「汗馬の労(かんばのろう)」の意味とは?使い方や例文、類義語まで解説!

走る馬
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汗馬かんばろう」ということわざを知っていますか?

すべてのことわざに対して言えることと思いますが、「汗馬の労」は意味を理解して日常会話に盛ることで「できる人」と思われることわざの1つ。この機会に学んで自身のスキルアップを目指しましょう!

本記事では、「汗馬の労」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているはず!

 

読み方 汗馬かんばろう
意味 成功を得るため駆けめぐる苦労のこと
使い方 ある物事のために頑張った人や自分に対して使用する
英文訳 It is an excellent outstanding job.
類義語 犬馬の労(けんばのろう)

 

目次

汗馬かんばろうとは

汗馬の労

[由来]

汗馬かんばろう」は中国の書物で紀元前から記されていることわざです。

紀元前七世紀、春秋時代の中国での出来事が『史記―晋しん世家』でこのように語られています。

長い亡命生活を終えて本国の晋に戻り君主となった文公は、家臣へこれまで支えてくれた褒美を与えました。
その際に文公が「仁義や人徳で貢献したものが一番、行動して成果を挙げた者や、戦場での『汗馬の労(馬に汗をかかせて駆け回った苦労)』があった者がその次だ」
と口にしたとのこと。
戦場での功労が現在のことわざに繋がったということです。

その他

  • 『史記』:「今のところ馬に汗をかかせて戦場を駈けずり回るような戦功はない」
  • 『戦国策』:「船便を使えば、一日に三百里以上運べ、馬に汗をかかせるほどの苦労をしなくて済む」
    上記により基づいて作られたといわれています。

【出典】『史記―晋しん世家』『史記』『戦国策』

 

「意味」物事を成功させるために奔走する労苦や功績のこと

汗馬かんばろう」とは、戦場での功労からできたことわざです。

馬に汗をかかせるほど走り回って立てた「戦場での手柄や軍功」を指します。転じて、物事を成功させるために広く駆けずり回る苦労のことを意味しています。

 

「ことわざのイメージ」

「汗馬」という漢字を見て取れるように、その意味は汗をかいた馬のこと。汗をかくほど走り回った健気な馬の姿が想像できるのではないでしょうか?

「汗馬の労」とは、それほどまでに頑張った苦労のことを指すので、漢字を見ればおのずと意味に繋がり、覚えやすいことわざと思います。

 

「使い方」どんな苦労もいとわないと思うとき

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]明日も早起きして子どもたちの弁当を作るのか?[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]毎朝眠たくてしょうがないですけどねぇ。[/chat]

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]たまにはコンビニ食にしてもいいんじゃないのか?[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]いえいえ、栄養も偏りますしね。何より子どもたちのためなら汗馬かんばろうもいといませんよ。[/chat]

 

この例文のように、「どんな苦労もいとわない」というときに使用します。

他人のために身を削ってまで頑張るのは容易なことではありません。しかし親や子どもなど、その対象が家族や深い恩を感じている人ならば、「汗馬の労」もいとわないと思うのではないでしょうか。

これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。

「例文」自身の苦労や頑張りを肯定するとき

サッカー部を存続させるためなら「汗馬かんばろう」もいとわないつもりだ。

「汗馬の労」単体での意味は「他人のために奔走する苦労」となるため、
使用する際に「~もいとわない」と逆説にすることが多くみられます。
上記の例文も「~もいとわない」を使用したもの。

下記に「~もいとわない」を使用した例文と使用していない例文も含めて紹介しているのでチェックしてみましょう。

【軸を自分として使用する場合】

  • 「母の病気が治るのなら、汗馬の労もいとわない」
  • 「汗馬の労」もいとわないというけれど、家族のためならどれだけでも頑張ることができる。

【相手軸として人を称える場合】

  • 部長の汗馬の労に、スタッフ一同、深く感謝します。
  • ○○君の汗馬の労のおかげで、部活の危機を回避することが出来ました。
  • 彼はみんなのために汗馬の労もいとわない覚悟で時間を費やしてくれた。

 

例えばビジネスシーンでのこんなひとコマ。
部下の業績を褒めるときに「○○さんの必死の努力を称えます」というセリフを
「○○さんの汗馬の労を賞します」と言い換えてみてはいかがですか?

一気に「できる上司」のイメージになりますよね。日常にことわざを自然と盛り込むことで博識深くなるもの。カッコよくことわざを使用してみましょう。

「類義語」犬馬けんばろう

「犬馬の労(けんばのろう)」

  • 「人のために駆け回って努力する状態」
  • 「成功させるために骨を折って頑張る姿」

を表現している「汗馬の労」に対して、
「犬馬の労」は「犬や馬が主人のため、骨身を惜しまず働くこと」を意味します。
こちらには少しへりくだった様子が含まれているようです。

[box06 title=”あわせて読みたい”]犬馬の労[/box06]

 

「英文」優れた素晴らしい仕事

【It is an excellent outstanding job】

「馬を走らせ戦場で活躍した功績」というような、
汗馬かんばろう」の背景を意味する文章ではありませんが、まわりにとっての素晴らしい功績(仕事)という視点では、類似の言葉と言えるでしょう。。

「馬と人間の関係」

現在「馬」と聞くと多くの人が「競走馬」のイメージを持つのではないでしょうか。

馬の祖先は5500万年前から存在していたと言われ、紀元前3500年頃に家畜としたことから人との関わりがスタートしたと言われています。

日本では弥生時代末期が最初の関わりと考えられ、古来より軍事用・輸送用・農耕用など様々な使われ方をしていました。
特に軍事用として使用されることが多く、鎌倉時代以降は軍馬がメインになっていきます。それと並行して常に運搬や農耕、そして現在もなお乗用馬や競走馬として人間のために汗を流して働いているのです。

まさに人間のために「汗馬の労」もいとわない馬。私たちも労いの気持ちを持って感謝をすべきですね。

まとめ

「汗馬」は見た漢字の通り、
汗をかいた馬のことです。
戦功を得るために戦場を駆けめぐり、それによって得た戦功や労苦という意味が加わり
「汗馬の労」と言います。

しかしこの「汗馬の労」のように、物事を成功させるため並々ならぬ地道な努力を重ねたのに気づかれないことも多くあるでしょう。

日本ではそれらを「美学」として捉える傾向もあり、「引き立て役に徹する」「縁の下の力持ち」「内助の功」などという言葉も多く存在します。

たとえ「汗馬の労」がすぐに報われなかったとしても、行った努力は自分の中でしっかりと根付いていきます。汗をかいた分、次なるステージへと進んでいることでしょう。

「汗馬」はその漢字の通り「汗をかいた馬」のこと。

戦場での功績、または人のために奔走する苦労のことを「汗馬の労」と言います。

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