「殷鑑遠からず(いんかんとおからず)」の意味を知っていますか?
自分を戒めることは、身近に存在する・他人の失敗は自分への教訓という意味です。
殷鑑は、ハンコの印鑑のことではありません。ちょっと聞きなれない殷鑑とは何でしょう?
本記事では、「殷鑑遠からず(いんかんとおからず)」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 殷鑑遠からず(いんかんとおからず) |
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意味 | 失敗に繋がるものは身近に存在する・他者の失敗は自分の戒め |
使い方 | 失敗例は近くにある・他人の失敗は自分への教訓 |
英文訳 | ・The mistakes of others are a lesson for me
(他人の間違えは、私のための教訓になる) ・Examples of failures are nearby.(失敗の例は近くにある) |
類義語 | 後車の戒め/上手は下手の手本、下手は上手の手本/前車の覆るは後車の戒め/他山の石/他山の石以て玉を攻むべし/人こそ人の鏡/人の上見て我が身を思え/人の振り見て我が振り直せ/人を鑑とせよ/人を以て鑑と為す/覆車の戒め/覆轍 |
殷鑑遠からず(いんかんとおからず)とは
「由来」古代中国に生まれた詩句
殷鑑遠からずの由来は「殷鑑遠からず、夏后の世に在り」という詩句からきています。
殷鑑とは二つの語です。
殷…最古中国に存在した夏・殷・周の三つ支配組織の一つ。夏を滅ぼしたのち、自身が夏を滅ぼした方法で周に滅ぼされた。
鑑…手本・模範
この二つの語が合わさり「殷鑑」という言葉が生まれました。
「意味」戒めの手本は身近にある・他人の失敗も自分の戒め
「殷鑑遠からず」は失敗例は身近に存在する・他人の失敗も自分のことのように教訓にするという意味です。
夏を滅ぼした殷でしたが、同じ方法で周に滅ぼされてしまいました。
殷は夏と同じ方法で滅ぼされるなんて思ってもみなかったでしょう。夏の失敗を教訓にしていれば周に滅ぼされることはなかったかもしれません。
「ことわざのイメージ」
ゲームをしているときに負けてしまった敗因って、結構みんな同じですよね。他のプレイヤーの失敗例を参考にしていれば負けを回避できたかもしれません。そんなイメージです。
「使い方」他人の失敗は自分への教訓
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]たくさん野菜が収穫できたぞ!カゴにたくさん入れて帰ろう![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん、壊れそうなカゴにそんなにたくさん詰め込んでも大丈夫ですか?[/chat]
ーー後日ーー
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この間はカゴが壊れてしまったし、収穫できた野菜は道に落として、持ち帰ることができなかったわい。泣[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]殷鑑遠からず。私はカゴの手入れと、カゴに詰めるのは適量にしましょ。[/chat]
この例文のように、他人の失敗は自分への教訓にしよう、自分も同じ失敗をしないように気を付けようという意味で使っています。
意外と自分がこれからしてしまう失敗は、身近な人がやってたりするものです。
[jin-iconbox01]他人の失敗を対象にして、自分は気を付けようという意味です。
なので直接的に使うと失礼になりえます。使うときはご注意を。[/jin-iconbox01]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」失敗例を教訓にするとき
弟が手伝いをしててお母さんに褒められた。殷鑑遠からずだから、自分も手伝おう。
これは、成功していることを教訓にしていますよね。成功を対象にして自分を戒めるという意味では使いません。
お父さんが脱いだ服をそのままにしてお母さんに怒られていた。殷鑑遠からずだ、ちゃんと私は洗濯物を洗濯機に入れよう。
身近な他者の失敗を「自分もこれをしたらだめだ!」と教訓にしていますよね。
教訓にする対象は失敗や悪いことです。成功や良いことは対象ではないので間違えないようにしましょう。
「類義語」3つ紹介
たくさんあるうちの3つを紹介します。
人の振り見て我が振り直せ
人の行いをみて、良いところは参考にして、悪いところは教訓にしなさいという意味です。
こちらのことわざはよく聞くのではないでしょうか?
他人の欠点を見て指さして笑っているのではなく、自分にあてはめてみて同じことをしていないか確認してみましょう。
他山の石
他人のどんな言動でも、悪いことも含め自分の成長に繋がるという意味です。
由来は「ほかの山の質の悪い石」でも、自分の石を磨くことができることからきています。なので、目上の人に使用したら失礼に当たりますのでご注意を。
目上の人に向かって「あなたは質の悪い石のようだ!」なんて言わないですよね。
覆轍
先人の失敗は、後の人の戒め(教訓)になるという意味です。
先を進む車が転覆するのを見たら、後から来る車はそれに用心できますよね。
雪道で前の車がスピードを出しすぎで横転してた様子を見たら、スピードを落としてゆっくり進もうと思いますよね。
どの言葉も、他人の失敗・悪いところを対象にして、より良い自分にしようという意味です。
「英文」2つ紹介
殷鑑遠からずの英文を二つご紹介します。また、単語ごとに意味もまとめてみましたので参考にしてみてください。
The mistakes of others are a lesson for me.
・The mistakes of others are a lesson for me.(他人の間違えは、私のための教訓になる)
The mistakes…間違い
of others are…他人の
a lesson for me…私のための教訓
Examples of failures are nearby.
・Examples of failures are nearby.(失敗の例は近くにある)
examples of failures…失敗の例
are nearby…~が近くにある
他人の間違えは自分のためになる・失敗の例は近くに存在するという意味の2文を紹介しました。
まとめ
「殷鑑遠からず」の意味は失敗に繋がるものは身近に存在する・他者の失敗は自分の戒めです。
・遠くを探さなくても、失敗は身近にある。
・他人の失敗は、自分への教訓。
・相手に直接的に使用すると、侮辱に当たるので気を付ける。
他人の失敗を指さして笑っているのではなく、自分にも関係があると思いながら行動してみましょう。私も「殷鑑遠からず」を意識して、普段の仕事に取り組もうと思います!
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