「うだつが上がらない」ということわざを知っていますか?よく見るけど、ことわざの意味は分からない…なんて方もいらっしゃるかもしれません。
「うだつが上がらない」は、出世できないとか、生活が向上しないとか、あまりいい意味ではありません。なんか残念なことわざですね。そんな風に言われたくないですね。
言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | うだつが上がらない(うだつがあがらない) |
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意味 | いつまで経っても出世しない。生活が困難。 |
使い方 | 自分のことに使うときは、謙遜して。人に使うときは悪口。 |
英文訳 | never get ahead (ビジネスで成功しない) |
類義語 | 鳴かず飛ばず/万年前座/芽の出ない/埃をかぶってる/万年若手/下積み/冷や飯を食う |
対義語 | 甲斐性なし/鳴かず飛ばず/万年前座/冷や飯を食う |
うだつが上がらない
「由来」梲(うだつ)とは
梲(うだつ)は、日本家屋の屋根の上の立ち上がりのことです。
棟木(屋根の骨組みの一番高いところに使う木材)を支えるために、梁(柱の上にある屋根を支えるための横木)の上に建てる短い柱が、梲(うだつ)です。
[box03 title=”梲(うだつ)の由来”]
室町以降は『梲』=『卯建・宇立』などの字が当てられました。隣り合って連続して建てられた町家の間に、隣家からの火事が燃え移るのを防ぐ防火壁の目的で作られました。
江戸時代中期頃になると、次第に装飾的な意味を持つようになり、裕福な商家ほど、競うように立派で高い『卯建』が上げられ、繁栄のしるしでした。財力を誇示するための手段でした。
近畿地方でよく見られましたが、今では、独特の梲の街並みが残っているのは、岐阜県美濃市と徳島県美馬市の2か所だけだそうです。
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[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]常に屋根の重みを受けていることから、上から押さえつけられる象徴として、『梲が上がらない=出世しない、生活が向上しない』と使われるようになったと言われているんじゃよ。[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]大工言葉で、「梲を上げる」=棟上げする、家を新築することを意味していて、「梲が上がらない」とは家を建てられない=甲斐性なしの意味になったと言われているんじゃ。[/chat]
「意味」出世できない
「うだつが上がらない」とは、いつまで経っても出世しない、生活が向上しないことのたとえ。また、身分がぱっとしない、幸せになれないことのたとえです。
- いつまでも、出世できない
- 良い境遇に恵まれず運がない
- 金銭的にうまくいかない
- 生活苦である
- 子孫繫栄しない
- 地位や生活が向上しない
- ぱっとしない
- 幸せになれない
- 仕事が上手くいかない
- 私生活がうまくいかない
「ことわざのイメージ」
なんだか、ネガティブすぎて、悲しくなることわざですね。良い意味ではありませんね。できれば使いたくないですね。
「使い方」本人には言えないけど
「うだつが上がらない」は、なかなか結果が出せない、出世しない人に使います。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]こんなことは言いたくないんじゃが…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]何がですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]向かいのAさんは、うだつが上がらないのう…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら、やだ!そんなこと言っちゃだめですよ。[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]そうじゃ。いくら万年見習い職人でも、本人は一生懸命なんじゃから…。[/chat]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例・良い例紹介
ブランド物ばかり買って持ってる彼女は、うだつが上がらない人だ。
ブランド物が買えるぐらいの生活力がある人に使うのは、悪い例です。
うちの長男は、いつまでたっても、うだつが上がらないんですよ。
人に言うときに、自分の側を謙遜していうときに使うのは良い例です。
今は、営業時間が制限されて、うだつが上がらない状況ですが、なんとか売り上げをもっと増やせるように、次の手を考えています。
うまくいってない状況を伝えるときに使うのは良い例です。
一緒に入社したあいつは、うだつが上がらないなぁ…。新人に成績を抜かされているよ。
人に悪口を言うときに使うのは良い例です。
「類義語」うだつが上がらない4つ紹介
甲斐性なし
・頼りにならないさま。情けないさま。
鳴かず飛ばず
・将来の活躍に備えて行いを控え、機会を待っているさま。また、何の活躍もしないさま。
万年前座
・いつまでも講釈、話などの本題に入る前に出演すること。いつまでも見習いのまま。
冷や飯を食う
・会社や集団の協調から除外して扱われるさま。周りからの待遇が悪くなるという状況。
「対義語」うだつが上がらない3つ紹介
立身出世
・社会的に高い地位について名声を得ること。世に出て認められること。
飛ぶ鳥を落とす勢い
・権力や威力などが血気盛んな様子。
成りあがる
・低い地位・身分の者が高い地位・身分に昇ること。出世すること。
「英文」うだつが上がらない3つ紹介
He can`t make any progress(彼には進歩がない)
- progress( 進歩 )
never get ahead (ビジネスで成功しない)
- ahead(勝ち越す、どんどん先へ )
can’t get on in the world(出世できない)
- get on in(成功する)
まとめ
「うだつが上がらない」は、出世できないとか、生活が向上しないとか、あまりいい意味ではありません。なんか残念なことわざですね。
意味は、いつまで経っても出世しない、生活が向上しないことのたとえ。また、身分がぱっとしない、幸せになれないことのたとえです。
使い方は、自分のことに使うときは、謙遜して使います。人に使うときは悪口になりますので直接本人には使いません。
うだつが上がらないは、自分が謙遜して言うときや、その場にいない人を悪く言うときに使います。
本人を目の前にして言ってはいけません。その人が深く傷つきます。
あまり良い事に使いませんので、使うときには気をつけましょう。
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