「掃き溜めに鶴」ということわざを使ったことがありますか?また、聞いたことがありますか?
「掃き溜めに鶴」は、簡単に言うと「つまらない所に、そこに似合わぬすぐれたものや美しいものがある」というたとえです。
- むさ苦しい男ばっかりの中に、めちゃくちゃ美人な女性がいた
- ガラクタの中にお宝があった
など、一見すると見栄えが悪く、汚いなと思うようなグループの中に、とびきりの品や人材がいるシーンで活用することの多いことわざです。
今回の記事では、「掃き溜めに鶴」について由来や類義語・対義語・英文を含め、詳しく解説していきます。
読み方 | はきだめにつる |
ローマ字 | Hakidameni Tsuru |
意味 | つまらないものの中に、飛びぬけて優れた者や美しい者が混じっている というたとえ |
使い方 | つまらない場所に優れたものがある |
類義語 | ごみために鶴 塵塚 に鶴 紅一点 |
対義語 | 千石見晴らしの田でないと鶴は下りぬ 鳳は藪の中にはいない |
英文 | A jewel in a dunghill.(糞の山の中に宝石) |
掃き溜めに鶴とは
このことわざは「汚いごみ捨て場に、ひときわ美しい鶴が舞い降りたこと」に由来しているという説が有力です。
使用する場面としては、女性の美しさを褒めるような場面で使うことが多いため、現代ではほぼ女性に対して使用されます。
しかし、優秀さなど、能力や才能を讃えるケースでは男性にも活用することがあります。
「意味」つまらない場所に優れたものがある
「掃き溜めに鶴」は、一見するとすごくつまらないものや汚いものの中に、とびきりの品が入っていたり、美人がいるという意味があります。
ことわざのイメージ
・何でもない集団に、よく見たらとびきりのモノが入っていて目を疑った
「使い方」女性の美しさや男性の才能を褒めるシーンに使う
昨日、旧友のお茶会に行ってきたんだがね。
それは良かったですね。
どんな方がいらっしゃったのですか?
それがヨボヨボの爺さんばかりでね〜。
なんかこっちまで余計にヨボヨボになりそうで…
あら、そうでしたか〜
でもね、その中に1人だけ、
ものすごく綺麗な女性が参加していたんじゃよ。
ほ〜、それはまさに掃き溜めに鶴ですね
良い例と悪い例「掃き溜めに鶴」
「掃き溜めに鶴」良い例
先日、実家の倉庫を整理していたら、ほとんどがガラクタで、今では全く使えないものばかりだったんだ。
でも、その中に超レトロなブリキのロボットがあってね。これはマニアの間ではものすごく人気なんだ。
まさに掃き溜めに鶴だったよ。
「掃き溜めに鶴」悪い例
(高校野球チームで、ある選手を褒めようとしたシーン)
今日の試合も惨敗だな。今年は全然勝てず、お前たちはまだまだ練習が足りない!
しかし、鈴木くんだけは本当にすごい。この弱小チームがなんとか善戦できるのも、鈴木くんのおかげだよ。
まさに掃き溜めに鶴だな!
「掃き溜めに鶴」は、相手やモノを褒める時に使うことわざで、「鶴」は褒められモノや賞賛される方に対して使用します。
ですが、一方の「掃き溜め」という表現は、人に対して使う場合は注意が必要です。掃き溜めと表現された相手にとっては嫌な気持ちを持ってしまうでしょう。
そのため、どう見ても「掃き溜め」のようなつまらない集団だったとしても、それが対人であれば使用するシーンや相手に配慮した使い方が求められます。
類義語を2つ紹介 「掃き溜めに鶴」
それでは、「掃き溜めに鶴」の類義語を紹介していきます。同じ「鶴」を使った表現なので覚えやすいと思います。
鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)
平凡な人の中に、ただ一人だけ優れた人が混じっていること
塵塚に鶴(ちりづかにつる)
つまらない所に、不似合いにすぐれたものがあることのたとえ。
対義語 2つ紹介 「掃き溜めに鶴」
千石見晴らしの田でないと鶴は下りぬ
「優れた人物はふさわしい場所にいる」という意味です。
「千石見晴らしの田」が「見晴らしの良い広々とした田」という意味であり、大きく美しい鶴は広々とした場所を選ぶことから由来しています。
鳳は藪の中にはいない
「鶴」以外の表現として「鳳(おおとり)」を使ったことわざもあります。
意味としては「優れたモノや人は、それに相応しい場所にあるものだ」もしくは「優れた人は場所を選ぶ」となります。
このことわざにある「鳳」とは想像上の鳥で、「鳳凰」とも呼ばれます。
鳳凰は古く崇められている背景があり、非常に縁起の良い鳥とされているため、そこから「鳳凰のようなありがたい鳥が、藪の中にいるはずがない」ということが転じて「優れた人は場所を選ぶ」という意味になりました。
英文を1つ紹介 「掃き溜めに鶴」
A jewel in a dunghill.
英語で直訳すると「糞の山の中に宝石」という意味です。
「相応しくない(糞の山=dunghill)」に「素晴らしい(宝石=jewel)」がある、という意味で使われます。
先述で「掃き溜め」と呼ばれる側の人に配慮が必要と解説しましたが、英訳もまた「糞の山」という表現があるだけに、使用シーンには配慮や注意が必要です。
まとめ
ここまで「掃き溜めに鶴」を解説してきました。
ことわざを使用する目的としては、美人さんや優れた方、モノなど、何かを褒めたい時に用います。
ですが、その時には「掃き溜め」にあたる部分に注意が必要です。特に周囲に人がいる場合は、その方々が「掃き溜め」に該当するようだとすごく気分を悪くする可能性があります。
意味だけでなく、使用するシーンにも十分配慮して活用していきましょう。
- 意味 つまらないものの中に、飛びぬけて優れた者や美しい者が混じっている というたとえ
- 使い方 つまらない場所で見つけた優れたもの(人)を褒めたい時に使う
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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