何をやっても無駄だった、手遅れだった・・・
これ以上なんの手立てもなく、万が一 状況が改善されるかも・・という一縷の望みに掛けてみる状況を
”死に馬に鍼を刺す”と言います。
[chat face=”びっくり.jpg” name=”びっくりさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]死んだものに鍼を刺しても、どうにもならないような気がするけど・・・そもそもなんで馬なんだろう・・・?[/chat]
動物にまつわることわざの中でも”馬”のことわざはたくさんあります!そのひとつ、
今回のお題の ”死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす)”
もともとこんな意味で使われることわざだったのね!?と、この記事を読んだ皆さんの新しい気づきになれば幸いです。
読み方 | 死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす) |
---|---|
意味 |
絶望的な状況下、無駄と分かっていても手段を講じる事 |
使い方 |
何か手を施そうにもすでに手立てが無いという場面 |
類義語 | 石に灸(いしにきゅう)
暖簾に腕押し(のれんにうでおし) |
英文訳 | Beat a dead horse. (死んだ馬を叩いても仕方がない) |
死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす)
[box02 title=”由来”]
実は語源や由来が記された書物はありません。
ただ、昔は”馬”は人々の生活にとって欠かせない働き手であり、家族の様に身近な大切な存在でした。その大切な馬が手の施しようのないくらい具合が悪く 昔の最先端治療=鍼治療を施してでも助けたいがすでに手遅れだったという、何もしてあげられない、どうすることも出来ない無力感がこもっているように感じます。[/box02]
「意味」絶望的な状況下、無駄と分かっていても手段を講じる事
すでに死しているものに手を施したとしても、結果生き返るなんてことはありません。それでも諦めずに手を施してみるけれど、物事がそこから好転する可能性は限りなく”0”に近い。このような状態を表していることわざです。
昔は、駄目だという事は分かっているけれどそれでも諦めきれず何とかしたい!その様な状態の時にも使われていたようですが、現代ではどうしようもない、手の施しようがない、これ以上何をやっても無駄だ、といった どちらかというとネガティブな場面で使われています。
[chat face=”nigaoe_edogawa_ranpo.png” name=”なるほどおじさま” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]なるほど。死しているものに手を施す=無意味と表現しているのだな[/chat]
「使い方」何か手を施そうにもすでに手立てが無いという場面
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]はぁ~・・・ばあさんや、昨日までの長雨でわしらの畑もめちゃくちゃだ・・・作物がほとんど水に浸かってしまっていたわい[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]やはりそうでしたか。周りのみなさんも同じような被害に遭われたとか・・・[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]水に浸かってしもうた作物を収穫したところで、死に馬に鍼を刺すようなもの・・・[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですよね・・・所詮売り物にはならないでしょうしね・・・困りましたね・・・[/chat]
このように
何か手を施そうにもすでに手立てが無いという場面でも
死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす)
を使うことが出来ます。
[chat face=”nigaoe_tsuda_umeko.png” name=”なるほどおばさま” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]初めから諦めていたわけではなく、諦めたくはない、どうにかしたいけれど、ほぼ諦めなくてはならないという、どことなく残念、やるせないという気持ちを表す場面に使われていますね。[/chat]
「例文」悪い例と良い例
社長が先陣を切って推進してきたプロジェクトは、死に馬に鍼を刺して終わってしまった。
[chat face=”nigaoe_edogawa_ranpo.png” name=”なるほどおじさま” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]途中で駄目になってしまった、実現が出来なくなってしまった事を言っているので、この場合は”絵にかいた餅”がふさわしそうだの[/chat]
財務省関係者によると、現行政府に効果的な経済政策プログラムを作らせようとするのは”死に馬に鍼を刺すような、無駄な努力だ”と話していたという事がわかった。
[chat face=”nigaoe_tsuda_umeko.png” name=”なるほどおばさま” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]何を言っても聞く耳持たずの相手に、こちらが考える手立て言っても無駄だと言っているので、この場合にはぴったりですね![/chat]
「類義語」死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす)2つ紹介
石に灸(いしにきゅう)
いくらやっても効き目のないこと、無駄なこと。
暖簾に腕押し(のれんにうでおし)
”腕押し”とは”腕相撲”のことで、暖簾のように力も争う意思もない相手と腕相撲をしても、何の手応えもない事から、手ごたえも張り合いもないこと。
「英訳] Beat a dead horse
Beat a dead horse . (死んだ馬を叩いても仕方がない、無意味である)
Beatは” 叩く”、deadは ”死んでいる”、 horseは” 馬”となります。「死んでいる馬を叩く」つまり、すでに決着のついた問題や、皆が興味を失った話を再び蒸し返しても、実りのない結果に終わるだけで無意味であると解釈することが出来ます。
”To continue to focus on an issue or topic that is no longer of any importance or relevance.
We’ve all moved on from that problem, so there’s no use beating a dead horse.”
訳:もはや重要性や関連性のない問題やトピックに注目し続けること。
私たちは皆 その問題から前進したので、死んだ馬を叩いても仕方がない。
“I don’t want to beat a dead horse with this issue, ” he said.
(“私はこの問題については、死んでいる馬を叩くようなことはしたくありません”と彼は言った)
To keep beating on previous prime minister “Mr Abe” is to beat a dead horse.(以前の首相である”安部さん”を叩き続ける事は、死んでいる馬を叩く様なものだ)
Flog a dead horse.(死んだ馬に鞭を打っても仕方がない、無意味である)とも使われることがあります。Flogは” 鞭を打つ”、という訳になり、意味することは同じです。
どちらの表現を使用してもOKですので、是非使ってみて下さい!
出典:The free dictionary by Farlex
Dead horse, to beat/flog a – Idioms by The Free Dictionary
まとめ
この記事では、死に馬に鍼を刺す(しにうまにはりをさす)をご紹介致しました。
無駄な努力・・・そんな事は誰だってしたくはありません。無意味なことや無駄なことを表すことわざはとても多いです。
今回のこのことわざは一見、”無駄な事”を表現しているだけの様に感じますが、どことなく救いたかったが何も出来なかった、虚しい、やりきれない・・・そんな残念でならない気持ちを一緒に込めて使われている様に筆者は感じます。
この微妙なニュアンスを感じるからこそ、日本のことわざは
「奥が深いんだな~」と、あらためて感じます!
いかがでしたか?ことわざを学んで、またあなたの毎日がより一層豊かなものになりますように!
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