ニュース番組などで耳にする言葉、対岸の火事(たいがんのかじ)。どういう意味でしょう?どのように使うのでしょう?
[chat face=”消防くん.png” name=”ひけしくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ストレートに言葉のまんまに考えると、対岸=川を挟んだ向こう岸の火事という意味だよね?[/chat]
[chat face=”消防ちゃん.png” name=”まといちゃん” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]そう。遠いうえに、鎮火の役割を果たす水(川)を超えて、こちらに燃え広がることはないというような状況が浮かぶわよね。[/chat]
[chat face=”消防くん.png” name=”ひけしくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]つまり、目の前で災害が起きていることは見えているけれども。。。[/chat]
[chat face=”消防ちゃん.png” name=”まといちゃん” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]「自分には関係ないよね?」「ここまで来ないよね?」という感じね。[/chat]
ひけしくん、まといちゃんの会話通り、大変なことが起きていることはわかっているけれども、自分には起こりえないから痛くも痒くもないという意味で使われます。
耳にする機会の多い言葉ですし、なんとなく知ってる、わかっているつもりだけど、正しく使いこなせるか?正確に理解できているのか?となると、ちょっと自信ないなという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「対岸の火事(たいがんのかじ)」という言葉の意味や類義語、使い方などわかりやすく解説していきます。一緒に理解を深めていきましょう。
読み方 | 対岸の火事(たいがんのかじ) |
---|---|
意味 | 自分には何の関係もないので、痛くも痒くもないという意味 |
使い方 | A社の大量リストラのニュースは、わが社にとっても対岸の火事ではない。 |
英文訳 | The comforter’s head never aches.(慰めを言う人の頭は決して痛くない) |
類義語 | 川向かいの喧嘩/高みの見物 |
対岸の火事(たいがんのかじ)とは
こちらの岸まで燃え移るおそれがない川向こうの火事。当事者にとっては苦痛や災難であっても、こちらには関係なく少しも痛痒を感じない物事のたとえ。《向こう岸の火事は、自分に災いをもたらす心配のない意から》自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。対岸の火災。
引用元:コトバンク
川の向こう岸で起きている火災は、遠いし、川を越えてこちらまで燃え広がることはないということから、大変な状況や被害が起きていることは知っている(わかっている)が、自分にはその被害が及ばないというような場合に使われます。
[box03 title=”他山の石“]
語感も字面も似ていて、混同されがちですが、意味は大きく違います。
中国の故事成語で、「よその山で採れた粗悪な石でも、自分の宝石を磨くことに利用できる」という様子から、「他人のつまらない行動や、自身とは関係のない行いでも、自分の行動の参考にしたり、成長の助けになる。」という意味を表します。
対岸の火事は、自身には関係ない。他人事といった意味に対して、
他山の石は、迷惑な他人の行いが自身の役に立つといった意味なので、
全く違う意味の言葉です。
[/box03]
「意味」「対岸の火事」自分には関係がないので痛くも痒くもないという意味。
大変な状況が起こっていることは知っているが、自分の身にはその危険が迫ってくることはない。つまり「他人事」であるというような意味です。
[chat face=”消防くん.png” name=”ひけしくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]最近ニュースとか情報番組で耳にするような気が。。。[/chat]
[chat face=”消防ちゃん.png” name=”まといちゃん” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]海外で起こっている、感染症の拡大状況を伝えるときなどに使われているわね。[/chat]
[chat face=”消防くん.png” name=”ひけしくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]川どころか、海を渡った海外の状況を伝えるときかぁ。[/chat]
[chat face=”消防ちゃん.png” name=”まといちゃん” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]そう。海外の出来事だけれど、日本でも起こりうる状況ですよという注意喚起で、「対岸の火事ではありません。」というように、否定語と組み合わせて使われているわね。[/chat]
「ことわざのイメージ」
・火事のように大変な被害や、災難が起きていることを見知ってはいるけれども、自分には被害が及ばないというような状況。
・大変なことが起きていても、自分には関係がないので痛くも痒くもないという意味。
「使い方」「対岸の火事」使い方に注意しなければ、危機管理不足や無責任ととらわれかねない。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]三丁目の〇〇さん、300万円もの詐欺被害に遭ったそうじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]えぇっ!!![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]まず、市役所の職員を名乗る人から怪しい電話があったんじゃが、それには騙されずうまく対処したそうじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]さすが〇〇さん![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ところが、その直後に、警察を名乗る人が家に来て「市役所の人は詐欺です!個人情報が漏洩しているので、すぐにカードの利用停止が必要です!暗証番号を!」とまくしたてられたんじゃと。いきなり警察の人が来たという事と、その剣幕に驚いて、言われるがまま、カードを全部渡してしまったそうじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]詐欺に騙されずうまく対処したと、ホッとした直後に。。。そんな非日常なことが次々起きたら、大パニックですよねぇ。。。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]犯罪も巧妙で複雑になっておるからなぁ。こうして落ち着いて話を聞いてみると、警察がいきなり来てカードを渡せだなんて言うはずがないとわかるけれど、当事者になると騙されないという自信はないのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ほんとうに。私たちも「対岸の火事」と思わず、この話を教訓にして、なにか少しでも変わったことが起きたときは、行動する前に連絡と相談をするようにしましょうね。[/chat]
このように、「対岸の火事」は、自身への戒めの意味を含め、否定の言葉と組み合わせで使われることが多いです。
「〇〇さん、詐欺に遭ったんだって。」
「へー。大変そうだけど対岸の火事だね。」
というような使われ方だと、感じ悪いですよね。
「例文」「対岸の火事」大きな災害や事件が起きていても、自分には関係ないというような意味で使われます。
やべぇ。今日、宿題わすれちゃったよ。まぁ、先生に怒られても「対岸の火事」でやりすごすつもりだけどね。
宿題を忘れた当事者なのに、「自分には関係ない」「痛くも痒くもない」というような態度でやりすごすという使い方は間違いです。
先日テレビで、戦争や飢餓で苦しむ国についての放送を見た。可哀想に思うし、胸が痛んだが、やはり平和な日本で過ごし、そういう苦しみを知らずに育ってきているせいか、心のどこかで「対岸の火事」としてしまっていることも事実だ。
自分の身に危険が迫っている状況ではなく、他人事としてしまう。自分には被害が及ばない。という意味で使われています。
「類義語」「対岸の火事」類義語2つ紹介。
川向かいの喧嘩
(大きな川をへだてた向こう側で喧嘩や火事が起こっても、こちら側までおよんでくる恐れがないところから) 利害関係がなく、自分の心身に少しも痛みを感じないことのたとえ。
引用元:コトバンク
高みの見物
高い場所から下で起こっている騒ぎを見物する。事件と直接関係のない安全なところから、そのなりゆきを興味本位に傍観すること。第三者の立場から、興味本位に物事の成り行きを傍観すること。
引用元:コトバンク
例文)緊張したけど、出番が終わってひと安心だよ。あとは結果を待つだけだから、客席から、ほかの出演者のステージを高みの見物しようかな。
[jin-iconbox01]「高見」ではありません。文字表記するときは注意しましょう。[/jin-iconbox01]
[box06 title=”あわせて読みたい”]高みの見物[/box06]
「対義語」「対岸の火事」対義語を紹介。
隣の火事に騒がぬものなし
まさに「対岸の火事」の対義語ですね。
対岸と違って、隣家の火事であれば、自身に被害が及ばないというような状況とは真逆です。利害関係が身に迫ってくると、じっとしてはいられませんよね。
「英文」「対岸の火事」英文紹介。
The comforter’s head never aches.(慰めを言う人の頭は決して痛くない)
[jin-iconbox15]The comforter → 慰める人[/jin-iconbox15]
[jin-iconbox15]never aches → 決して痛まない[/jin-iconbox15]
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?この記事が今後、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
「対岸の火事」とは、自分の身には危険が迫ってこず、他人事であるという意味で使います。よく似た語感の「他山の石」と混同されがちですが、似て非なる意味合いなので、注意が必要です。
最後にポイントをまとめます。
・大変なことが起きていたとしても、自分には全く影響がなく、痛くも痒くもないという意味。
・危機管理不足や無責任と受け止められかねないので、否定形と組み合わせて使われることが多い。
・他人の誤った行動を自身の参考にしたり役立てたりするという意味の「他山の石」と混同されがちだが、全く意味が違うので注意が必要。
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