みなさんは、泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)ということわざを聞いたことはありますか?
おやつ食べたい!
もうすぐ夕飯の時間だから、今はダメよ
ヤダー!
今日はもうおやつ食べたでしょう?
ヤダヤダー!食べたいもん!!
またそうやって...思い通りにいかないと泣いて暴れて...
仕方ないわね。少しだけよ。
「どんなに間違ったことを言う相手でも、道理の通じない者には従う他ない」という意味の言葉です。
本記事では「泣く子と地頭には勝てぬ」という言葉の意味や使い方、類義語などを徹底解説していきます。
- 泣く子…泣いてわがままを通そうとする子供
- 地頭…土地を管理支配する職業(平安時代~)
読み方 | なくことじとうにはかてぬ |
ローマ字 | Nakuko to zitô niha katenu |
意味 | 道理の通じない相手には何を言われても従う他ない |
使い方 | 相手の意見を受け入れざるを得ない時、その場を穏便に済ませたい時 |
類義語 | 長い物には巻かれろ 馬鹿と子供には勝てぬ |
対義語 | なし |
英文 | You cannot win against someone who doesn’t listen to reason you can’t fight City Hall. |
泣く子と地頭には勝てぬとは
泣く子とは、泣いている子供、わがままを通そうとする子供、という意味です。
泣いてわがままを言う子供は、時にとんでもない要求をしてきますね。
地頭って?
「地頭」とは、平安時代から存在する「荘園、公領(土地)を管理支配するために設置された職業」のことで、鎌倉時代には源頼朝によって、全国に配置されました。税金を取りたてる、権力のある立場でした。
地頭は、その立場を利用し、横暴な年貢の取り立てをすることもありました。
「泣く子」も「地頭」も、言葉は違えど、どちらも「力の強い者」を表していますね。
「意味」道理の通じない相手には何を言われても従う他ない
「泣く子と地頭には勝てぬ」とは、こちらが正しいことを言っていても、相手が泣き出したり、あるいは自分よりも地位が高く、権力のある人の場合、自分の意見ではなく相手の意見を受け入れざるを得ない、という意味です。
ことわざのイメージ
「使い方」泣く子と地頭には勝てぬ
ただいま...もうヘトヘトじゃ。
今日も残業ですか。おつかれさまです。
わしの担当の仕事は終わったから、定時で帰れると思ったんじゃが...上司に仕事を丸投げされてなあ。
断ることもできないから、なんとか仕上げてきたよ。
あらまあ「泣く子と地頭には勝てぬ」と言いますもんね。
横暴な上司の部下でいることは、大変ですね。
さあ、湯舟にゆっくり浸かって、疲れを癒そうかのう。
湯はまだ張ってませんよ。風呂掃除は、なるぞうさんの仕事でしょう?
...
我が家にも地頭がいた...
何か言いました?
何も言うとらんよ。風呂掃除、やりますよー。
(泣く子と地頭には勝てぬpart2じゃ…トホホ)
良い例と悪い例「泣く子と地頭には勝てぬ」
「泣く子と地頭には勝てぬ」良い例
徹夜明けで疲れているが、朝から我が子に「公園に連れていけ」とあんなに駄々をこねられたら、連れて行くしかないだろう。泣く子と地頭には勝てぬとは、このことだな。
泣いて駄々をこねられては、言うことを聞くしか、その場を治める方法はないだろう。こっちがどんな理屈を並べても勝てない。
これこそ「泣く子と地頭には勝てぬ」だね。
「泣く子と地頭には勝てぬ」悪い例
「泣く子も地頭には勝てぬ」と言うだろう。泣こうが喚こうが、地頭には誰も勝てないんだよ。
むむ…
助詞を間違えただけで、全く違う意味になってしまうぞ。
正しくは「泣く子と地頭には勝てぬ」だね。
「類義語」 2つご紹介「泣く子と地頭には勝てぬ」
長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)
意味:自分より強いもの、立場が上の者には、逆らわず従っておいた方が良い
馬鹿と子供には勝てぬ(ばかとこどもにはかてぬ)
意味:理屈が通らないような相手には、何を言っても勝てない
「英文」泣く子と地頭には勝てぬ
You cannot win against someone who doesn’t listen to reason you can’t fight City Hall.
「泣く子と地頭には勝てぬ」
cannot・・・できない
win against・・・(人と争って)勝つ
listen to reason・・・(道理を)聞き分ける
fight・・・戦い、論争
City Hall・・・市当局、官僚支配
まとめ
「泣く子と地頭には勝てぬ」の解説、いかがでしたでしょうか?
当てはまる場面に、誰しも一度は遭遇していそうな、身近な「ことわざ」だと思いませんか?
ここで改めて、意味を振り返っておきましょう。
- 意味・・・道理の通じない相手には、従う他ない。
- 使い方・・・相手の要求がたとえ間違っていても、その場を治めるために要求を呑む時。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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