「猿に絵馬」ということわざをご存じですか?
猿に絵馬とは、取り合わせのよいもののたとえです。

ん?呼んだかな?[



今回のことわざは「猿に絵馬」ですって。私たちの事よ!
取り合わせのよいものとは、どんなものが思い浮かびますか?
猫とこたつ?
こたつにミカン?
人それぞれに思い浮かぶものがあるでしょうね!
本記事では、「猿に絵馬」という言葉の意味や類義語、使い方など解説していきますので、一緒に見ていきましょう!
読み方 | 猿に絵馬(さるにえま) |
---|---|
意味 | 取り合わせのよいもののたとえ |
使い方 | とても絵になりますね!まさに「猿に絵馬」です。 |
英文訳 | なし ですが、解説あり |
類義語 | 梅に鶯/獅子に牡丹/波に千鳥/牡丹に唐獅子、竹に虎/牡丹に蝶/竹に雀/松に鶴/紅葉に鹿/柳に燕 |
猿に絵馬とは


~由来~
馬は猿の守護神であることから。
「絵馬」は、社寺に祈願する時、または、願いが叶った時のお礼をする時に奉納するもので、絵が描かれた木の板のことです。
昔の日本では、神々は馬に乗って現れるといわれており、神輿が生まれる以前は神座の移動には馬がつかわれていた。『風土記』によれば、崇徳天皇のころから神事の際に馬を献上する風習が始まったとされ、奈良時代から馬を奉納できないものは、木や紙、土で作った馬の像で代用するようになって、板に馬の絵、今でいう「絵馬」がみられるようになった。



最初は私みたいな木の板じゃなくて、本物の馬を奉納していたのねぇ!
「意味」 取り合わせのよいもののたとえ
例えば「揚げたての唐揚げとほかほかご飯は、めちゃくちゃご飯がすすむから、取り合わせが良い」ので「猿に絵馬」です。


「最高の組み合わせ!」と思えるものが、「猿に絵馬」ということですね。



うぅ…なんかお腹が空いてきたぞ…
「使い方」 最高の組み合わせを伝えたい時



なるこさんや、チョコレートと牛乳を一緒に食べると、なぜこんなに美味しいんじゃろうのぅ…。















温めた牛乳にチョコレートを入れて溶かすと、ホットチョコレートにもなるんじゃ!



なんとまぁ、最高の組み合わせ!まさに猿に絵馬ですね!
このように、取り合わせのよいもののことを「猿に絵馬」といいます。
使い方2
取り合わせの良いものたとえ。昔は猿が馬小屋を守る信仰があったとか。
「例文」 猿に絵馬(良い例・悪い例)


・猫とねずみは、ことあるごとに喧嘩してる。まさに「猿に絵馬」だ。



猫はねずみの天敵です!これは取り合わせが良いとは言えないわね。


・猿に絵馬という言葉通り、こたつにミカンは最高だ!



寒ーいお外から帰ったら、こたつに入ってオヤツにみかんを食べたら最高だぞー
「類義語」 猿に絵馬 9つ紹介
猿に絵馬ということわざと同じ意味で使われている類義語と、イメージで取り合わせがよいものという意味で類義語とされているものもあるようですので、解説していきます。
①梅に鶯(うめにうぐいす)・・・取り合わせのよいもの、よく似合って調和しているもののたとえ。
春先になり、梅の花が咲き、鶯が鳴き始めるので、初春のころの光景を想像したもののようです。うめとうぐいすは、万葉集の春の歌ではよく歌われた題材で、それが元となって、絵の題材にも使われるようになったようです。
厳しい冬の寒さを乗り越え、梅にとまる鶯を見たり鳴き声を聞くのは、とても風情があって良いものですので、取り合わせのよいものなのです。


②獅子に牡丹(ししにぼたん)・・・獅子の堂々たる姿に絢爛豪華な牡丹の花を配した図柄。また、そのさま。転じて、取り合わせのよいことのたとえ。


獅子はみなさんご存じライオンです。牡丹の花は、上の画像の花です。確かに、組み合わせを想像してみたら、絵になりますね!
③波に千鳥(なみにちどり)・・・絵になるような調和の良いもの、組み合わせの良いもののたとえ。
波間に飛び交う千鳥の模様。海辺の景観に欠かすことのできない模様。奈良時代から今日に至るまで、幅広い分野で使用されてきた、はやり廃りのない模様の一つ。


よく、てぬぐいなんかにプリントされているのを見たことがあります。奈良時代からずっと今まで使われている、伝統のある模様なのですね!
④牡丹に唐獅子、竹に虎(ぼたんにからじし、たけにとら)・・・絵になる、取り合わせの良いもののたとえ。
唐獅子は、獅子舞のことです。


先ほどの獅子に牡丹の「獅子」には、獅子舞の意味も含まれているようですので、こちらも絵になる組み合わせという事になりますね。それに加え、竹に虎は、苦手な象を避けるため竹藪の中で暮らすという事から、組み合わせの良いものとされているようです。(象は体が大きいので、竹藪に入ると象牙が折れてしまうので、立ち入らない)


まだある類義語
⑤牡丹に蝶(ぼたんにちょう)・・・牡丹は、中国原産の、新年のお祝いには欠かすことができない縁起の良い花です。
そして蝶には長寿の意味もあり、牡丹と蝶は不死不滅のシンボルとして武士の紋章ともなっている組み合わせです。
組み合わせがよいといえるでしょう。


⑥竹に雀(たけにすずめ)・・・(取り合わせのよいものとされるところから)図柄として、また、一対として格好なものに例える。


⑦松に鶴(まつにつる)・・・こちらは、花札にも登場する組み合わせですね。
しかし、鶴は湿原や平地などに生息する鳥で、樹にとまる事はないそうです。では、どうして「松に鶴」という組み合わせのよいもののたとえとなったのでしょう?
樹にとまっているコウノトリを鶴と見間違えたという説もあります。他には、中国で鶴は、鳥類の中で第一の位とされている、高貴な鳥です。
鶴の羽根が白い事から、人間の長寿者とかけて不老長寿を表す鳥として、亀・松と並んで好まれる慶事の鳥です。よく「鶴は千年、亀は万年」と言いますが、これも実際、鶴が千年生きるわけではなく、中国の思想から来ています。
そういった意味合いのある鳥ですので、並んで好まれる松と共に描かれたりするのは、組み合わせがよいからですね。


⑧紅葉に鹿(もみじにしか)・・・取り合わせのよいもののたとえ。
やはりこちらの言葉も、取り合わせのよいものということです。
しかしなぜ、紅葉と鹿の組み合わせが、取り合わせのよいものになったのでしょう?
鹿は、パッと思いつくのは「奈良公園の鹿」で、奈良公園には1200頭もの鹿がいます。なぜ、これほど多くの鹿がいるのかというと、奈良公園は春日大社の境内の一部で、春日大社にはご祭神として「タケミカヅチノミコト」が祀られています。この「タケミカヅチノミコト」には、鹿島神社(茨城県)から「神鹿」に乗ってやってきたという伝説があり、そこから、鹿が「神の使い」として手厚く保護されるようになったと考えられています。そして、奈良公園には紅葉が植えられているようです。とても絵になりそうですね。
それと、百人一首の中の「紅葉」と「鹿」が詠まれている歌が素晴らしいからではないでしょうか。
「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき」
~百人一首⑤猿丸太夫~
(訳)山奥の紅葉を踏み分けて、雌鹿を恋慕って鳴く雄鹿の声を聞くときほど、秋はしみじみと悲しく感じるものだ。
人間も、秋は何となく哀愁を感じますよね。鹿も同じような気持ちになっているのでしょうか・・・。
上記のような理由で、「紅葉に鹿」は取り合わせがよいものなのでしょう。


⑨柳に燕(やなぎにつばめ)・・・絵になるものの、取り合いの一つ。
柳は、奈良時代中期に日本に伝えられました。魔除けや邪気払いの植物とされていて、送別の時には柳の一枝を添えるという風習もあります。
さて、奈良時代の服装といえば和装ですね。着物を着ていました。着物には帯がありますが、その柄に柳や燕の柄が描かれることが多かったようです。
それで、組み合わせのよいもののたとえとなったのでしょう。


「対義語」 猿に絵馬
対義語は、とくにありません。
「英文」 saru ni Ema?
「猿に絵馬」を表せる英文というのは、見当たりませんでした。しかしこんな説明がありました。
「絵馬」は英語でvotive pictureとい言いますが、これ言ったらアメリカ人は意味分からないと思います。「絵馬」はそのまま英語でEmaといいても大丈夫だと思います。多分どっちの言葉を使っても説明が必要です。「絵馬」は日本文化の一部だから、英語でEmaを使って、次に絵馬について説明するのが一番分かりやすいと考えています。
例:
Votive pictures are hung in shrines Japan.
絵馬は日本の神社に掛けています。
Ema are wooden plaques that people write their prayers or wishes on.
絵馬は人々の祈りや願いを書く木製の額です。
~DMM~英会話なんてuKnow?より
votiveは「奉納した、願掛けの」 pictureは「絵、絵画」 という意味があります。
その下の例文、Votive pictures are hung in shrines Japan.は、
・shrinesが「聖堂」「廟」「社」
Ema are wooden plaques that people write their prayers or wishes on.は、
・woodenが「木製の、木の
・plaqresが「額」「飾り板」
・write their prayersが「彼らの祈りを書きます」
絵馬は、日本文化なので、英語で言っても伝えるのには説明が必要なのだそうです。
猿は「monkey」ですが、これは英語でも伝わると思います。絵馬は日本独自のものだから、まず絵馬が何なのかを説明してから、このことわざを伝えるのがよさそうです。
そうしてから、○○と○○の組み合わせは最高!というような英文を作ると良いのかもしれません。
・Milk and donuts is the best combination!
(牛乳とドーナツの組み合わせは最高だ!)
・Lemonade is perfect for a hot day.
(暑い日にはレモネードが最高!)
というように、猿に絵馬も組み合わせがよいのですと伝えるといいのかもしれません。
最初に解説した通り、馬は猿の守護神という言い伝えがありますので、そういった理由で、組み合わせのよいもののたとえとして「猿に絵馬」という言葉が生まれました。
日本独自のものを、日本以外の人に伝えるのって難しいですね。
まとめ
さて、とても長くなってしまったのですが、この記事のまとめをしてみましょう。
「猿に絵馬」の意味は、取り合わせのよいもののたとえ。
使い方は、「チョコレートと牛乳は一緒に食べるとおいしい!これこそが猿に絵馬だ!」というように、組み合わせの良いものをたとえていう時に使います。
類義語がたくさんあるので、そのうちどれを使っても同じ意味になります。
相性の悪いものには「猿に絵馬」は使いませんので注意してください。
英文がととても難しかったのですが、参考にしてもらえたら嬉しいです。
みなさんも、組み合わせ最高!と思えるものを紹介する時に、今回の「猿に絵馬」を使ってみてくださいね!
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