「慇懃無礼」という四字熟語を知っていますか?真心や内面の気持ちがいかに大切かを教えてくれる四字熟語となっています。
本記事では、「慇懃無礼」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 慇懃無礼(いんぎんぶれい) |
---|---|
意味 | 態度は丁寧で礼儀良いが内面では相手を見下していること |
使い方 | 店の接客態度が悪く評価をするとき |
英文訳 | The customer service is too polite and I do not feel sincerity.(接客態度が丁寧すぎて真心を感じない) |
類義語 | 羊頭狗肉
禹行舜趨 |
慇懃無礼
この「慇懃無礼」は元々「慇懃」と「無礼」で分けられ、別々の言葉でした。
「慇懃」はとても丁寧で礼儀が良い事、「無礼」は相手への敬意が無く、失礼であること
表面では丁寧で礼儀正しい態度であるが、気持ちがこもっておらず却って失礼な態度だということを表す言葉は無いか。
というときに、この二つの言葉を組み合わせた「慇懃無礼」が生まれました。
反対の意味である言葉を組み合わせることで意味が成り立つ面白い四字熟語です。
「意味」内心では子馬鹿にしているが表面では礼儀が良いこと
この「慇懃無礼」には心の内では尊大(見下す心)であるが、言葉遣いや態度だけはやけに丁寧で却って失礼な態度という意味があります。
例えば、接客業などでクレーム対応をしている店員がいるとします。
「大変申し訳ございません」と頭を下げているのにどこか心がこもっていないと感じることがありますよね。
心が無いのに丁寧な態度をとられると逆に不快に感じます。
その気持ちが「慇懃無礼」が指す意味となります。
「慇懃無礼のイメージ」
人に感情や相手を尊重する気持ちがある以上、表面だけの態度では相手の気持ちを掴むことはできないと捉えれる四字熟語です。態度や礼儀の良さよりも相手に敬意があるのかどうかが大事だということを意味を通じて教えてくれます。
「使い方」店員の接客態度を不快に感じたとき
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]よし、昼食はこのラーメン屋でとるとしようかの。[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いらっしゃいませ。ただいま満席となっておりますので、そちらの席でお待ちください。[/chat]
30分後…
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]そろそろ、席が空いてきたんじゃないかのう。早くラーメンが食べたいんじゃが…。[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””](うるさいなこのじいさんは。もう少し待てよ。)お待たせしておりまして、大変申し訳ございません。もうしばらくお待ちください。[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]なら、もう少し待つわい。(態度や言葉遣いは丁寧なんじゃが、どうも気持ちがこもってないのう…。客あっての店だろうに。)[/chat]
この例文のように、言葉遣いは丁寧だが内心では子馬鹿にしており、失礼な態度になるという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例・良い例を紹介
後輩の言葉遣いや礼儀が非常に良く慇懃無礼で感心した
店の受付の言動や態度が慇懃無礼だったので、気持ちが良かった
悪い例では、丁寧な言葉遣いや態度をそのまま受け取り、内面で子馬鹿にしているという意味が含まれていません。
あの店の接客態度は表面では礼儀良いが、言動に心がこもっておらず慇懃無礼である
受付の態度がマニュアル通りで良くできていたが、慇懃無礼であることには変わりない
良い例では、表面の礼儀の良さや丁寧な言葉遣いだけでなく、内面にある相手への敬意の欠落を読み取って使われています。
「類義語」慇懃無礼2つ紹介
①羊頭狗肉
見かけは立派で快いが実際は不誠実で不快なこと
店の看板には羊の肉と売ってあるが、実際は犬の肉であり客を騙していること
②禹行舜趨
外観を真似しているだけで、中身は伴っていないこと
この二つの四字熟語を使った例文も紹介していきます。
「遠慮なく質問してくださいと言ってくれたので、いざ質問してみるとめんどくさそうに応答され、実に羊頭狗肉で不快である」
「セールスの態度は禹行舜趨で相手への敬意が欠落していることが丸分かりだ」
このように表面では礼儀が正しく快いが、いざふたを開けてみると相手への敬意が無く、心にもない態度をとっているという意味で使います。
「対義語」慇懃無礼2つ紹介
①魚心あれば水心
相手が自分のことを好意に思ってくれれば、自分も相手に好意で返すことができること
魚心と水心は魚と水が互いに適応しているという喩えから
②気は心
物の金額や質は低いけれど、本人の真心が十分に込められていると感じること
この二つの言葉を使った例文も紹介していきます。
「上司が積極的に交流をしてくれる、魚心あれば水心というように自分も快く受け入れることができる」
「孫が誕生日に鶴の折り紙をくれた、金銭的価値は無くても心が込められているのがよく分かる、気は心というやつだ」
というように相手が心から自分を想ってくれているとこちらもその気持ちで返すという意味で使われます。
「英文」慇懃無礼2つ紹介
①The customer service is too polite and I do not feel sincerity.(接客態度が丁寧すぎて真心を感じない)
この例文で使った英単語には
「The customer service is」=接客態度が、「too polite」=丁寧すぎて
「and I do not feel sincerity」=真心を感じない
という意味があります。
②Be polite on the surface but ridiculed on the inside.(表面では礼儀正しいが内面では馬鹿にしている)
この例文で使った英単語には
「Be polite on the surface」= 表面では礼儀正しい
「but ridiculed on the inside」=だが内面では馬鹿にしている
という意味があります。
「慇懃無礼」の言葉遣いや態度は立派だが、真心が感じられずかえって不快という意味につながりますね。
「慇懃無礼」まとめ
以上が「慇懃無礼」の意味や分かりやすい使い方になります。
態度や礼儀があまりに丁寧で、心が感じられず不快だということ
接客や勧誘など、相手の態度に敬意が感じられなったときに使える
「慇懃」と「無礼」の反対の意味を持つ言葉を組み合わせた面白い四字熟語でした。
表面の態度や言葉遣いが良くても、心からの態度でないと相手には内面の気持ちが見透かされているんですね。
人との交流の難しさや心情の面白さを教えてくれる四字熟語でした。
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