あなたは、一つのことに夢中になりすぎて周りの状況が見えていなかった…!なんて経験はありませんか?我に返ってハッとしますよね。
そんな時に使うのが「鹿を追う者は山を見ず」ということわざです。
鹿や山にどういった意味があるのでしょうか。本記事では、「鹿を追うものは山を見ず」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
あまり聞き慣れない言葉だと思いますので、この記事を最後までしっかりと読んで、明日からの生活に役立つことが出来ると幸いです!
読み方 | 鹿を追う者は山を見ず(しかをおうものはやまをみず) |
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意味 | 一つのことに夢中になって、他のことが見えなくなること
目先の利益を追っている者はそれ以外のことを顧みなくなり、道理を忘れてしまうこと |
使い方 | 鹿を追う者は山を見ずになってはいけないから、もう少し冷静になろう。 |
英文訳 |
Those who chase deer do not see the mountains (鹿を追いかける人は山が見えない) |
類義語 | 金を攫む者は人を見ず/小利大損 |
『鹿を追う者は山を見ず』とは
「由来」淮南子 説林訓
「淮南子―説林訓」の一節に、「獣を逐う者は太山を見ず(動物を捕まえようとしている人には、大きな山全体は目に入らない)」とあります。これが、「中原に鹿を逐う」と混同されて、「鹿を逐う者は山を見ず」の形になったものと思われます。
引用元:コトバンク
鹿を捕まえたいあまり追うことに気を取られすぎて、周りの険しい山全体は全く目に入っておらず、危険な目に遭ってしまうということから出来た言葉です。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「鹿を追う猟師は山を見ず」とも言うんじゃ。[/chat]
「意味」 鹿を追う者は山を見ず 二つ紹介
「鹿を追う者は山を見ず」には二つの意味があります。
①一つのことに夢中になって、他のことが見えなくなってしまうことのたとえ。
②目先の利益を追っている者は、それ以外のことを顧みなくなり道理を忘れてしまうこと。
上のイラストの人物は、本を読むことに集中するあまり、アイスが溶けて落ちそうなことに気付いていませんね…!
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]誰かがそのような状態になりそうなときに注意する場合に用いたり、自らの戒めの言葉としても使われるんじゃよ。[/chat]
「鹿を追う者は山を見ずのイメージ」
ある一つのヒット商品の売れ行きが良いからといって、多くの利益を得るためにそれだけに力を入れてしまいます。そうすると、もしその商品がヒットしなくなり売れなくなってしまった場合には、慌てて他の商品を考えなければいけなくなってしまいます。
そうなることがないよう、一つのことだけに集中せず、バランスよく進めることが大事だということです。
「使い方」カブトムシを捕まえに行ったとき
先ほどの由来で記述した鹿をカブトムシに変えて考えてみましょう。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この間、孫からカブトムシが欲しい!!とせがまれてな。可愛くてたまらん孫のためにと思って、わしは自分でカブトムシを捕まえに山に行ったんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら、すごいですねぇ。それで捕まえられてたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]それが…。必ず捕まえてくると約束してしまったし、どうしても見せてあげたい一心で、カブトムシだけに集中して必死で追っておったんじゃ。だが気づいたら、自分が今どのあたりにいるのか、どの道順でここまで来たのか戻り方さえも分からなくなってしまって…。捕まえられたものの、やっとのことで家に帰り着いた時には夜中になってしまっていたよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらまぁ。まさに鹿を追う者は山を見ずだったんですね。でも無事に戻ってこられてよかったですね^^;[/chat]
カブトムシを捕まえたいという思いが強くなり、分からない道に来ていることに気が付かなくなってしまっていたのですね。
”何か一つに夢中になって、他のことが見えていない”という意味で、他の使い方の例を下に載せています。
「例文」鹿を追う者は山を見ず 3つ紹介
ここで「鹿を追う者は山を見ず」を使った例文を3つご紹介します。
①彼は目先の利益だけを考えているから、鹿を追う者は山を見ずで、お客様の信頼を失うことがないと良いけどな。
②きのこ狩りが楽しくて夢中になった僕は、気づいたら崖のそばまで来ていたんだ。まさに鹿を追う者は山を見ずだったから、以後気をつけよう。
③鹿を追う者は山を見ずというように、もう少し周りのことも考えて行動しなければいけないよ。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]目先の利益だけに気を取られすぎていたら、本来の目的に辿り着けないなんてこともあるぞ。しっかり全体を見渡すことも大切なんじゃな。[/chat]
「類義語」鹿を追う者は山を見ず 2つ紹介
「鹿を追う者は山を見ず」の類義語を2つご紹介します。
金を攫む者は人を見ず
「鹿を追う者は山を見ず」とほぼ変わらない意味で、”一つのことに夢中になって他のことが全く目に入っていないこと”のたとえとなります。
昔、中国で金を売る店から金をつかみ取って逃げた男が、役人に捕らえられ、尋問されると「金を取る時には人が見えず、金しか見えなかった」と答えたという故事による。
引用元:故事ことわざの辞典
例文:私は一時期、金を攫む者は人を見ずになってしまっていました。これからは利益ばかりに目を向けるのではなく、顧客からの信頼を得られるよう努力します。
小利大損
わずかな利益を得ることに必死で、それより大きな利益を逃すこと。
また、それによってかえって大きな損害をこうむること。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”小利”は「小さな利益・わずかな利益」のこと、”大損”は「大きな損害」のことじゃな。[/chat]
例文:彼女は特売のスーパーへ必死になって買い物に行っていたけど、車で30分かかるスーパーだから小利大損で、いくら品物が安くてもガソリン代が高くつきそうだよね。
「対義語」鹿を逐う者は兎を顧みず
「鹿を追う者は山を見ず」の対義語として、「鹿を逐う者は兎を顧みず」ということわざが挙げられます。
『鹿を逐う者は兎を顧みず』とは
大きな利益を得ようとする者は、小さな利益など目もくれないこと。またそのような者は、些細なことは気にしないこと。
”鹿を狙っている者は、それより小さなうさぎには目もくれないこと”から出来た言葉です。
「英文」鹿を追う者は山を見ず
「鹿を追う者は山を見ず」を英語に訳すと、”Those who chase deer do not see the mountains”となります。
”chase”:(捕まえるために素早く)追う・追跡する
”deer” :鹿
”do not see”:見ない
”mountain“ :山
まとめ
今回は「鹿を追う者は山を見ず」ということわざをご紹介しました。理解出来たでしょうか?
『鹿を追う者は山を見ず』
・一つのことに夢中になって他のことが見えなくなってしまうこと。
・目先の利益だけを追っている者は、それ以外のことを顧みなくなり道理を忘れてしまうこと。
”利益”という大きな目的だけではなく、”何か一つのこと”に集中してしまい他のことが手付かずになってしまったという経験をされた方は少なくないかと思います。
人間、どうしても欲が出てしまいがちですが、目先のことばかりに注目するのではなく全体を見渡しながら、あらゆる目的を達成していきたいものですね。
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