鷹は飢えても穂を摘まず(たかはうえてもほをつまず)とは?意味・類義語から使い方まで徹底解説!

鷹は飢えても穂を摘まず 鷹の顔
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鷹(たか)と聞くと、日本では「一富士二鷹三茄子」を初夢でみると、
幸せだとされる文化があるように、何だか気品があり縁起も良く、
孤高で高潔なイメージが思い浮かびませんか?

そんな気品の高いイメージのある鷹が、食べるものがなくなって飢えてしまっても、
穀物である穂さえも食べないということが転じた、鷹は飢えても穂を摘まずということわざ。

いったい、どんなメッセージが込められているのでしょうか。

本記事では、「鷹は飢えても穂を摘まず」(たかはうえてもほをつまず)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。

読み方 鷹は飢えても穂を摘まず(たかはうえてもほをつまず)
意味 高潔な人は、どんなに困窮しても不正な利益を得て生き延びようとはしないことのたとえ
使い方 どんなに苦しくても、不正を行わないことを伝えたいときなど
英文訳 ・The eagle does not catch flies.(鷲は蠅を捕らない)
・A goshawk beats not a bunting.(大鷹はホオジロには飛びかからない)
類義語 渇しても盗泉の水を飲まず/熱しても悪木の陰に憩わず/武士は食わねど高楊枝

 

目次

鷹は飢えても穂を摘まずとは

鷹は飢えても穂を摘まず稲穂が垂れる

鷹は飢えても穂を摘まずの語源・由来は、
ことわざの中にも使われている、「鷹」にまつわります。

語源・由来:気品が高いとされている鷹の様子から
→眼光鋭く、翼を大きく広げて孤高に飛ぶ鷹は、どんなに空腹でも、小鳥のように穀物を食い散らさない様子が転じた。
(※しかし鷹は肉食の鳥であるため、そもそも穀物は食べないのだが、人間が作った穀物を荒らす卑しい小鳥と対照的に例えられている。)

同義語で、「鷹は死すとも穂は摘まず」「鷹は死ぬれど穂を摘まぬ」とも言います。

また、文献としては今から約500年前の室町時代の抄物の一つ『玉塵抄』でも、
「たかはうゆれど穂つまずとは云へどもうゆれば泥中の物をもはむぞ」
という一文が記載されており、昔から気品が高い様子を鷹の習性を例にしていたことがわかります。

【鷹】

鷹が左を向く画像

古来から尊厳のある鳥とされていた鷹は、飼いならされ狩猟の一種とされる鷹狩などにも使用されていた鳥でした。
ちなみに、鷹が属するタカ科にはほかにも、わしとんびなどの鳥がいますが、皆さんはそれぞれの見分けがつくでしょうか?

ここでは、今回のことわざに出てくる鷹の基本情報を以下に引用しているので、気になる方はチェックしてみて下さいね!

タカ目に属する鳥のうち小形種の総称。大形種をワシというが厳密な区別はない。ワシと比較して一般に、翼と尾の幅が狭く、翼の先端がとがる。くちばしは鋭く曲がり、あしには大きなかぎ爪をもつ。昼行性の猛禽で、鳥獣、時にその他の動物を捕食する。ふつう樹上・絶壁に巣をつくるが、チュウヒ類は地上や水草上に営む。クマタカ・チュウヒ・ノスリ・ツミなど、日本には約二〇種が知られている。古来、姿に威厳のある鳥とされ、また、鷹狩に用いられた。羽は矢羽にするが、鷹で作った矢羽は最上とされる。

〈引用:コトバンク「鷹」より

[chat face=”job_kagakusya.png” name=”鳥博士” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]たかは羽を広げると45~70㎝程で、わしはタカ科の中でも一番大きくアメリカのシンボルにもなっておるぞ。そして、とんび「ピーヒョロロロ」と鳴く鳥だと覚えるとわかりやすいぞ![/chat]

「意味」高潔な人は、どんなに困窮しても不正な利益を得て生き延びようとはしないことのたとえ

何かを否定する男性

人が最大限に困窮したときといえば、どんな場面が思い浮かぶでしょうか。

例えば、国に大きな飢饉が訪れたり、
会社が倒産して生活していく収入がなくなってしまったりしたときに、
何が優先できるのかが、このことわざのポイントです。

「何としてでも生きていく!」となれば、急に舞い込んできたおいしい投資話や、
犯罪にまで手を染めてしまうかもしれません。

その極限の状態でも、
その人が高潔な人であるならば、不正な手口を使ってまで生き延びようとはしないこと、
自身の節義を守れる人ならば、どんな状況でも不正な金品などは受け取らないこと、

自身のプライドを守るべきだというメッセージが込められています。

「ことわざのイメージ」

・どんな状況でも高潔な人は不正な手口は使わない
・やせがまんをする
・プライドを守る

「使い方」どんなに苦しくても、不正を行わないことを伝えたいときなど

[chat face=”job_shinbun_kisya_woman.png” name=”報道記者さん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ナルゾウ大臣!今回は初めての入閣誠におめでとうございます![/chat]

[chat face=”seiji_souridaijin_bg3.png” name=”ナルゾウ大臣” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ありがとうございます。皆さんの期待に応えられるよう、これからもいい国を作れるように頑張ります![/chat]

[chat face=”job_shinbun_kisya_woman.png” name=”報道記者さん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]歴代史上最年少での大臣就任ですが、ここに至るまできっと苦しいときもあったのではないでしょうか?[/chat]

[chat face=”seiji_souridaijin_bg3.png” name=”ナルゾウ大臣” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね、政治家になると決めたころは、収入がゼロになりかけた時もあったのですが、そんなときも鷹は飢えても穂を摘まずの心を持ち続けたからかもしれません。[/chat]

[chat face=”job_shinbun_kisya_woman.png” name=”報道記者さん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]すばらしいですね。不正が何かと多い政界の中でも、ナルゾウ大臣のように気位の高さを保つ方がいるのは、希望の光だと思います。[/chat]

「例文」どんなに困窮しても、不正な金品などは受け取らないことを伝えるとき

政治家が賄賂を受け取る

鷹は飢えても穂は摘まずというように、おなかが空いてどうしようもない時は、米などの穀物ではなく、チョコレートなどのおやつを食べることにした。

空腹でどうしようもないという、
誰かにとっては困窮した状況という場面設定は共通しますが、
食べ物の種類のことを意味しているわけではなく
どんな手段を使っても利益を得ようとはしないということを指すので、このような使い方は適しません。

経営危機の我々の会社にとって魅力的な案件であっても、鷹は飢えても穂を摘まずで、賄賂を受け取るなどの不正は絶対に行わないよう、慎重に事を進めよう。

会社にとっては、経営危機という非常に苦しい状況ではありますが、
そんな中でも、不正には手を染めないという意思を、鷹は飢えても穂を摘まずということわざでわかりやすく伝えることができます。

「類義語」鷹は飢えても穂を摘まず・類義語2選

武士が刀を持つ画像

かっしても盗泉とうせんの水を飲まず
・武士は食わねど高楊枝たかようじ

かっしても盗泉とうせんの水を飲まず

【意味】どんなに苦しい状況にあったとしても、決して悪事には手を出さないということのたとえ。

[box06 title=”あわせて読みたい”]渇しても盗泉の水を飲まず[/box06]

武士は食わねど高楊枝

【意味】武士はたとえ貧しい環境であったとしても、貧しさを表に出さず気位を高く持ち生きていくべきだというたとえ。

「対義語」鷹は飢えても穂を摘まず・対義語3選

庇護を募る男性

・背に腹は代えられぬ
・苦しい時の神頼み
・溺れる者はわらをも掴む

背に腹は代えられぬ

【意味】大切なことのためには、他のことを犠牲にするのはやむを得ないことのたとえ。
「背中に腹はかえられぬ」「背に腹はかえられない」ともいう。

苦しい時の神頼み

【意味】困窮して、苦しい時だけ、普段は神仏を信じていない者が、神頼みをして助けを求め祈ること。

[box06 title=”あわせて読みたい”]苦しい時の神頼み[/box06]

溺れる者はわらをも掴む

【意味】人は困窮してどうにもならない時、まったく頼りにならないものまですがってしまうことのたとえ。

[box06 title=”あわせて読みたい”]溺れる者は藁をもつかむ[/box06]

 

「英文」鷹は飢えても穂を摘まず・英文2選

プライドを持つ男性

The eagle does not catch flies.
訳:鷲は蠅を捕らない。

eagle/鷲 catch/捕まえる flies/flyの複数形、ハエ

A goshawk beats not a bunting.
訳:大鷹はホオジロには飛びかからない。

goshawk/大鷹 beat/叩く、撃退する bunting/ホオジロ系の小鳥

まとめ

賄賂を断る男性

最後までお読みいただきありがとうございます!
それでは、再度鷹は飢えても穂を摘まずのことわざのポイントを振り返っておきましょう。

・語源は、鷹はどんなに空腹でも、小鳥のように穀物を食い散らさない様子から
・意味は、高潔な人は、どんなに困窮しても不正な利益を得て生き延びようとはしないことのたとえ
・類義語は、渇しても盗泉の水を飲まず/熱しても悪木の陰に憩わず/武士は食わねど高楊枝
・同義語で、「鷹は死すとも穂は摘まず」「鷹は死ぬれど穂を摘まぬ」とも言う

それでも極端にいうと、明日も食べていけるかわからないとなったときに、
不正を冒してでも生きることを選ぶのか、それとも自身のプライドを守るのか、
いざとなれば難しい決断かもしれないですよね、、、。

以上、これまでの記事を通して鷹は飢えても穂を摘まずの意味を少しでも理解していただければと思います!

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