「紺屋の白袴」ということわざを耳にされたことはありますか?
意味は、他人のためにばかり働いて、自分のことに手が回らないことです。




はてな君達が疑問に思うとおり、ことわざに出てくる言葉と意味とがリンクしにくいですよね?そして、どのようなタイミングで、どのように使うのでしょうか?本記事では、「紺屋の白袴」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。一緒に理解を深めていきましょう。
読み方 | 紺屋の白袴(こうやのしろばかま) |
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意味 | 他人のためにばかり働いて、自分のことに手が回らないこと |
使い方 | 自分のことがお留守になったとき |
英文訳 | The cobbler’s wife goes the worst shod.(靴直しの女房は世間で一番ひどい靴を履いている) The tailor’s wife is worst clad.(仕立屋の妻は最もひどい服を着る) |
類義語 |
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紺屋の白袴とは
「紺屋(こうや)」は「こんや」ともいい、元来は藍染め業者のことですが、染物屋の総称とされていました。
「しろばかま」は「しらばかま」とも読みます。
人の白い袴を紺色に染めるのが商売である紺屋が、染める仕事に忙しく、自分は染めていない白色の袴をはいていることから、他人のことにばかり忙しく、自分自身のことに手をかける暇がないということ。もしくは、自分に対しては専門技術が役に立たないことをいいます。
一説によると、紺屋は仕事中に染める液を自分の白袴には一滴もつけないという、職人の誇りを表しているともいわれています。
「意味」他人のためにばかり働いて、自分のことに手が回らないことのたとえ
例えば、一級建築士の資格を持ち、多数のメディアにも取り上げられるくらい有名な建築家なのに、多忙を極めるがゆえに、自身の住まいは老朽化が進んでいても、建て替えもリフォームも手が付けられていないような状態のことを「紺屋の白袴」と揶揄されたりします。
「ことわざのイメージ」
・他人のために働いて、自分のことはおろそかになっている。
・いつでもできるという思いから、自分のことは何もしない。
・せっかくの専門知識を活かせていない。












「使い方」せっかくの専門知識を自身のために活かせていない人のことを例えるとき















このように、他人のためにばかり忙しく働いて、自分のことに割く時間がない人や、せっかくの専門知識をもっていても自分に使わない人のことを例えるときに使われます。
「例文」紺屋の白袴・悪い例と良い例
山田君のおうちはクリーニング店だから、制服のシャツがいつも真っ白で、きれいにアイロンがけされてるんだよね。さすが「紺屋の白袴」だ!



あの有名な占い師の〇〇さんが事故に遭って生死をさまよってるらしいね…。他人の運命はあんなに的中させて、みんなを幸せにしてるのに、自分のことはわからなかったなんて…こういうのを「紺屋の白袴」っていうんだよね…。
「類義語」紺屋の白袴3つ紹介
類義語を3つ紹介します!
①医者の不養生
理屈はわかっているのに、自分にはその通り行動しないことのたとえ。
医者は患者に対しては、健康上のアドバイスを勧めますが、自分のことには注意を払わないというところから。医者に限らず、専門知識のある職業の人は、他人に対しては専門的なアドバイスをしながら、自分はそれを実行しないという使われ方をします。
例文:「禁煙外来の先生、患者さんからの評判は上々だけど、実はヘビースモーカーらしい。医者の不養生ということわざそのまんまの人だね。」
②駕籠舁き駕籠に乗らず
仕事としての技術や物は、他人に提供するばかりで自分のためには使用しないことのたとえ。



例文:「あの先生、ウイルス対策ソフトの開発チームの一員なのに、自宅用のパソコンにはインストールしてなくて、ウイルス感染しちゃったんだって。駕籠舁き駕籠に乗らずだよね。」
③髪結い髪結わず
他人のために技術を使うばかりで、自分に手が回らないことのたとえ。髪結いが人の髪を結ってばかりで、自分の髪はそのままであることから。



例文:「あの人はカリスマ美容師だけど、多忙を極めてヘアカラーする暇もないからか、金髪が伸びて頭頂がプリン状態だ…。まさに髪結い髪結わずだね。」
「対義語」我田引水
・我田引水
他人のことを考えず、自分に都合がいいような考えをしたり、行動する人のこと。
例文:「クラス行事に一人だけ参加せず、テスト勉強している彼は我田引水と揶揄されている。」
「英文」紺屋の白袴2つ紹介
・The cobbler’s wife goes the worst shod.(靴直しの女房は世間で一番ひどい靴を履いている)
・The tailor’s wife is worst clad.(仕立屋の妻は最もひどい服を着る)
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
説明や使い方から、「紺屋の白袴」という言葉と「他人のためにばかり働いて、自分のことに手が回らない」という意味がリンクしたでしょうか?
理解を深めて、すぐに活用していただけそうでしょうか?
この記事がお役に立てれば嬉しいです。
最後にポイントをまとめますね。
意味としては、
- せっかく専門知識や技術をもっていても、他人のことばかり気にかけて、自分のことに使わない
- 自分のことはおろそかにしてしまう
ということでしたね。
決して、悪い意味や人を貶めるような意味ではなく、むしろ
- 「もっと自分をいたわってほしい」
- 「それ、自分に使いなよ~」
というような使い方なのですが、場合によっては失礼になる可能性もあるので注意が必要です。
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