騎虎の勢い(きこのいきおい)の意味とは?使い方はもちろん、類義語まで伝授!

虎のアップ
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騎虎きこいきおい」ということわざをご存知ですか?

漢字だけを見ると力強いイメージで、まるで戦国のような雰囲気さえ感じますよね。実は「騎虎の勢い」にはそんなイメージとは違う意味があるんです。

本記事では、「騎虎の勢い」」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、この言葉のマスターになっているでしょう!

 

読み方 騎虎の勢い(きこのいきおい)
意味 ものごとの勢いが盛んになって、あとへ引けなくなること
使い方 行きがかり上、途中でやめられなくなるときに使用
英文訳 He that is out at sea, must either sail or sink.
類義語 乗りかかった船

 

目次

騎虎きこいきおいとは

歩く虎

 

騎虎の勢いの由来とは

隋書ずいしょ』とは、中国史における隋の時代についての歴史書です。「騎虎の勢い」は、『隋書』という文献に書かれている故事からできた言葉と言われています。

四世紀、東晋とうしん王朝で反乱が起こります。そのとき反乱軍の盟主だった将軍「陶侃とうかん」は、自分の根拠地へと引き返そうか迷っていました。すると、部下の一人が「今の情勢では、引き返すなんて許されません。『騎虎の勢い(虎にまたがって走り出したような勢い)』ですから、降りることなんてできないのです」と言って、思いとどまらせたということです。

このように、「虎にまたがってしまったら、途中で降りようとしても降りられない」ことより、物事にはずみがついて途中でやめられない、せざるを得ないという意味を持つ「騎虎の勢い」ということわざができました。

この他、成り行きにまかせるという意味としても使用されます。

「意味」物事の勢いが盛んになってあとへ引けなくなること

騎虎きこいきおい」とは、勢いやはずみがついてしまい、行きがかり上、途中でやめられなくなることのたとえです。

「騎虎」とは虎に背に乗ること。虎の背に乗って走ったとイメージしてみてください。もし途中で降りてしまうと虎に襲われてしまう可能性があります。そのため、物事が勢いづくと引き返すわけにはいかなくなるという意味が「騎虎の勢い」にはあるのです。

「ことわざのイメージ」

「騎」を使った言葉には「騎士きし」「騎馬戦きばせん」「騎兵きへい」など、争いをイメージするようなものが多くあります。

また「虎」も強い動物のイメージ。

さらに「勢い」という言葉が加わるので、力強く勢いに任せて突き進むような捉え方をする人も多いようです。しかし本来の意味は後に引けなくなり、せざるを得ない様を意味しています。

そう考えると漢字や言葉のイメージだけではなく、こうして一つのことわざを掘り下げて意味を知る大切さが分かりますね。

【こんな話も…】

中国の北周という王朝は宣帝せんていによって治められていました。その後宣帝が亡くなり、宣帝の外戚だった楊堅ようけんが隋を建国。

その際、楊堅は妻にこう言われたそうです。

「大事已(すで)に然り。「騎獣の勢い」必ず下ることを得ず。之を勉めよ」

(ついに大切な時がやってきました。虎に乗って走り出してしまったら、もう降りることはできないのです。そのまま前進してください。)

この言葉は、これから隋の国を治めていく楊堅に対し、改めて覚悟の気持ちを持たせるためのもの。

なお、「騎虎」ではなく「騎獣」とされているのには次のような理由があります。

『隋書』は、隋の次の王朝であるとうの時代に編纂されたものです。その唐を治めていた初代皇帝の李淵りえんの祖父の名が李虎りこだったとか。そこで虎の字を含んでいることより使用を避けたと言われています。

「使い方」行きがかり上、途中でやめられなくなる時に使用

ためになるぞう
村の集会に行ったら「リーダーになってくれ」と頼まれてしまってなぁ。
ためになるこ
いつもあなたがみんなをまとめてるからですよ。
ためになるぞう
日ごろからそうしていたからじゃなぁ。こうなったら騎虎の勢いで頑張ってみようか。
ためになるこ
みんなその気になっていますから、後にはひけませんね。

この例文のように、すでに進んでいる物事は、簡単に後に引けないという意味合いで使っています。

これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。

「例文」物事をやめられなくなるという意味で使用する

会社の売り上げがどんどん伸びている。これは騎虎きこいきおいだな。

勢いにのるという意味で使うのは誤用です。「勢い」という言葉で終わるので、素早い勢いをイメージしがちですが、それは間違い。物事をやめられなくなるというところに意味の中心があることを理解しましょう。

その他の誤用例としては 「当時の彼らにかなう人はいないだろう。まさに騎虎の勢いとも言える激しさだ」など。こちらも勢い余って突き進むような意味合いが含まれています。

とは言っても、正しい使い方と誤った使い方の見極めは分かりにくいですよね。では下記の良い例にも目を落として比べてみましょう!

プロジェクトチームには入っていなかったが、気が付いたらみんなと頑張っていた。ここまで一緒にやってきたのだから、騎虎の勢いで最後まで付き合うよ。

悪い例と良い例の違いに気づいていただけましたか?

悪い例は勢いに任せて突き進むイメージ。一方良い例はここまで来たからなんとかやり遂げようというイメージ。

「騎虎の勢い」とは、勢いがついてしまったからこそなかなかやめることができないということです。これは決して後ろ向きに捉えているわけではなく、「だからこそ最後までやり遂げよう」という「腹を括って、やり遂げる努力」へと繋がるものではないでしょうか?

何事にも強い信念をもってやり遂げられると良いですね。

さぁ、ここまで読んでくださったあなた!「騎虎の勢い」の意味もかなり理解し始めているのではないでしょうか?せっかくここまで読まれたのであれば、ここから先も「騎虎の勢い」で読み進めてみてくださいね。

 

「せざるを得ない」「せざる負えない」本当はどっち?

「騎虎の勢い」には物事に勢いがついてしまって後に引けなくなり、せざるを得なくなってしまうという意味があります。

さてこの「せざるを得ない」ですが、「せざる負えない」という表現を聞いたこともあるのでは?

実は「せざる負えない」は誤りです。「せざる+を+得ない」が正解。「せざる+おえない」という使用はないので注意しましょう。なお「せざる終えない」「せざる追えない」もありません。

 

「類義語」乗り掛かった舟 その他紹介

虎イラスト

 

 

騎虎きこいきおいい」には以下のような類義語があります。

「乗り掛かった船」。この言葉を耳にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。意味は「物事を始めた以上、途中でやめるわけにはいかない」ということです。

この「乗り掛かった船」に似たもので「乗り掛かった馬」という言葉もあります。意味は一緒です。でもこちらはあまり聞いたことがないのでは?

その他「虎」を使用した類義語として「虎に騎る者は勢下るを得ず」

なお「騎虎」が使われ、「騎虎の勢い」と全く同じ意味を持つものとして騎虎きこくだがたし」騎虎きこいきおくだることをず」という言葉もあります。

「英文」He that is out at sea, must either sail or sink.

「He that is out at sea,must either sail or sink.」

上の英文の日本語訳は「海に出たからには、進むか沈むかのどちらかだ」となります。

「進み始めた以上は、戻ったりやめたりすることはできない」という意味で「騎虎きこいきおい」と同じ捉え方です。以下の例文も同じ意味合いとなります。

A person that is out at sea must either sail or sink.

くわしいぞう
その他こんな英文もあるぞう

「having no choice but to carry on」

突き進むより他はない

force of circumstances

成り行き上仕方なく

どちらにも「引き返せないから進むしかない」という意味が込められています。

まとめ

騎虎きこいきおい」の意味はマスターできましたか?

「騎虎」とは虎の背中に乗ること。虎に乗ったら簡単に降りることはできません。降りると食い殺されるからです。そんな背景より、一度始めたからには途中でやめるわけにはいかないという「騎虎の勢い」ができました。

「降りたくても降りられず、行き着くところまでいくしかない」

このように、長い人生の中にはやめるわけにはいかない状況も時にやってくることでしょう。しかし、自分に妥協することなく、今にとどまらず挑戦し続けることの大切さを「騎虎の勢い」ということわざを通じて学んでいただければ嬉しく思います。

この記事を読んでくださった全ての皆様の幸せに「勢い」がつきますように!

勢いにのるという意味で使わないよう注意。「勢い」という言葉を使用しているので素早い勢いをイメージしがちですが、間違った解釈です。物事をやめられなくなるというところに意味の中心があることを理解しましょう。

 

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