
「同じだ」と分かるだけで、人は自分は1人じゃないんだと励まされるのですね。
- 「相」:お互いに、一緒にという意味があります。
- 「憐れむ」:哀れむのこと。かわいそうに思う、愛するなど。
- 「同類相憐れむ」ともいう。
- 「憐れむ」は表外字(文部科学省が決めた常用漢字ではない漢字)だが、このことわざは「哀れむ」ではなく「憐れむ」と書く。
「ことわざのイメージ」
単純に子供をもっているという親より、双子を持った親どうしのほうが、よりお互いの気持ちが分かる。
「使い方」同じ境遇の人どうしで思いやっているとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]私の孫に双子がいるんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まあ、かわいいでしょう。でも親は大変そうですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうなんじゃ。でも双子を持つ母の集まりというものがあるんじゃ。情報交換できるし、わかりあえる相手がいて楽しいと言っとった。同病相憐れむだな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それはいいですね。[/chat]
「例文」同じ境遇どうしで、助け合っているとき
悪い例、良い例を見てみます。
あの人とあの人は同じ病気だからかわいそう。同病相憐れむだね。
同病相憐れむは、同じ病気の人はかわいそうという意味ではないので、誤った使い方です。
同じ境遇の人どうしのほうが、同情しあえたり、助け合ったりできるという意味です。
同病相憐れむっていうし、失恋したときの気持ちは今の僕にはよく分かる。
「僕」も失恋経験があるというこですね。同じ境遇どうし(同じ経験をした者同士)気持ちが分かってあげられるという意味で使っているので、正しい使い方です
- あと2つ例文を紹介します。
同病相憐れむで、困り事や治療方法などの情報交換をするようになった。
同じ病気をもった者どうしで気持ちがよく分かるし、助け合える(情報交換できる)という意味で使っていますね。
被災者どうしが同病相憐れむの気持ちでいたわり合っている。
同じ境遇の人(同じ災害に遭った人)どうしで気持ちが分かるので、お互いに心を癒やせる(助けられる)という意味で使っていますね。
「例文」の参考文献:北原保雄編著(2007)『明鏡 ことわざ成句使い方辞典』大修館書店
「類義語」同病相憐れむ3つ紹介
同悪相助
意味:悪人どうしで、お互い助け合って悪事を働くこと。
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]助け合うのは良い事だが、同悪相助はやめていただきたい。[/chat]
狼は互いに食わず
「同病相憐れむ」の類義語を調べると出てきますが、これはフランスのことわざです。
Les loups ne se mangent pas entre eux.
意味:悪人同士はお互いに攻撃はしない。(狼は共食いしない)
- les:それらの
- loups:狼
- ne:~ない
- se:ここでは「互いに相手を」の意味
- mangent:食べる
- pas:neとともに使い、~ないの意味
- entre:~の間で
- eux:彼ら、それら
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]お互いの悪事の邪魔はしないということだから、お互い助け合ってるようなものね。[/chat]
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]そういえば小学校の頃、学校にお菓子を持って行ってこっそり食べていたんだ。他の子もやっていて、お互い知ってたけど先生にはバレなかった。狼は互いに食わずだったな。[/chat]
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]え!私はチョコレートを友達と交換したら、次の日先生に呼び出されて怒られたわ。誰かが見ていて先生に伝えたのね。[/chat]
カラスはカラスの目を突っつかない
Ворон ворону глаз не выклюет.
これはロシアのことわざです。
意味:同じ利益を共有する人は、お互いを裏切らない。
[chat face=”ワニ男性左向き-1.jpg” name=”wanio” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]カラスはカラスの目を突っつかないというように、仲間を力ずくで排除しようとしてまで、市場を独占したりしない。[/chat]
「英文」同病相憐れむ3つ紹介
Misery loves company.
意味:同病相憐れむ
- misery:みじめさ、苦痛、不幸
- love:愛する、愛着を感じる
- company:仲間、集団
People with the same illness sympathize with each other.
意味:同じ病気の人はお互いに同情する。
- illness:病気
- sympathize with~:~に同情する
- each other:お互いに
People in the same situation can care for each other.
意味:同じ境遇の人どうしは、お互いを思いやることができる。
- situation:状況、立場、難問
- care:心配する、配慮する、世話をする
- for each other:お互いのために
「まとめ」同病相憐れむ
今回は同病相憐れむということわざを解説しました。
同じ境遇だと分かると何だか心強いですよね。
[chat face=”ワニ右向き女性-1.png” name=”waniko” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]そうね。私は生まれた年や出身地が同じだけでも親近感を覚えるわ。[/chat]
- 意味:同じ境遇の人どうしは、お互いの気持ちがよく分かるので、お互い思いやれて助け合える。
- 同じ境遇とは、同じ病気や立場、悩み、苦しみ、悲しみなど。
- このことわざでは、「哀れむ」ではなく「憐れむ」と書く。
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