「勝って兜の緒を締めよ」ということわざを知っていますか?言葉自体を知っていても、意味が分からない人が多いと思います。
本記事では、「勝って兜の緒を締めよ」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ) |
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意味 | 戦いに勝ったからと言って油断せず気を引き締めろ。 |
使い方 | 勝利を喜び気が緩む部下を咎める。 |
類義語 | 油断大敵(ゆだんたいてき)
褌を締めてかかる(ふんどしをしめてかかる) 好事魔多し(こうじまおおし) |
対義語 | 驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず) |
英語訳 | Don‘t halloo till you are out of the wood.(あなたが森から出るまで、大声を出してはいけない。) |
勝って兜の緒を締めよとは
この言葉の由来となったのは、上杉謙信や武田信玄と互角に渡り合ったといわれる戦国武将、北条氏康の父親・北条氏綱が、息子へ送ったとされる遺言の一節から来ています。
「戦いに勝ったからと言って油断し、頭を護る大切な防具である兜を脱いでしまうと、思わぬ反撃を受け討たれるかもしれない。兜を脱ぐどころか、逆にしっかりとかぶとの緒を締め直し、最後の最後まで気を引き締めなければならない。」
こういった言葉から、次のような意味になります。
「意味」最後の最後まで油断しない
成功したからと言って油断をせず、気を引き締めなければならない、という意味。
この言葉の由来となった戦国時代は特に、一瞬の気の緩みが死を招き、戦況などが一瞬で変わってしまう、なにが起こるかわからなかった時代です。なので、最後の最後まで慎重に、気を引き締めて行動をしなければいけませんでした。
「ことわざのイメージ」
このような時代背景であって、北条氏綱は油断をして死んでいった仲間をたくさん見ての教訓だったんでしょうね。
その教訓から来た教育が生き、北条氏康は武田信玄や上杉謙信と渡り合えるだけの実力が付いたのかもしれませんね。
「使い方」ビジネスシーンでの使用
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[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いやいや、まだ油断はできないよ。勝って兜の緒を締めよっていうしね…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まだまだ気を引き締めて、追い抜かれないように努力しなきゃだね!!![/chat]
このように、同業他社とのシェア争いに勝ったからと言って、いつ追い抜かされるかわからないので、油断ができない。という意味で使用できる言葉です。
ビジネスシーンのほかにも、スポーツなどでも使用できる言葉ですね。
「例文」勝っている時に使う言葉
「勝って兜の緒を締めよ」は勝っているときに使用する言葉です。
なので、
「明日の試合相手は格下だから楽勝だな!勝って兜の緒を締めよって言うし、その後に備えるか…。
このような、勝ち前提の場合は間違えた使い方になります。
こういった油断は、格下相手に負けるフラグにしか見えないので気を付けましょう。
「今回は何とか勝てたが、次はどんな戦法でくるか。勝って兜の緒を締めよって言うし対策を練っておこう…。」
このように、勝っていたとしても次に負けないように、対策を講じたりすることが正しい使い方になっています。
「類義語」「勝って兜の緒を締めよ」3つ
油断大敵(ゆだんたいてき)
油断は失敗のもとであるので、大敵(おおきな敵)である、という意味。
例:「去年勝った相手だからと言って、一年で強くなってるかもしれないから、油断大敵だ。」
褌を締めてかかる(ふんどしをしめてかかる)
十分に、気持ちを引き締めてかかること。
例:「一世一代の大舞台、褌を締めてかかろう。」
好事魔多し(こうじまおおし)
良いことは、邪魔が入りやすいという意味。
例:「好事魔多しって言うし、油断できないね。」
「対義語」「勝って兜の緒を締めよ」
驕る平家は久しからず(おごるへいけは久しからず)
思い上がり、調子に乗った振る舞い方をしているとすぐに滅ぶ、という意味。
ここに出てくる「平家」とは、平清盛一族の事。
「久しからず」とは長い時間経過しないという意味です。
「英文」「勝って兜の緒を締めよ」
Don‘t halloo till you are out of the wood.(あなたが森から出るまで、大声を出してはいけない。)
森で大声を出すと、どんな猛獣などが出てくるかわからないですね。なので、出るまで油断できない、という意味の英文です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
・由来は、戦国武将の父親からの遺言。
・勝っている時こそ、気を引き締めるという意味。
「勝てそう」というときに使うのは✕。
このように、勝っている時こそ油断をしないようにという、戒めの言葉がこのことわざの意味になっています。
何事も、勝ったり成功したからと言って油断をしていると、足元をすくわれることが多いので、浮かれたり油断せず、常に慎重に気を引き締めて物事に取り組むのが大切です。
また本記事を参考に、意味や誤用に注意して使用するようにしましょう。
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