蝉(せみ)と蛍(ほたる)、この2つの虫を扱ったことわざがあります。
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」です。

うるさいほどに鳴く蝉と、静かに身体を光らせる蛍の様子を人間の行動にたとえた詩のようなことわざです。
「なんとなく聞いたことあるかも」な方も多いかと思いますが(漫画やドラマのタイトルに使用されたことがあるので、聞いたことがある方も多いはずです)、このページでは意味だけではなく由来についても解説しております。
読み方 | なくせみよりもなかむほたるがみをこがす |
ローマ字 | Nausemiyorimo Nakabuhotaruga Mi wo Kogasu |
意味 | 口に出していろいろ言う人よりも、何も言わない人のほうが思いが激しいこと |
使い方 | 無口な人の秘めた想いが強い様子に使用 |
由来 | 江戸時代に書かれた「都々逸」という説があるが、似たような和歌が平安時代にあった。 |
類義語 | 言わぬは言うに勝る |
鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす
意味 口に出していろいろ言う人よりも、何も言わない人のほうが思いが激しいこと
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」の意味は「口に出していろいろ言う人よりも、何も言わない人のほうが思いが激しいこと」です。
蝉が「口に出していろいろ言う人」、蛍が「口には出さない(鳴くことはない)けれど、思いが激しい人」を表しています。
「思いが激しい」様子が、ほたるが身体が焦げてしまいそうなくらいに光を放っていることにたとえられています。



由来 「都々逸」という説もあるが、平安時代に似たような言葉もあった
由来は、江戸時代に恋愛についての短い詩を集めた「都々逸」から広まったという説があります。






しかし、江戸時代よりも前に、人の情の激しさを虫にたとえた文章が後拾遺和歌集にあります。
「音もせで 思ひに燃ゆる蛍こそ 鳴く虫よりも あわれなりけれ」
(意味 鳴くことはせず、想いを燃やすように光る蛍は 鳴く虫よりも 趣が深い)



使い方 思いの激しさを表すのに使います















例文(良い例・悪い例)
鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすとと言われるように、いろいろと言葉に出して甘い言葉をささやく男よりも、ちゃんと態度で愛していることを示すような男性と結婚したい。



何かあったら口にしないとダメ!鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすっていうじゃない?
ちゃんと口にしないと、自分自身が焦げるようにボロボロになっちゃう!






類義語 言わぬは言うに勝る
類義語は「言わぬは言うに勝る」です。
「言わぬは言うに勝る」の意味は「言わないほうが、言葉にするよりも思いの深さがわかる」ということです。






まとめ
「鳴かぬ蛍が身を焦がす」の意味は、口に出していろいろ言う人よりも何も言わない人のほうが思いが激しいことです。
恋愛感情における行動で使われることが多いです。
夏の蝉の鳴き声は「ちょっとうるさいなぁ」と感じてしまうけれど、蛍の光は「ああ、きれいだなぁ」と思うような、人間の感覚に訴えるような詩的なことわざです。
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