「閑古鳥が鳴く」ということわざを耳にしたことはありますか?
よく使われるのは「客が来なくて商売がはやらない様子」として用いられていますね。なんだか切ないことわざの印象があると思います。経営が苦しく元気のない店主が目に浮かぶでしょう。
今回は、意味や類義語、使い方などを徹底解説していきます。読み終えるころにはあなたも「閑古鳥が鳴く」マスターになっているでしょう!
読み | 閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく) |
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意味 | 物静かで人が集まらないさま/さびれている様子 |
使い方 | 店や旅館で客足がなく、はやっていない様子を表す時 |
類義語 | 門前雀羅を張る/がらんどう/閑散 |
英文訳 | to be in a slump/It seems that the business is not doing |
閑古鳥が鳴く
閑古鳥と言うのは「カッコウ」のことなんです。漢字では「郭公」と書きます。カッコウが日本にやって来るのは毎年5月頃ですね。古語には「呼子鳥」「喚子鳥」とあり、これが転じて「閑古鳥」と言われるようになったと思われます。閑古鳥の鳴き声は、まるで人を呼んでいるかのような、とても寂しい鳴き声です。人里離れた山奥で、その寂しい鳴き声が響き渡る様子から、「閑古鳥が鳴く」と言われるようになりました。
YouTubeにカッコウの鳴き声がありました。確かに切なくて、物悲しい鳴き声ですね…
「意味」商売がはやらない様子
「閑古鳥が鳴く」には2つの意味があります。
・ひっそりとしていて寂しい山里の情景
・旅館や商店に客足がなく、商売がはやっていない様子
ことわざのイメージ
・田舎の山深いさびれた場所で、人の気配はない
・いつ潰れてもおかしくない程、お客さんが居ない飲食店
・良くない意味のことわざなので、商売人には無縁でありたい
商売を始めるのはとても大変なことですよね。自分の人生を左右する大きな決断でしょう。しかし、誰もがこんな状況に陥る可能性があります。できれば、商売人の方は最後までこのことわざと無縁でありたいですね。
「使い方」繁盛していない店を心配するとき










このように、営業しているにもかかわらず、まったくお客が入っていない店に対して使われることが一般的です。それでは続いて、ことわざを使った例文を見ていきましょう。
「例文」努力の甲斐なく店をたたむとき
あれだけ毎日忙しかったが、退職してから、閑古鳥が鳴くほど時間を持て余している。



オープン初日はテレビにも取り上げられて、大盛況だったが、あっという間に閑古鳥が鳴く状況に陥ってしまったよ。



「類義語」閑古鳥が鳴く3つ紹介
それでは、閑古鳥が鳴くの類義語を3つ紹介していきます。意味や例文も合わせて覚えておくと、テストの時に役立ちそうですね!
門前雀羅を張る
訪れる人がまったくおらず、門の前では雀が遊び、網を張って捕まえられるほどである。訪問する人の姿もなく、静まり返っている様子。
先代の時は、予約するだけでも1年待ちの旅館だったのに、2代目の息子に経営者が変わると、門前雀羅を張るが如しになってしまった。
がらんどう
中に何もなく、広々としている状態。誰も居ない様子。財布に何も入っていない状態。
あの一家が引っ越してしまってからは、ずっとあの豪邸はがらんどうだ。
閑散
ひっそりと、静まり返っている様子。仕事が暇であったり、市場の取引が少ない時。
この大型連休は、台風の影響で、空港が閑散としている。
「対義語」閑古鳥が鳴く2つ紹介
それでは次に、対義語を2つ紹介していきます。こちらも、意味や例文と合わせて解説しますので、類義語とセットで覚えておくと良いでしょう。
門前市をなす
門の前に、人が群がり集まることで、その家には出入りする人々が多いという事。
昨日結婚を発表した、大人気のアイドルの自宅には、報道陣が押しかけ、門前市をなすほどの騒ぎになっていた。
大繁盛
店が大変賑わっていて、大いに繫盛している様子。
先月、うちの店の向かいにオープンした、有名チェーン店のケーキ屋さんは、連日長蛇の列で大繫盛している。その影響もあって、うちの店は、閑古鳥が鳴いてるよ。



「英文訳」閑古鳥が鳴く2つ紹介
・to be in a slump
不振に陥る
・It seems that the business is not doing
商売がはやっていないさま



まとめ
いかがだったでしょうか?
それでは最後に「閑古鳥が鳴く」のポイントについておさらいしてみましょう。
元々は、賑わいを見せていたが、徐々に客足が離れ、現在は静まり返ってしまった様子を表す時に使う。
時間に余裕ができて暇な場合や、最初からまったく繫盛していなかったときには、使いません。そして、いつもは混んでいるのに、たまたま空いているなんて場合もNGです。
商売を始めて、初めは順調だったのに、いつしか歯車が狂ってしまい、うまくいかなくなってしまうことはあるでしょう。しかし、できれば避けたいことですよね。少しでも、人の行き来が多く、賑わいのある場所で、商売が繫盛することを願っています。
そして、このことわざはネガティブな意味合いなので、使う際は充分周りに配慮しましょう。
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