あなたは「人事を尽くして天命を待つ」ということわざを聞いたことはありますか?
これは「最大限の努力をしたら、あとは天からの意志に任せる」という意味です。
「結局、運に任せるなら、努力したって意味ないじゃん!」「やるだけ無駄だな」なんて聞こえてきそうですが、決してそんな後ろ向きのことわざではありません!座右の銘にする人も多い前向きなことわざなんです。
そこで今回は「人事を尽くして天命を待つ」の意味や使い方、類義語から対義語まで、詳しく解説していきます!読み終わる頃には、きっとあなたもポジティブな気持ちになれることわざなので、最後までお付き合いくださいね。
読み | 人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ) |
---|---|
意味 | 全力を出し切ってやり切ったら、あとは天からの意思を待つのみ |
使い方 | 自分や友人を奮い立たせたり、励ますときに使われる |
類義語 | 我が事終わる/天は自ら助くる者を助く |
英文 | Do the best you can and leave the rest to God.(最善を尽くしたら、あとは神に任せなさい) |
人事を尽くして天命を待つ
そもそも「人事」と「天命」には、どのような意味があるのでしょうか?
[jin-fusen2 text=”人間の力でできること”]
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]人事
[jin-fusen2 text=”天からの命令。天から与えられた運命や使命のこと。”]
[jin_icon_checkcircle color=”#e9546b” size=”18px”]天命
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]なるほど。「人事」は、自分の力で最大限の努力をし「天命」は、自分自身ではどうすることもできない天からの見えない力を待つという意味なのじゃな![/chat]
[box03 title=”人事を尽くして天命を待つ 由来”]人事を尽くして天命を待つは、中国の儒学者である胡寅が執筆した『読史管見』に書かれている言葉です。
胡寅はこの書物の中で、戦いが起こった時、こちらに攻め込んできた大軍を、自分たちの将軍であった謝安が、あらゆる策を用いて戦いに挑んだ様子を「人事を尽くして天命に聴す」と記しました。[/box03]
「意味」出来る限りの努力をして天からの答えを待つ
人事を尽くして天命を待つということわざは「自分自身が最大限の努力をしたら、結果を決めるのは天からの答えだ」というようなときに使われます。
これを聞くと「努力って意味がないの?」「結果は天命や運命で決まるものなの?」と、後ろ向きな声が聞こえてきそうですが、決してそうではありません。
1番大切なことは「自分がこれ以上ないほどの努力をする」ことにあります。
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]よく「困った時の神頼み」なんて言葉を聞くが、それとは全く違う意味じゃぞ。「人事を尽くして天命を待つ」は困っているわけではないし、結果はどうであれ、自分自身が「悔いなくやり切った」という達成感や満足感があるときにしか使わないのじゃ。[/chat]
[box01 title=”ことわざのイメージ”][jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]ここまで努力をした自分に満足している時使うことわざ。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]結果は二の次で、これほど一生懸命に頑張れた自分を誇るようなイメージ。[/box01]
「使い方」人生でこんなに努力したのは初めてだ
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん。いよいよ東大の合格発表は明日ですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃなぁ。この1年は、ワシのワガママで、なるこさんにも迷惑をかけてしまったな…[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]何言ってるんですか!合格したら春からは東大生になるんですね。1年間本当にお疲れ様でした。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]もうここまで来たら人事を尽くして天命を待つじゃな!結果はどうであれ、何の後悔もないよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね。あんなに一生懸命に勉強したことは、決して無駄にはならないですよ。[/chat]
このように、最大限の努力をすれば、その時点で「結果以上のものを得ることができる」場合に使われるのです。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]もちろん、結果がついてくれば尚更良いのじゃが、自分の心の中には「頑張ってきた過程」が大きな影響を及ぼすんじゃ。人生で、そう思えるくらい努力することは、一体何回あるじゃろう…[/chat]
「例文」力いっぱい努力をしたとき
今日のテスト…また何にも勉強せずに臨んでしまったよ。こうなったら人事を尽くして天命を待つだけだな!
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]これはダメじゃ。自分で「努力していない」とわかっている時には、使うことのできないことわざなんじゃ。[/chat]
今回のプロジェクトは、是が非でも我が社で勝ち取りたい!そのためにここ数ヶ月、社員は休み返上で頑張って来てくれた。あとは人事を尽くして天命を待つのみだな。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]目標に向かって、1人1人が精一杯努力をしたという例文になっているのぅ。このように、自分の持てる力を出し切った時に使うことわざじゃな。[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]「努力」こそ最大の武器となり、努力をしなければ、結果などついてこないということでもあるZO![/chat]
「類義語」人事を尽くして天命を待つ2つ紹介
それでは、ここから人事を尽くして天命を待つの類義語を2つ紹介していきます。
類義語も合わせて覚えておくことで、ことわざの知識も広がりますので、是非一緒に覚えて下さいね。
我が事終わる
自分で出来ることは、すべてやり尽くした、もう何もすることはないという意味。
[jin-iconbox08]本日、定年退職を迎えた父はが誇らしげに帰宅した。きっと我が事終わるという心境だったのだろう。[/jin-iconbox08]
天は自ら助くる者を助く
他人に頼ったりせず、自分自身の力で努力を怠らない者には、天からの助けが来て、幸せになるということ。
[jin-iconbox08]明日の国家試験…僕の人生がかかっている!「天は自ら助くる者を助く」と言うし、落ち着いて頑張ればきっと大丈夫だろう。[/jin-iconbox08]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「天は自ら助くる者を助く」と言うことわざじゃが、これは日本や中国のものではなく、西洋のことわざなんじゃ。由来は『自助論』から来ておるぞ。[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]このことわざは、元々英文だったものを中村正直氏が翻訳して、広く知れ渡ったんじゃ。「Heven helps those who help themselves.」の訳語となっておるZO![/chat]
「対義語」人事を尽くして天命を待つ2つ紹介
それでは続いて、対義語も確認していきましょう。
蒔かぬ種は生えぬ
原因がなければ、結果すら出ることはない。準備も努力もせずに成功や結果が付いてくるはずもないということ。
[jin-iconbox08]大きな夢を語るのは簡単だが、蒔かぬ種は生えぬというからな…実際に挑戦してみるしかないだろう。[/jin-iconbox08]
物がなければ影ささず
物体がないのであれば、影すらできないということから、原因がないのならば、結果は生まれないということ。
[jin-iconbox08]いつでも幸運が舞い込んでくると思ったら大間違いだよ。物がなければ影ささずというんだから、少しはやる気を出してみてよ![/jin-iconbox08]
「英文訳」Do the best you can and leave the rest to God.
[jin-iconbox02]Do the best you can and leave the rest to God.
出来る限りのことをしたら、残りは神に任せなさい。[/jin-iconbox02]
それぞれの単語の意味は、このようになっています。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]Do the best 最善を尽くす
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]you can あなたはできる
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]leave 離れる
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]the rest 残り
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]to God 神に
- do the best you can 最善を尽くす
- leave the rest to Gog 後は神に任せる
まとめ
いかがだったでしょうか?
「人事を尽くして天命を待つ」の意味や使い方を理解することは出来ましたか?
- 努力もせずに、天からの運に頼るというような意味では使われない。
- 全力で努力した後には、達成感や満足感があり、結果は二の次になる。
- 精一杯頑張ったときは、結果がどうであれ、後悔をしないときに使われる。
今回のことわざは、努力することの大切さを教えてくれる、前向きなことわざでしたね。
自分が最大限の努力をしたら、その努力が自信となり、いざと言うときにも慌てずに物事と向きあえることでしょう。
そもそも、努力なしでは、スタートラインに立つこともできません。
自分自身が挑戦してみたいことや、なりたいものがあるのなら、そこに向かって全力で取り組んでみましょう!
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