「犬猿の仲」など、動物を表す単語が使われたことわざは聞いたことがありますよね!
今回取り上げることわざ、「犬馬の労」(けんばのろう)でも
飼い主に対して忠誠心の高い動物である「犬」や「馬」という言葉が使われていますが、
いったいどんな場面で使われるのでしょうか。
本記事では、「犬馬の労」(けんばのろう)という言葉の意味や類義語、
使い方など徹底解説していきます!
読み方 | 犬馬の労(けんばのろう) |
---|---|
意味 | 上司や目上の人など他人のために力を尽くすこと。 |
使い方 | 自分の力を尽くして誰かに貢献するときなど。 |
英文訳 | work like a horse/dog |
類義語 | 汗馬の労 |
犬馬の労とは
主人に対して忠誠心が高い「犬」や「馬」のように、
目上の人のために自身の力を尽くすことを意味します。
特に自身のことをへりくだって、相手よりも身分を低くして使われることわざです。
由来:中国では昔から、自分の労を謙遜する際に目上の人である主君に対して使われてきた表現だった。
二世紀の終わり、後漢王朝の末期に、曹操という武将が皇帝に差し出した文書には、「自分の身を振り返ってみますに、『犬馬の微労有りと雖も(犬や馬程度のちょっとした働きはいたしましたが)』、私だけの力ではありません、すべて部下たちのおかげです」という一説があります。
〈引用:コトバンク「犬馬の労」より〉
「意味」目上の人に対して力を尽くすこと
犬や馬は、飼い主に対してとても忠誠心が高いことから、歴史上においても
戦場や仕事場において重宝されてきた動物です。
「犬馬の労」を用いる際は、犬や馬のごとく忠誠心をもって全力で仕事や物事に励む
ということを意味します。
「ことわざのイメージ」
・犬と馬の主人への忠誠心の高さのように、尊敬の心を示す。
→自身をへりくだった言い方ができる。
・他人のために全力で物事に取り組む。
→犬や馬のように、労を惜しまず働く。
「使い方」自分の力を尽くして誰かに貢献したいときー特に目上の人に対して
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”部長” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]くわしいぞう君、今度のプロジェクトリーダーをぜひ君に任せたいと思っているんだ。[/chat]
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[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]入社当初からお世話になっている部長のためなら、犬馬の労をいとわず活動させていただきます。ありがとうございます。[/chat]
「例文」上司に全力で仕事に取り組む姿勢を示すとき
この会社が立て直されたのは、専務が犬馬の労をとったからなんだよ。
他人の苦労に関しては、失礼にあたるので犬馬の労は使うことは出来ません。
ずっとお世話になってきた部長のためなら、犬馬の労をいとわず今回のプロジェクトに励みます。
上司のために、物事に対して尽力することをより強調して伝えることができます!
【ポイント】「犬馬の労」を使うときは「~をいとわず」「~をとる」という動詞とセットで使われることが多いです!ぜひ覚えておいてください。
「類義語」汗馬の労
・汗馬の労
馬が汗をかくほどの働きをすることから派生し、
戦場での功労や、ある物事に対して広く駆けずりまわった際の苦労を意味します。
「犬馬の労」は対象が目上の人に対することわざですが、
「汗馬の労」は対象を断定せず使うことができます。
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「対義語」飼い犬に手を噛まれる
・飼い犬に手を噛まれる
普段から可愛がり、面倒を見ていた者から裏切られたりすることを
飼い犬に例えたことわざです。
このことわざを使用する場合は、目上の人や友人ではなく
後輩や部下に対して、裏切られたり害を受けた際に使われます。
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「英文」work like a horse/dog
犬馬の労に相当する英語のことわざはあまり見当たらないのですが、
よく似た英語表現としては、
誰かの労に対して賞賛する表現である以下の一文に訳すことができます。
It is an excellent outstanding job.
訳:並外れた素晴らしい功績
excellen/優秀な、素晴らしい outstanding/傑出した、実に優れた
また、犬馬の労が意味する、全力を尽くして働く様を表現する慣用表現を
いくつか例に挙げておきます!
・work like a horse/馬車馬のようにがむしゃらに働く
・work like a dog/犬のように働く
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
この記事で少しでも「犬馬の労」の意味を理解していただけていれば
と思います。
・自分をへりくだって腰を低くする際に使う表現
→そのうえで、目上の人や他人のために力を尽くすことを示唆できる。
若いうちは「犬馬の労」のごとくがむしゃらにはたらき苦労すべきという、
このような自己犠牲の文化は残念ながら社会においてまだ残っていますが、
あくまでも慣用表現です!
皆さんは身体に無理がないように、
信頼できる人に対してその能力を使っていってくださいね!
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