あなたは「窮すれば通ず」ということわざを知っていますか?
たとえば、何か失敗をしてしまって「どうしよう…」と追い詰められてしまったとき。そんなピンチのときに急にアイデアが浮かんで、解決できた!
そんな状況を表すことわざです。
この記事では「窮すれば通ず」の意味や類義語、使い方などについて分かりやすく徹底解説しています。
しっかり覚えて帰って下さいね。
読み方 | 窮すれば通ず |
---|---|
意味 | 人は行き詰まってどうにもならない状態まで追い込まれると、かえって行くべき道が開かれることがある |
使い方 | 追い詰められたことで解決につながったとき |
類義語 | 案ずるより産むが易し 案じるより芋汁 案じるより団子汁 必要は発明の母 |
対義語 | 窮すれば濫す |
英文 | Things turn around in the worst case. Human predicament is God’s opportunity |
「窮すれば通ず」とは
~由来~『易経』繋乱 下
「困は窮して通ず」とあるのに基づく。
困=易の六十四卦の一つ、困の卦。
易=古代中国に起こった占いの方法。
「行き詰っても必ず切り抜けることができる。」または「苦境にあっても正しい道を歩んでいく」という解釈もある。
六十四卦とは
占いのひとつで儒教の基本経典でもある易で用いられる基本図象。 より基本的な図象である八卦を二つ重ねたもので、それぞれの組み合わせには、一つ一つ占いの文句が付せられ、それが卦辞として書かれている。さらに各卦の6爻、一つ一つにも占いの文句が爻辞としてつけられており、『易経』には全部で64の卦辞、384の爻辞が設けられている
引用元:Wikipedia
- 卦辞=易の六十四卦の内容について説明したもの。
- 爻辞=卦を構成する各爻それぞれについて384通りの説明をしているもの。
「意味」追い詰められるとかえって行くべき道が開かれる
「窮すれば通ず」は、人は行き詰まってどうにもならない状態まで追い込まれると、かえって行くべき道が開かれることがあるという意味です。
絶体絶命だと思うような状況でも、案外解決の道はあるものだということですね。
通ず=用法の固定した成句。
成句=習慣的に使われる、二語以上から成るきまり文句やことわざのこと。
「通じた(過去形)」や「通じない(否定)」などのように使うのは間違い。
「窮すれば通ずのイメージ」
どうしようもない状態に追い詰められて「一体どうしたら…。」と焦った時にこそ、良い解決策が浮かんでピンチを乗り越えられる。
そんなイメージのことわざです。
「使い方」追い詰められたことで解決につながったとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]どうしたら良いんじゃぁ…[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]一体、どうしたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]明日の商談で必要な資料のデータを、誤って消してしまったんじゃあ…。
今から作り直しても間に合わんよ…(泣)[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まぁ…それは大変ですねぇ…[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]今日の商談は大丈夫でしたか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]資料は間に合わなかったんじゃが一生懸命、説明したんじゃ。
そうしたら熱意を分かってもらえて契約してもらえたんじゃよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それは良かったですね。
まさしく窮すれば通ずですね。[/chat]
この例文のように、行き詰まって追い詰められるとかえって解決策が見つかるという意味合いで使います。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」追い詰められてかえって道が開かれたとき
- 「窮すれば通ず」というけれど、倒産の危機までいったのに、なんとか持ちこたえる策が見つかって安心したよ。
- 明日が締め切りで焦っていたけど、「窮すれば通ず」で、すごく良いアイデアが浮かんで間に合ったよ。
- 給料日前で今日の買い物も危うかったけど「窮すれば通ず」で臨時収入があって助かったよ。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]追い詰められていたけど、無事に解決策が見つかってホッとしましたね。[/chat]
- 通るか自信はなかったけど、一か八かで僕の案を出してみたら「窮すれば通ず」で選ばれたよ。
- 募集してるか分からなかったけど、とりあえずアルバイトに応募してみた。「窮すれば通ず」で採用されたよ。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]どちらも『切羽詰まっている』という状況ではないから、この使い方は間違いじゃよ。[/chat]
「類義語」窮すれば通ず4つ紹介
案ずるより産むが易し
始める前はあれこれ心配をするものだが、実際にやってみると案外たやすくできるものだということ。
(例文)初めての取り組みだし、難しそうと思ってドキドキしたけど、「案ずるより産むが易し」でやってみたら意外と簡単だったよ。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]お産する前は本人も周囲の人も色々と心配することが多いが、終わってみると案外たやすく済んでしまうものであるということからできたことわざじゃよ。
あまり取り越し苦労をするなという慰めの意味で使われることが多いんじゃよ。
とはいえ、お産は命がけですることだから、実際はたやすく済むものではないがの。[/chat]
案じるより芋汁
くよくよ考えてもなるようにしかならないということ。
(例文)やってしまったことは仕方がないから、「案じるより芋汁」で明日になるのを待とう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]芋汁でも腹いっぱい食べてゆっくりしたほうが利口というもの。
うまい物でも腹いっぱい食べて元気を出せということじゃよ。[/chat]
案じるより団子汁
あれこれ心配しても仕方ないから、団子汁でも食べて気を紛らわしたほうがよいということ。
(例文)検定の結果がでるまで心配だけど「案じるより団子汁」というし、あまり気にしないようにして待っていよう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]『案じる』と『餡汁』の語呂合わせじゃ。
団子汁は餡汁に団子を入れたもので、ただの餡汁より良いというシャレでもあるんじゃよ。[/chat]
必要は発明の母
必要に迫られると、あれこれ工夫がなされ発明を生むから、必要は発明にとって母親のようなものだということ。
(例文)「必要は発明の母」と言うように、不便なところを解消するアイデアを出さなきゃね。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]英語のことわざ「Necessity is the mother of invention.」の訳なんじゃよ。[/chat]
必要は発明の母とは
西洋起源のことわざで、日本には幕末ないし明治初期に入って、明治一〇年代後半には学生の間でよく知られていました。また、この「母」は、生み出すものの意で、従来の日本語のことわざには見られない新たな用法でした。
引用元:コトバンク
「対義語」窮すれば通ず1つ紹介
窮すれば濫す
切羽詰まると人は善悪の見境がなくなり、どんな悪いことでもやってしまうということ。
(例文)あんなに真面目だった彼が、万引きをするなんて…。「窮すれば濫す」で仕事を失って、よっぽど追い詰められていたんだね。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]『論語―衛霊公』に出て来る、孔子のことばじゃよ。
孔子の一行が旅の途中、陳という国で軍隊に包囲されて食料が尽きてしまった。
その時に弟子の一人が「立派な君子でも、こんなに困窮することがあるのですか」と食ってかかったんじゃ。
すると孔子は「君子は困窮して当たり前だ。つまらぬ人物ほど、『窮すれば斯ち濫す(困窮すると行いが乱れる)』ものだよ」と答えたそうじゃ。[/chat]
「英文」窮すれば通ず2つ紹介
Things turn around in the worst case.
物事は最悪の事態に陥ると好転するものだ。
Things turn around=物事は好転する
worst case=最悪の場合
落ちるところまで落ちたら、あとは上がるだけですよね。
Human predicament is God’s opportunity.
人の窮境は神の機会である。
Human predicament=人間の窮状
God’s opportunity=神の機会
その時は「もうダメだ…」と思っても、意外と乗り越えられるものです。
まとめ
「窮すれば通ず」ということわざについて解説してきましたが、いかがでしたか?
意味は人は行き詰まってどうにもならない状態まで追い込まれると、かえって行くべき道が開かれることがあるということです。
使い方は追い詰められたことで解決につながったときに使います。
ただ物事がうまくいったという意味で使うのは間違いなので、注意しましょう。
人生は色々あって、どうしたら良いか分からないこともありますよね。
でも案外、何とかなってしまうものです。
それでも焦ったりするのは嫌だから、日頃から何か問題が起きても大丈夫なように、知識やスキルを身につけて乗り越える力を備えておきたいものですね。
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