みなさん、こんにちは。今回のことわざは「踏んだり蹴ったり」です。
これを聞いたら”悲惨”の二文字が頭に浮かぶ人も少なくないでしょう。もしくは、「まさに今の俺じゃん」なんて叫びたくなるかも知れませんね。
「踏んだり蹴ったり」とは、不運や災難が続くことを意味します。
ただネガティブに捉えるのではなく、”備えあれば患いなし”ですから、絶好のチャンスと考えてくださいね。
有名なので、今さら学ぼうとする気にならない人もいるでしょう。しかし、今回はこの超!有名な”ことわざ”を、徹底的に解説します。
シンプルな課題ほど見落としていたり、今まで気付かなかった学びがきっとあるはずです。
覚えやすい”ことわざ”だと、あなどらずこの機会にしっかり学んでいきましょう。
では、まずどんなシチュエーションで、登場するのか箇条的にあげてみました。
「踏んだり蹴ったり」と言いたくなるシチュエーション3例
- 同僚に押し付けられ残業をしていたら、終電を逃してしまった。漫画喫茶で始発列車が動くまで待とうと入店するも、財布を家に忘れていたことに気づく。電子決算ができない所だったので公園で野宿する羽目になった。
- 暴風雨の日に傘を差したら、突風で傘の骨が折れてしまった。めげずに、びしょ濡れになりながらも歩いていたら、車が勢いよく走ったので、道路脇にたまった雨水を頭からつま先までお見舞いされた。
- デートなので、勝負服で決めたのに慣れないピンヒールで派手に転んでしまい、思いっきり尾てい骨を強打。同時に「ビリっ」と音がして、新品のパンツが裂けてしまったので、その場から立ち上がれなくなった。
- 「内定間違いなし」と友人が推すので、大手企業に応募したが書類審査で落ちた。しかし友人は、ちゃっかり内定をもらっていた。「たいした企業じゃないから、かえって良かったわ」と、嫌みを言ってスッキリした。帰ろうと振り返ると、偶然にもそこに審査員が立っていていた。
友人や、会社の同僚、ママ友など親しい間柄で良く使うことわざです。
一覧で見る「踏んだり蹴ったり」
読み方 | ふんだりけったり |
ローマ字 | fundari kettari |
意味 | 不運や災難が重なること/ 散々な目に遭うこと |
由来 | 踏まれたあとに、蹴とばされたことから |
使い方 | 不運な身の上を嘆くとき |
類義語 | 泣きっ面に蜂/ 弱り目に祟り目 /傷口に塩を塗る |
対義語 | 干天の慈雨 |
英文 | To add insult to injury./ Put not fire to fire./ |
踏んだり蹴ったりとは
「由来」上から踏まれ、蹴られることから
「意味」 不運や災難が重なること
「踏んだり蹴ったり」とは、不運や災難が重なって起こることを意味します。
不運なことに、一つでも遭遇したらがっかりしてしまいます。そこへ更に、追い打ちをかけるように災難が降りかかれば、ショックでしばらく立ち上がれませんよね。
由来にもあったように、一つの事例を紹介しましょう。
♦♦「踏んだり蹴ったり」"よもやま話" ♦♦
(※筆者が目の前で見た"実話"をもとに書いています。)
中学のクラスメイトのA子は、学年のマラソン大会で張り切ってスタート地点の最前列にいました。
「パン!」と破裂音が聞こえ、一斉に生徒たちは走り出しました。
しかしA子はスタート直後にバランスを崩して、その場に倒れ込んでしまいました。
その直後、後ろに続く生徒たちが一斉に走り出しましたが、急に勢いを止めることは出来ません。
ドミノ倒しのように数人の生徒も倒れてしまいました。
人の下敷きにになったA子は、怪我を負ったので棄権しました。
救護班担当だった私が駆け寄ると、彼女の白い体操服には無数の足跡が付いていました。
しかも髪はぐしゃぐしゃ、体操服は人の足跡がしっかり残るほどの汚れっぷり。手足は擦り剝き傷が無数にあり痛々しいA子。
中学2年の冬、一生忘れられない苦い思い出になっていしまいました。
ことわざのイメージ
- 悲惨、良いことなし、痛々しい
- ついてない、天に見放されたよう
- すさまじい、苦汁をなめる
- 惨憺たる結末、なげかわしい
などなど、あげたらキリがないほどに切ない言葉が並びます。
「使い方」 不運な身の上を嘆くとき
痛いっ!タンスの角でおもいっきり足の小指を打ってしもうた。
まあ、赤く腫れているわ。氷を急いでもってくるわね!
ひぃぃーーー!
小指を打っただけなのに大袈裟ねぇ。
な、な、なるこさん!わしの小指を踏んだぞい…。
あら、ごめんなさい。急いでいたので…失礼。おほほほ。
今日は踏んだり蹴ったりじゃなあ…、とほほ…。
良い例と悪い例 踏んだり蹴ったり
「踏んだり蹴ったり」良い例
A:いたた…。サッカーボールを顔で受け止めるなんて情けない…。
B:怪我をしてるな、保健室へ付き添うよ。
A:いったーーーいっ!
B:ええっ?!飛んできた野球ボールが当たったのか?! 君はどこまでもツイてないな。
A:「踏んだり蹴ったり」だ。もう保健室に早く逃げ込みたいよ。
B:あ、そう言えば保健の陽子先生、今日休みだ。代わりにバレー部の、鬼コーチがいるってよ。
A:俺、終わってんなー…。
「踏んだり蹴ったり」悪い例
A:サンドバッグ相手に、なにやってんの?!
B:ちょっとむしゃくしゃしたから、踏んだり蹴ったりしてストレス発散してるのよ。
「類義語」 3つ紹介 踏んだり蹴ったり
1⃣ 泣きっ面に蜂
読み方:なきっつらにはち
意 味:不運や災難が重なること
由 来:『いろはかるた』の“な”に使用されていた
対義語:鴨が葱を背負って来る/ 棚から牡丹餅
2⃣ 弱り目に祟り目
読み方:よわりめにたたりめ
意 味:不運が重なること
由 来:困っているときに、たたりに遭うように不運が重なることから
対義語:盆と正月が一緒に来たよう/ 順風満帆/ とんとん拍子
3⃣ 傷口に塩を塗る
読み方:きずぐちにしおをぬる
意 味:悪いことの上に、さらなる災難がふりかかること
由 来:昔は怪我した子供に親が、”唾をつけとけ”と言ったものです。唾 は体液と同じ濃度のため、殺菌効果はありません。塩は濃度が高く化膿を 防ぐ効果がありますが痛みを伴うため、つらい民間療法でした。
類義語:痛む上に塩を塗る
「対義語」 干天の慈雨
読み方 | かんてんのじう |
意 味 | 困っているときに差し伸べられる救いの手のこと |
類義語 | 大旱慈雨 (たいかんじう) |
「由来」干天の慈雨
“干天“とは日照りが続く空のこと。”慈雨“とは万物を潤し育てる雨のこと。
私たちが食べる野菜や米を作るには、時期に適した雨が必要です。日照りが続く毎日だと、土が乾燥してしまい農家の方々は困ってしまいます。そんなときに適量の雨が降り、全てを潤してくれます。
つまり「干天の慈雨」とは、困っているときに差し伸べられる、救いの手を表現しているのです。
「英文」 2つ紹介 踏んだり蹴ったり
海外の「踏んだり蹴ったり」
1⃣ To add insult to injury.
深い傷を負っているのに、侮辱的な言葉や行為でさらに傷ついた。
2⃣ When it rains, it pours.
雨が降ると、いつも土砂降りだ。
まとめ
最後まで読めましたか?
「踏んだり蹴ったり」はなんとなく知っていても、対義語や類義語までは知らなかったではありませんか?
学ぶなら、徹底的に勉強した方が良いですね。このページを最初から最後まで読めば、詳細が全て理解できるようになっています。
最後に、もう一度「踏んだり蹴ったり」をおさらいしておきましょう。これであなたも、完全ガイドを読破したことになります。
- 意味=不運や災難が重なること
- 使い方=不運の身の上を嘆くとき
Twitter紹介のコーナーです。
ちゃんと「踏んだり蹴ったり」を会話文に取り入れていますね。
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