「渇して井を穿つ」ということわざを知っていますか?
穿つ…なんだか聞き慣れない言葉ですよね。
前持った準備をしておかないと、必要な時に間に合わない!というときに使うことわざなんです。意味を聞けば意外と身近に感じる言葉かもしれません^^
本記事では、そんな「渇して井を穿つ」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。明日からのあなたの行動に何か役に立つかもことわざかもしれません!しっかりと理解して使えるようになりましょう。
読み方 | 渇して井を穿つ |
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ローマ字 | kasshite i o ugatsu |
意味 | 必要に迫られてから慌てて準備しても間に合わないこと |
使い方 | 渇して井を穿つになってしまわないようにしっかりと準備しよう |
類義語 | 戦を見て矢を矧ぐ/はまったあとで井戸の蓋をする |
対義語 | 備えあれば憂いなし |
渇して井を穿つ(かっしていをうがつ)
「由来」素問
語源は中国最古の医書『素問』にあります。
”乱已に成りて而る後に之を治む。讐タトへば猶ほ渇して井を穿ち、闘ひて錐を鋳るが如し”とあります。これを現代語に訳すと、「喉が渇いてから井戸を掘っても手遅れだ」という意味になります。
参考:『素問』
”井”は”せい”とも読むんじゃよ。
そして”穿つ”は”穴を掘る”という意味なんじゃ。
「意味」必要に迫られてから慌てて準備しても間に合わないこと
「渇して井を穿つ」とは、必要に迫られてから慌てて準備しても間に合わないことという意味です。
「渇して井を穿つのイメージ」
大事なテストが迫っているにも関わらずのんびり構えていた高校生。前日になりようやく焦りを感じ、徹夜をしてテスト勉強をする…。
徹夜をしても短時間で頭に入る容量は限られています。何の準備もせず、直前になって慌てて勉強をしても間に合わないことが想像できますよね。
中国王朝の歴史故事集『奉仕』という編に納められている言葉。
その中には、現代語に訳すと「飢えていると時にキビ(穀物)を求め、喉が渇いてる時に井戸を掘ることは、戦っている中で錘(武器)を作ることと同じ」と書かれています。
引用元:ことわざ100選丸
戦いが始まってから武器を作るなんて手遅れすぎて、もう負けに等しいですよね^^;
「使い方」自然災害の備えがないとき
この間の台風の日は本当にひどい雨風じゃったな。
ほんとですねぇ。
なるぞうさんのところは
雨がかなりひどかったんじゃないですか?
そうなんじゃよ。
わしの地域は山に囲まれているから
土砂災害の避難指示が出たんじゃ。
それで避難しようとしたんじゃが…
大丈夫だったんですか?!
それが、自然災害なんて他人事と思っていたばっかりに
避難準備など何もしておらんくてのぅ。
渇して井を穿つになってしまったよ。
いつ何が起こるか分からないですから、
その言葉に習ってしっかりと準備することが大切ですね。
この例文のように、前持った準備をしておかないと、いざ何かが必要になった時に慌てて準備をしようと思ってももうすでに手遅れだという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」渇して井を穿つ4選
”喉が乾いてから井戸を掘って水を求める”という表現から、”ひどく欲しがる”という意味だと勘違いをする人がいるのですが、その使い方は誤りなので注意しましょう!
これを参考にして、誤用例を含めた例文を4つご紹介します。
新しいショッピングモールで新作のバッグを見つけたの。本当に可愛くて渇して井を穿つ思いだったわ。
「欲しくてたまらない、喉から手が出るほど欲しい」という意味での使い方、これは間違いです。
・ダイエットしていると言いながら甘いものやお菓子を食べていても、渇して井を穿つである。
・ピアノの発表会は明日なのに、今更必死で練習しても渇して井を穿つでしょ。
・渇して井を穿つになってしまっては遅いのだから、しっかりと余裕を持って準備しておこう。
なるほど。このように反省や戒めの言葉として使うことが多いんじゃな。
「類義語」渇して井を穿つ2選
「渇して井を穿つ」の類義語はいくつかありますが、その中から2つをご紹介します。
戦を見て矢を矧ぐ
戦いが始まってから矢を作る。事が起こってから慌てて準備に取り掛かることの愚かさをいうたとえです。
目前に必要なことが迫ってきてから初めて準備に取り掛かる、手遅れの処置を表現していますね。
はまったあとで井戸の蓋をする
これは文字通り、危険な井戸にはまってしまったあとに蓋をするという意味です。
物事が済んだあとで用心するのでは遅いという事がわかります。
「対義語」備えあれば憂いなし
「渇して井を穿つ」の対義語として「備えあれば憂いなし」ということわざが挙げられます。
『備えあれば憂いなし』
前持って準備をしておけば、いざというときに何が起きても心配無用である。常日頃の準備が非常に大切であることを表現した言葉。
直前まで何の準備もせず慌てる様子とは対義し、余裕を持った行動がいかに大切かがよく分かることわざですね。
まとめ
いかがでしたか?
『渇して井を穿つ』
・前持った準備をしておかないと、必要に迫られてからでは手遅れになる。
・反省や戒めの言葉として使う。
実際に今起こってないことに対して人は無関心になりがちです。自然災害の時や、テスト・大事な会議前など…事前に準備が必要な場面はたくさん存在しますよね。
そういった状況が訪れた際に少しでも慌てず余裕を持った行動が出来るように、このことわざを思い出してみるといいかもしれません!
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