あなたは「推敲(すいこう)」という言葉を知っていますか?
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]うーん、「推敲を重ねる」っていう言葉は聞いたことがあるかも。[/chat]
「推敲」とは、「詩や文章の表現を何度も練り直す作業のこと」です。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]なるほど!つまり「推敲を重ねる」って言うと、その作業をさらに何回もやっているということになるのね。[/chat]
その通り!
では大体の意味がわかったところで、本記事では「推敲」という言葉をより深く理解できるよう、意味・類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 推敲(すいこう) |
---|---|
意味 | 詩や文章の表現を何度も練り直すこと。 |
使い方 | 文章など作成する際何度も悩み、書き直したりしたとき |
英文訳 | polish(推敲する)
elaboration(推敲、念入りに作りあげること、精巧) work on one’s manuscript [composition] to improve the wording(推敲する) |
類義語 | 改稿(かいこう)/添削(てんさく)/校正(こうせい) |
推敲とは
「推敲」の由来や意味、使い方など解説していきます。
「推敲」の由来
唐の時代、官吏の登用試験を受けるために長安にやって来た賈島。
移動しながら、詩文を作成している途中…
[chat face=”推敲_おじさん.png” name=”賈島” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「僧は推す月下の門」…うーん、「推す」より「敲く」が良いだろうか…[/chat]
と、一句の表現で悩みながら移動していたため、役人の行列に突っ込んでしまいました。
そして、役人の行列に突っ込んだことで捕まり、その役人の元に連れていかれてしまいます。
そこにいたのは長安の知事・韓愈でした。
[chat face=”推敲_おじさん.png” name=”賈島” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ぶつかってしまい、申し訳ございませんでした!
実は、かくかくしかじかで…[/chat]
ところで、このぶつかってしまった行列にいた役人・韓愈は漢詩の大家でした。
大家とは、学芸のその分野で特にすぐれ、ある年輩に達している人のこと。
つまり詩文のプロですね!
韓愈は賈島の事情を聞き終わると、
[chat face=”推敲_おじいさん-1.jpg” name=”韓愈” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ふむ。それは「敲く」の方がいいだろう。
月下に音を響かせる風情があって良い![/chat]
とアドバイスしてくれました。
この出来事が「推敲」という言葉の由来だと言われています。
※参考:Wikipedia
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]官吏の登用試験「科挙」では、詩の教養が必須だった。
つまり、「詩の表現を考えながら歩いている 」という状況は、受験勉強をしながら移動していたということじゃな。[/chat]
「意味」詩や文章の表現を何度も練り直すこと
「推敲」とは、詩や文章の表現を何度も練り直すこと。
唐の時代の賈島が、詩文の表現について「推すより「敲く」が良いだろうか…」と、悩んだことが由来となっています。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]私も取引先へのメールとかで、文章の細かい表現で結構迷うことがあるわ。[/chat]
対面で話すのと比べて、文章でのやり取りでは表現に気を遣うことが多いですよね。
そんな風に、詩文や文章などの表現を何度も練り直すのが「推敲」なのです。
「ことわざのイメージ」
・文章などについて、より良くするために「こうした方が良いか、それともああした方が良いか…」と悩むこと。
・誤字脱字をチェックするというよりは、言い回しや表現を良くするイメージ。
「使い方」文章の表現を何度も練り直すとき
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん、そろそろお昼にしますよ…あら、何を書いているのですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]孫への溢れる愛をポエムにしとるんじゃが、ここの表現がいまいちでのぅ…[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]推敲に推敲を重ねているというわけですね。
でもまずは、腹ごしらえしてはいかがですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ふーむ、そうするか!
…あっ、なるこさんはポエム見ちゃだめだぞ![/chat]
孫にポエムを送って喜んでもらえるかどうかはさておき、推敲に推敲を重ねた力作のポエムには、なるぞうさんの愛がたっぷり込められていますね!
「例文」詩や文章の表現を何度も練り直すとき
さて、「なるぞうさん」と「なるこさん」の会話で、使い方のイメージもついたのではないでしょうか?
この項目では、間違えやすいポイント等ご紹介していきます!
さっきの書類、他の人にも推敲してもらってね。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]書類を他の人にチェックしてもらう場面で使うと、違和感があるかも。[/chat]
そうですね。まず、推敲は誤字脱字をチェックするというより、
言い回しや表現をもっと良くするイメージで使います。
また、類義語の項目で詳しく説明しますが、
「推敲」は「自分」が文章の練り直しを行います。
したがって、この例文のように、他の人に文章の確認や練り直しを依頼する場合は「校正」を使った方が良いでしょう。
Web小説を投稿しようとしているが、いまいち面白みが足りない気がする…。もう少し推敲を重ねよう!
こちらの文章は、自分の書いた小説を練り直す…という意味なので、違和感なく読めますね。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]私はWeb小説の投稿サイトをよく見ているけれど、作品によって読みやすさや表現力に差があるんだよね。
これが推敲の差なのかな?[/chat]
読み手のことを考えた文章というのは、読みごたえがあるだけでなく、分かりやすいものですよね。
きっとそういう作品は、作者が推敲を重ねた文章を考えているのだろうと思います。
「類義語」推敲3つ紹介
改稿(かいこう)
改稿とは、一度書き上げた原稿を書きなおすこと。
例文を見てみましょう。
先月の月刊誌に載せたレポート、改稿しようと思っているんだよね。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]この例文のように、「改稿」を使う時には、対象となる文章が既に一度完成している状態なのじゃ[/chat]
一方で、「推敲」はまだ未完成の状態のものを修正します。
したがって、「改稿」と「推敲」の大きな違いとしては、対象となる文章が
「完成」か「未完成」
かがポイントになります。
また、「改稿」は小説などの原稿に対して使いますが、
「推敲」は詩や文章にも使うことができます。
添削(てんさく)
添削とは、他人が書いた文章に、語句を付け足したり取り除いたりして直すこと。
生徒の作文の宿題を添削していたが、修正する箇所が多く原稿用紙が真っ赤になってしまった…。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]添削は、自分が書いた文章や論文などではなくて、
他人が書いた
- 文章
- レポート
- 詩歌
- 作文
語句を付け加えたり除いたりと書き直すことを表すのじゃ。[/chat]
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]推敲は「自分」が行うもの
添削は「他人」が行うもの[/chat]
この例文のように、添削は赤ペンで行われることが多いです。
添削のことを
- 「赤入れ」
- 「朱書き」
ということもあります。
校正(こうせい)
文字・文章を比べ合わせ、誤りを正すこと。
印刷物の仮刷りと原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]2つ目の意味のように、本や印刷物に使うイメージが多いけど、単に文字や文章を比べ合わせて間違いをただすという意味もあるのね。[/chat]
例文を見てみましょう。
この原稿は校正が十分ではなくて、何か所もミスや誤字がある。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]校正は、
- 「誤字脱字がないか」
- 「(他の人が書いたもの等を)コピーしている部分はないか」
- 「おかしな表現がないか」[/chat]
「対義語」杜撰を紹介
推敲の対義語としては「杜撰」が挙げられます。
例文を見てみましょう。
杜撰な書き方をしたため、校正者から原稿データと共に怒りのメールが返信されてきていた。
意味は、物事の行い方がいい加減だということ。また、(書物等の)誤りが多いという意味でも使われます。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]詩文の表現を歩きながら練り直すことが語源の「推敲」とは、逆ってことね![/chat]
[box06 title=”あわせて読みたい”]杜撰[/box06]
「英文」推敲3つ紹介
polish
推敲(すいこう)する
polishは他に「(…を)磨く」「(…に)つやを出す」、「(…に)仕上げをする」などの意味があります。
The manuscript still needs to be polished(その原稿には、まだ推敲が必要です。)
elaboration
推敲、念入りに作りあげること、精巧、緻密
推敲を1語で表す場合には、elaborationを使います。
elaborationは名詞なので、使う場合は下記のようになります。
work on one’s manuscript [composition] to improve the wording
推敲する
それぞれの語句を解説すると、
work on:~に取り組む
improve:~を改良する
wording:言葉や語法
manuscript:原稿
composition:構成
したがって、”work on one’s manuscript to improve the wording”で、直訳すると「原稿の(言葉や語法の)改良に取り組む」となります。
言葉や語法の改良を繰り返すことが推敲なので、上記の文章で「推敲」を意味することになります。
まとめ
「推敲」の意味・類義語・対義語をご紹介させていただきました!
・「推敲」とは、詩や文章の表現を何度も練り直すこと。
・英文は名詞なら“elaboration”、
動詞であれば“polish”もしくは“work on one’s manuscript [composition] to improve the wording”となる。
・類義語は「改稿」「添削」「校正」
・対義語は、「杜撰」
いかがでしたでしょうか?
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
次回の記事も楽しみにしていてくださいね!
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