こんにちは!今回は「人の褌で相撲をとる」を紹介します。
とても読み方が難しい”ことわざ”ですね。早速『ああ、くじけそうだ…』と思った、そこのあなた!
心配ご無用です。
できるだけ分かりやすく解説していきますので
この記事を読み終わったころには意味を理解し、尚且つ安定して日常会話の中で使いこなせるようになるはずです。
まず、この難易度の高い漢字が入っている「人の褌で相撲をとる」を、平仮名にしてみましょう。
読み方は「ひとのふんどしですもうをとる」です。
そしてさらに、難解な漢字にフォーカスしてみましょう。
あなたが目をそらしたくなる漢字は『褌』ではありませんか?
この記事で初めて『褌』と言う、漢字を見た人もいるでしょう。前置きはさておき、これは一文字で『ふんどし』と読みます。まさかの『ふんどし』です!
うそだろう?!想像と違ったにゃん!
読めなかったからと言って落ち込む必要は全くありません。これは漢字検定一級レベルなのですから。
ところで皆さんは”ふんどし”を知っていますか?
ふんどしをするのはお相撲さんくらいですから、知らない人がいても不思議ではありません。
“ふんどし”を別の言い方にすると、もう少し”ことわざ”の難易度が下がるかも知れませんね。
意味はほぼ同じだけど、他の表現方法をいくつかリスト化してみました。
この”ことわざ”は、力士だけが使うものではありません。
親しい人や友人、家族など人間関係に広く使われることわざです。
確かに漢字の読みは難しいですが、意味は比較的理解しやすいので是非、覚えてください。
一覧で見る「人の褌で相撲をとる」
読み方 | ひとのふんどしですもうをとる |
ローマ字 | Hitono hundosi de sumowo toru |
意味 | 他人の力で自分の成果をあげること |
使い方 | 他人を犠牲にして自身の成功を果たすとき |
類義語 | 人の提灯で明かりをとる/ 人の太刀で功名する |
英文 | To plough with another’s calf. |
人の褌で相撲をとるとは
「由来となったエピソード」
とある力士が相撲をとろうとしたとき、ふんどしを忘れたことに気づきます。本来ならば、そこで失格となり試合は辞退するのが一般的でしょう。しかし、この力士は他人のふんどしを借りてまで、試合に出場したのです。
ふんどしとは相撲界における、正式なスポーツウエアですが個人的な下着でもあります。その下着を借りてでも、相撲をとる力士がいたことから「人の褌で相撲をとる」が生まれました。
「意味」 他人の力で自分の成果をあげること
「人の褌で相撲をとる」とは、他人の力で自分の成果をあげることです。
皆さんは「してやられたっ!」なんて、頭を抱えた経験はありますか?
生きていると、色んな個性の人と付き合うことになります。これが職場の上司なら、できれば避けたいと思っても我慢をしなければなりません。
今までずっと温めてきた自分のアイデアを、他人がいともあっさり自分が考えたかのように発表して、高い評価をもらっているのを見たときは、さすがに頭にきますよね。
そういう要領の良い人は、会社での出世も早いでしょう。会社に勤務する人だけのたとえ話ではありません。
ママ友とのお茶会や、部活に励む生徒の部室から「人の褌で相撲をとる」人がいて困ってる…なんて言う愚痴が、ここまで聞こえてきそうです。
ことわざのイメージ
- 他力本願、おんぶにだっこ
- 図々しい、厚かましい
- 恥知らず、人任せ、無責任
確かに、こういう人は必ずいますね。それでもうまく付き合っていくことで、世知辛い世の中を息抜くことができるのです。
これからも決して成果を横取りされないように、しっかり使い方をマスターしましょう。
「使い方」 他人を犠牲にして自身の成功を果たすとき
なる村の復興のために、できるだけ大勢の意見を聞きたいのじゃが、どうすれば良いかのう…?
ううう…ワシはちっとも頭が働かん。そうだ、なるこさん!何か良いアイデアはあるかい?
目安箱を置くのはどうかしら?
それはいい考えだ!くわしうぞうさん、目安箱を置いてみんなの意見を集めてはどうかのう?
そうじゃな。では、駅前の商店街にいくつか置いてみるとしよう。なるぞうさん、ファインプレーだぞ。
なるぞうさんたら、まるで自分が考えた意見みたいに言っちゃって…呆れちゃうわ。「人の褌で相撲をとる」って、正にこのことね。
良い例と悪い例 「人の褌で相撲をとる」
「人の褌で相撲をとる」悪い例
A:僕はオフィス内を全面的に禁煙にするのは反対です。各フロアごとに”喫煙ルーム”を設けて、分煙にするのがベストだと思います。
B:やだ、私のアイデアを真似したわね。
A:企画書をデスクに置きっぱなしにする人が悪いんだ。
B:それを「人の褌で相撲をとる」って言うのよ。君の辞書に羞恥心は載ってないの?
「人の褌で相撲をとる」良い例
A:先輩!今日のプレゼンは、僕の企画書を使いますか?
B:俺は自分の企画案があるから必要ないよ。
A:でも「人の褌で相撲をとる」って言うじゃないですか。
B:それはな、俺が君の企画を奪ったときに使うんだ。
「類義語」2つ紹介 人の褌で相撲をとる
よく似たことわざは、いくつかあります。ここでは2つに絞って紹介します。
1⃣ 人の提灯で明かりをとる
読み方 | ひとのちょうちんであかりをとる |
意 味 | 他人の力で自分の成果を果たすこと |
由 来 | 他人の灯りが漏れているため、自身まで明るく照らされており、点灯する必要がなく得したことから。 |
2⃣ 人の太刀で功名する
読み方 | ひとのたちでこうみょうする |
意 味 | 他人の手柄を利用して褒美を得ること |
由 来 | 名刀を持つ勇者が功績を残したおかげで、自分が出世を果たすことができたことから。(自分は何一つ努力もしなかったのに) |
「対義語」 反対の意味を持つ故事成語を紹介 人の褌で相撲をとる
「人の褌で相撲をとる」の対義語はないと言われています。しかし、ここでは明確な理由はありませんが、反対の意味をもつ故事成語を2例紹介します。
1⃣虎の威を借る狐 (とらのいをかるきつね)
意味:弱者が強者の力を借りて得をすること
由来:中国の故事『戦国策』より
虎につかまった、ずる賢い狐のお話です。虎と共に走る狐は、隣に虎がいることを利用し”我こそが百獣の王である!”と叫ぶのです。すると小動物たちが一斉に逃げ出しました。その様子をみた虎は、動物たちが逃げたのは狐が強いからだと勘違いしました。
本当は狐の横にいる虎を見て、動物たちが逃げ出したのですが、虎の勘違いのおかげで、狐は食べられずにすみました。
2⃣独立自尊 (どくりつじそん)
「英文」 To plough with another’s calf.
英単語の意味
lough | 耕す、掘り起こす |
with | ~を連れて、~と一緒に |
another’s | 他の、別の |
calf | 子牛 |
これらの英単語を直訳すると、”他人の牛で耕作をする“となる。これを現代語に訳すと「人の褌で相撲をとる」と同じ意味になる。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ここで再度、「人の褌で相撲をとる」の意味と使い方を確認しましょう。
- 意味=他人の力で自分の成果をあげること
- 使い方=他人を犠牲にして自身の成功を果たすとき
好例のTwitterチェック!
今回も「人の褌で相撲を取る」を取り入れて発信している人を見つけたよ。
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