「三顧の礼(さんこのれい)」の意味とは?わかりやすい使い方と例文を解説!

三顧の礼
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三顧さんこの礼」という言葉を知っていますか?
目上の人が目下の人の所に何度も出向くなど礼を尽くし、物事を頼むことをいいます。
仕事を頼むことを意味するので、ビジネスシーンでも多く使われる言葉ですね。
「三個」や「礼をつくす側が屈辱感を持ちながら物事を頼む」というのは間違いですから、気を付けなくてはいけません。

本記事では、「三顧の礼」という言葉の意味や類義語、使い方などわかりやすく解説していきます。
しっかり理解していきましょう。

読み方 三顧の礼(さんこのれい)
意味 目上の人が目下の人に対して礼を尽くし、物事を頼むこと
使い方 上司や年長者が、目下の人に心から敬意けいいをはらって頼むとき
英文訳 showing special confidence and courtesy(特別な信頼と礼儀)
類義語 三顧さんこの礼4つ紹介

 

目次

三顧さんこの礼とは

諸葛孔明

「由来」「三国志」の「諸葛亮伝しょかつりょうでん

「三国志」の中の「諸葛亮伝しょかつりょうでん」に記されている物語が、由来となっています。
中国三国時代、優秀な軍師を探していた名高い武将の劉備りゅうびに、やはり軍師として仕えていた徐庶じょしょが、当時無名であった友人の諸葛亮しょかつりょう孔明こうめい)を紹介します。
その時の徐庶じょしょの言葉が、こう記されています。

徐庶じょしょがりゅうびに謁見えっけんして申し上げました。
諸葛孔明しょかつこうめいは寝ている竜のような人物です。将軍様は彼に会いたいとお望みでしょうか。この人物はこちらから行って会うことはできますが、呼びつけることはできません。お訪ねになるのがよいでしょう。」と。
孔明臥竜こうめいがりゅう

3回目でようやく諸葛亮しょかつりょう孔明こうめい)に会えた劉備りゅうびは、諸葛亮しょかつりょう孔明こうめい)を軍師に引き入れることに成功したのです。

「意味」目上の人が目下の人に対して礼を尽くし、物事を頼むこと

三顧さんこの礼」とは、目上の人や年上の人が、目下の人や年下の人に対して心から敬意を払って、仕事や物事を頼むことをいいます。
現在では、特別優遇とくべつゆうぐうや信任で仕事を依頼することを表していたりします
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「三顧さんこ」を「三個さんこ」とするのは間違いじゃぞ[/chat]

「使い方」上司や年長者が、目下の人に心から敬意をはらって頼むとき

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]隣の息子は転職したらしいな[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]私も聞きましたわ。ライバル会社に行ったんですって?[/chat]

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ライバル会社の社長が、何度も勧誘にきたらしいぞ[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]三顧さんこの礼で迎えられたのね。新しい会社でも頑張ってほしいですね[/chat]

「例文」特別な待遇たいぐうで迎え入れるとき

礼を尽くして頼む

・彼には嫌な思いを何度もさせられたが、実績があったので仕方なく三顧さんこの礼を尽くしてチームに迎えることにした。

[chat face=”先生-2.png” name=”ものしり男先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「三顧さんこの礼」は心から敬意を払って、という意味だよ。屈辱感くつじょくかんを持ちながらお願いする、というのは間違いなんだ。注意しようね。[/chat]

・若いけど実績を買われた新監督は、三顧さんこの礼を尽くして迎えられたが、全く成績を残せなかった。

・彼女のようなすぐれた人材は、三顧さんこの礼を尽くして我が社に迎え入れたい。

[chat face=”女教師-2.png” name=”ものしり子先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「三顧さんこの礼を尽くす」や「三顧さんこの礼を尽くして迎える」といった言い方で使われるのよ[/chat]

「類義語」三顧の礼4つ紹介

草廬三顧そうろさんこ⇒目上の人が礼儀を尽くして有能な人を招くこと

三徴七辟さんちょうしちへき⇒目上の人が、ある人物を信頼して手厚く迎えること

三顧さんこ知遇ちぐう⇒目上の人が礼儀を尽くして優秀な人を招くこと

招聘しょうへい⇒礼を尽くすして人を招くこと

[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]どれも「目上の人が目下の人に対して礼を尽くす」という意味で、「三顧さんこの礼」類義語になるんじゃよ[/chat]

間違いやすい「カノッサの屈辱くつじょく

カノッサの屈辱
目上の人が目下の人に対して礼を尽くす、という意味で「三顧さんこの礼」の類義語?と思ってしまう「カノッサの屈辱くつじょく」という言葉があります。
でも実際は全く意味が違う言葉なのです。
[chat face=”女の子-1.png” name=”わかるちゃん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「カノッサの屈辱くつじょく」は許しを得るために権威けんい屈服くっぷくして礼を尽くす、という意味なんだって[/chat]

[box01 title=”「カノッサの屈辱くつじょく」由来”]1077年に起こった、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ4世と、ローマ教皇グレゴリウス7世の争いが由来となっています。

皇帝の権力が弱かった神聖ローマ帝国でしたが、ハインリヒ4世は自らの影響力を大きくしようとしました。自分の都合のいい人物を大司教や司教に任命していったのです。教皇はこれに反対し、皇帝の聖職叙任権せいしょくじょにんけんに異議を唱えました。そのことに怒った皇帝は教皇の廃位を宣言します。すると教皇もハインリヒ4世の教会からの破門を宣告するのです。すると、それまで皇帝側についていた諸侯しょこうたちも離れていきました。臣下しんか達に見捨てられたハインリヒ4世は、破門というピンチを脱するためにやむを得ず、カノッサに滞在中の教皇に懇願こんがんしたのです。城外の雪の中で3日間断食と祈りを捧げ、ようやく破門を許されました。[/box01]

「英文」showing special confidence and courtesy

優秀な人材
三顧さんこの礼は「優秀な人材を良い待遇たいぐうで迎える」という意味もあるので、英語で表現すると次のようになります。
・showing special confidence and courtesy

※special⇒特別なもの
※confidence⇒信用・信頼・信任
※courtesy⇒礼儀

例文:The president has won his services as the accounting manager by showing special confidence and courtesy.

[chat face=”外国人-2.png” name=”えいごちゃん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]直訳すると「社長は特別な自信と礼儀を示すことにより、経理部長としての彼のサービスを獲得かくとくした。」になるわね。
でも意味としては、「社長は彼を経理部長として三顧さんこの礼で迎え入れた」と読み取れるわ[/chat]

まとめ

礼を尽くす
いかがでしたでしょうか?

三顧さんこの礼の意味は、目上の人が目下の人に対して礼を尽くし、物事を頼むことです。

年齢や実力や自分より下だと思う人に礼を尽くして頼みごとをする、というのは意外と難しいのではないでしょうか。
その分、実力を認められ三顧さんこの礼で迎えられた、ということは素晴らしい事ですし、活躍できる場が広がるというのは、とても幸せなことではないかと思います。
私も、何かの分野で三顧さんこの礼で迎えていただけるような人になれたらいいなぁ、と思いました。

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