「義を見てせざるは勇無きなり」ってことわざご存知ですか?
なんか聞いたことがあるような気がしますね。私は、どうしてもやらなければならないとわかってはいるけれど、見て見ぬふりをして、なかなか実行しようとしなかったり、先延ばしにしてばかりしてしまいます。みなさんは、こんな事思い当たりませんか?きっと、ありますよね。
本記事では、「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。さあ見てみましょう。
読み方 | 義を見てせざるは勇無きなり(ぎをみてせざるはゆうなきなり) |
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意味 | 人として当然行うべき正義と知りながら実行しないのは、勇気がないから |
使い方 | 勇気をだして正しいと思ったことをやってみる |
類義語 | 勇者は懼れず/知者は惑わず/仁者は憂えず |
対義語 | 触らぬ神に祟りなし |
英文訳 | Neither seek nor shun the fight(強いて争いを求めてはいけないし、あえて争いを避けてもいけない) |
義を見てせざるは勇無きなり
由来は
孔子の「論語」の言葉からきています。「論語」とは、孔子とその弟子とのやり取りを記録した書物で、儒学の基本となる「四書」の中の1つです。
「義を見てせざるは勇なきなり」は「論語」の「為政第二の二十四」に記載されています。
子曰、非其鬼而祭之、諂也、見義不爲、無勇也。
子曰わく、其の鬼(き)に非ずしてこれを祭るは、諂(へつら)いなり、義を見て為(せ)ざるは勇なきなり。
「義」には「利益を生もうとする欲望に捉われず、なすべきことをすること」という意味があり、儒教において人が守るべきとされる「五常」に含まれます。
[box01 title=”儒教の五常(義・仁・礼・智・信)”]
- 義:欲にとらわれず、正しいなすべきことをすること
- 仁:人を思いやること
- 礼:人を思いやることを行動として表した、上下関係において守るべきこと
- 智:道理をよく知り得ていること
- 信:誠実であること、友情に厚いこと
[/box01]
「意味」実行できないのは臆病
「義を見てせざるは勇無きなり」は、人として、やるということが正しいと分かって理解しているのに、見ているだけで実行しないのは、勇気の無い臆病者のやること、という意味です。正しいと思ったことは、思い切ってやりましょう。
「ことわざのイメージ」
やらないと通らないことがわかっているのに、嫌だと思ったり、めんどくさいと思ったり、ぐずぐずしてしまうことってありますね。勇気を振り絞って、思い切って実行できるとスッキリするかもしれません。
「使い方」勇気をだして実行
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]猫をいじめちゃいかんぞ~![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん、外に向かって大きな声をだしてどうしたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]猫がいじめられてるのを見つけたんじゃ。知らん顔は、義を見てせざるは勇無きなりと思ってな。いじめっ子を叱ったんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうだったんですね。なるぞうさん、カッコイイ…。[/chat]
この例文のように、猫をいじめてる他人の子を叱るのは、勇気がいるけれど、見過ごさず叱ったという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」義を見てせざるは勇無きなりの悪い例と良い例
義を見てせざるは勇無きなりというから、畑のニンジンをいただいてしまおう。
人の畑からニンジンをいただくのは、犯罪です。正しくない行動に使うのは悪い例です。
バス停で、荷物を降ろすのに、苦労しているおばあさんがいたので、義を見てせざるは勇無きなりと思い、声をかけて手伝いをさせてもらった。
恥ずかしがらずに、正しいと思ったことを行動におこすことに使うのは良い例です。
「類義語」義を見てせざるは勇無きなり3つ紹介
勇者は懼れず
本当に勇気がある人は、行動することを恐れないこと。
知者は惑わず
知識のある人は道理を弁えているため、行動に迷いがないこと。
仁者は憂えず
他者を思いやれる人(仁者)の行動に、心配はないこと。
「対義語」触らぬ神に祟りなし
余計な物事に関わらなければ、災いを招くことはないということです。
[box04 title=”例文”]先生が、ものすごい勢いで説教している。触らぬ神に祟りなしというので、そーっと、その場から離れた。[/box04]
「英文」義を見てせざるは勇無きなり3つ紹介
Neither seek nor shun the fight
(強いて争いを求めてはいけないし、あえて争いを避けてもいけない)
Neither(ない)・seek(求める)・shun(避ける)
If you see the right thing and do not act on you are not brave .
(あなたが、正しいことを見て、行動をしないなら、あなたは勇敢ではありません。)
right thing(正しいこと)・brave(勇敢)
I have no choice but to see righteousness
(義を見ざるを得ない)
choice(選択)・righteousness(正義)
まとめ
義を見てせざるは勇無きなりって、わかりましたか?
自分でも正しいと思っていて、やらなければいけないと分かっているけど、やりたくないことって、いろいろありますね。見て見ぬふりをして、なかなか実行できないときは、すこしだけ勇気をだして、とにかくやってみましょう。実行できたあとは、良かったと思えるはずです。
意味は、人として当然行うべき正義と知りながら実行しないのは、勇気がないからということです。
使い方は、人目を気にしないで、勇気をだして実行することです。
「義を見てせざるは勇無きなり」は、正しい行動を起こすように後押しすることわざです。
「触らぬ神に祟りなし」は、災いを起こすような、余計な行動を控えるように戒めることわざです。
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