誰もが聞いたことがある「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉、一万円札のあの方が頭に浮かびますね。







どうやら歯切れが悪そうにしている福沢諭吉さん。
何か言いたげな福沢諭吉さんと一緒に、本記事では、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず(てんはひとのうえにひとをつくらず、ひとのしたにひとをつくらず) |
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意味 | 人が生まれたときには上下の差はなく、みんな平等であり、差別されることはないこと。 |
使い方 | 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずというから、差別は良くないよ。 |
英文訳 | All men are created equal.(全ての人は平等に作られている) |
類義語 | 彼も人なり、我も人なり |
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずとは
福沢諭吉は幕末から明治時代の中期にかけて活躍した日本の啓蒙思想家・教育者です。
下級武士の家庭で産まれたのにも関わらず、現在の慶應義塾大学を創設し、一橋大学・神戸商業高校・東京大学医科学研究所・東京大学医科学研究所附属病院の創設にも関わってきたとてもすごい人です。
他にも『時事新報』という新聞の創刊者で、日本学士院の初代会長も務めています!
このような素晴らしい功績を残したため「明治六大教育家」という6人の教育家に顕彰されています。(参考:Wikipedia福沢諭吉)
オランダ語や英語を勉強し、下級武士の生まれながら数々の功績を残した努力の天才だったのです!



「意味」人が生まれたときには上下の差はなく、みんな平等であり、差別されることはないこと



「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資とり、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。
<引用:青空文庫『学問のすすめ』>
誰もが聞いたことはある福沢諭吉著『学問のすすめ』のはじめの部分に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉が早速登場します。
天から人が生まれてくるときには、誰もが平等であり、人の身分や職業・貧富によって差別をしてはいけないという意味です。



「ことわざのイメージ」
・一万円札の人が書いた本の冒頭に登場する言葉
・みんな生まれたときには平等
・差別はだめ、絶対
・努力もみんな平等にできるはず
「使い方」みんな平等に、差別は禁止












「例文」悪い例・良い例をご紹介!
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずというでしょ。お母さんだからって僕を叱るのはやめてよ。



天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずというからみんな平等に接しましょう。



「類義語」彼も人なり、我も人なり
中国の王朝唐の韓愈の文章で「舜という聖人も、自分も人なのだから、彼のようになろうと常に努力をした」という内容が由来。
自分も他人も同じ人間なのだから、他人にできるのならば自分もできるという意味。



「対義語」不平等
対義語自体はありませんでしたが、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は平等という意味ですので、その対義語の不平等があてはまります。
不平等…人や物に対して差別をしたり、評価の基準が等しくないこと。平等ではないこと。
「英文」All men are created equal.
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の言葉はアメリカ独立宣言の言葉を引用したと言われています。
アメリカ独立宣言 原文
All men are created equal.
created=作成、equal=等しい



まとめ






されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。
その次第はなはだ明らかなり。『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。
<引用:青空文庫『学問のすすめ』>






・人は生まれたときはみんな平等、だから差別はいけない
・それなのに差ができるのは、学んだかどうかだ
・努力を惜しまず頑張ろう
世の中は学歴社会と言われており、学歴が就職に大きく関わってきますね。
ただし、「学歴がある人が必ずしも幸福か」と問われればそうではないでしょう。
大切なのは何を学ぶのか、何に学びを生かすのか、ということではないでしょうか?
ビジネスや株・様々な資格など、学ぶべきことはたくさんあります。
勉強を始める時期に遅いも早いもありません。
人生で一番若い今日、何かを学んでみませんか?
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