「有為転変は世の習い」ということわざを知っていますか?なんとなくわかる気がするけど、ことわざの意味は分からない…なんて方もいらっしゃるかもしれません。
「有為転変は世の習い」とは、この世で起きる様々の出来事は、常に激しく移り変わり、とどまることなく変化する儚いものだということを意味します。
本記事では、言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 有為転変は世の習い(ういてんぺんはよのならい)) |
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意味 | 世の中は絶えず移り変わり、少しの間も同じ状態はないこと。 |
使い方 | 移り変わり、とどまることなく変化する儚いものの様子 |
英文訳 | All worldly things are transitory.(この世のものはすべて過ぎ去りやすい) |
類義語 | 昨日の淵は今日の瀬/有為無常/移れば変わる世の習い/盛者必衰/万物流転/諸行無常/世の中は三日見ぬ間の桜かな |
有為転変は世の習い
由来
- 「有為」というのは仏教語です。
「有為転変は世の習い」を分解してみましょう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]「有為」とは、この世の中のさまざまな出来事が、因(結果をき引き起こす直接の内的原因)と、それを外から助ける縁(間接的原因である)が合わさって作られた、現象のことであるということです。[/chat]
「有為」の因縁から生じた現象の例
河原でボール遊びをしていて、ボールを投げたら、転がって川に落ちてしまった。
・ボールを投げて(因)
・転がって川に落ちてしまった(縁)
- 「転変」は、物事が移り変わること。生滅・変化すること。
- 「習い」は、「学習すること」ではなく、「世の中の常」という意味です。
「意味」変化する儚いもの
「有為転変は世の習い」とは、この世で起きる様々の出来事は、常に激しく移り変わり、とどまることなく変化する儚いものだということを意味します。単に物事が転変の運命をたどることでもあります。
仏教的な意味合いのある「有為転変」ですが、今では、「激しく移り変わる」というほどの意味でも使われます。
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]作られたものは変化し、消滅してしまうんじゃ。そうした、はかないものに満ちたこの世のことを「有為の奥山」と言うそうじゃ。[/chat]
「ことわざのイメージ」
とても良いクラスメイトに恵まれて、ずっと同じクラスでいたいと思ってもそうはいかず、進級するたびにクラス替えがあって親友とも別れ、残念なこともありました。変化して欲しくないことも、ずっと同じというわけにいかない。変化し続けることが「有為転変は世の習い」ですね。
「使い方」ずっとそのままではない。
「有為転変は世の習い」は、あったはずの物が無くなっていたり、時の移り変わりを感じることにも使います。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]おかしいな?たしかここにあったはずなんじゃが…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん。どうしたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]20年前に住んでいたアパートがないんじゃ。この角にあったはずじゃが…。あれ?コンビニになっとる。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そりやぁ、ずいぶん前ですねぇ。有為転変は世の習いと言いますもの。変わってしまっても仕方ありませんね…。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃな。懐かしいと思って寄ってみたんじゃが、がっかりじゃ。[/chat]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例良い例
太陽が沈むと月が昇る、有為転変は世の習いだなぁ…。
ずっと変わらないことに使うのは、悪い例です。
何年も彼の水泳の世界新記録をやぶる選手はいなかったが、ついに新しい記録がでた。どんなにすごい記録も、有為転変は世の習いなのか、いつかはその記録を塗り替えるタイムがでることに感動した。
変わってゆく記録に使うのは良い例です。
「類義語」有為転変は世の習い7つ紹介
昨日の淵は今日の瀬
由来・古今集の「世の中は何か常なる飛鳥川、昨日の淵ぞ今日は瀬になる」から
未来はどうなるかは分からないこと。
有為無常
この世のものは常に変化して同じ状態ではないこと
移れば変わる世の習い
時世によって世の中の状況はさまざまに変化する。この目まぐるしい移り変わりは世の常であり、そのような現実の中で生きているということ。
万物流転
この世の物は激しく変化すること。
盛者必衰
由来・仏教語です。『平家物語』の冒頭の「…沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」の一節にあります。
今、栄えて絶頂にいる者も、必ず、衰える時がくるものであるということ。
世の中は三日見ぬ間の桜かな
桜がいつのまにか散るように、世の中は変化しやすいこと。
諸行無常
物事が盛んになったり、衰えたりすることだけだはなく、壊れたり、無くなったりと様々なものに変化することを表すときに使う。永久不滅なことはないということ。
「対義語」有為転変は世の習い5つ紹介
一定不変
何があっても変わらない
果てしない
終わりがない事
恒久不変
いつまでも変化しない事。
万古不易
いつまでも変化しない事
永遠不変
いつまでも移り変わることがない。
「英文」有為転変は世の習い3つ紹介
- All worldly things are transitory.(この世のものはすべて過ぎ去りやすい)
transitory(一時的な・つかの間の・無常な)
- The vicissitudes of life are the customs of the world(生命の波乱は、世界の習慣です)
vicissitudes(物事などの変化・変遷) customs (習慣・風習・慣例)
- Life is full of and downs.(人生は浮き沈みで満ちている。)
まとめ
「有為転変は世の習い」とは、あらゆる出来事は、常に激しく移り変わるので、永遠に同じ状況が続くことはないということです。
意味は、「有為転変は世の習い」とは、この世で起きる様々の出来事は、常に激しく移り変わり、とどまることなく変化する儚いものだということを意味します。単に物事が転変の運命をたどることでもあります。
使い方は、移り変わり、とどまることなく変化する儚いものの様子などに使います。
重要なポイントは間違えやすいことなどをまとめる
有為転変は世の習い
「有為」を「ゆうい」と読むのは誤り。
- 人生や人の生活の様子を表すときに使います。
常に変化していく世の中なので、悔いのないように今を大切に生きていきたいですね。また、今があまり良くない状況でも、同じ状況が永遠に続くことはないので、きっと良くなると信じましょう。
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