「大賢」とは、非常に賢い人のことを指す言葉ですが、
「愚か」という、賢さとは正反対に思える言葉と一緒に使われている、
大賢は愚なるが如しということわざ。
[chat face=”count_boy.png” name=”ことわざくん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]まさか、賢い人が愚かだなんてありえないだろう![/chat]
と思った、そこのあなた!
みなさんの知っている一番賢い人を思い浮かべてみて下さい。あれ、意外と変な人が多いかもしれない、、、なんてことありませんか?
非常に賢い人は、自分の知識を周りにひけらかさないため、一見愚かな人に見えるという
意味の、「大賢は愚なるが如し」(たいけんはぐなるがごとし)、類義語、使い方まで徹底解説していきます!
読み方 | 大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし) |
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意味 | 非常に賢い人は、自分の知識を周りにひけらかさないため、一見愚かな人に見える |
使い方 | 一見平凡に見える人が、実は相当な知識人であることを伝えるときなど |
英文訳 | ・Extremes meet.(両極端は一致する) ・And he is often the wisest man who is not wise at all.(愚者はしばしば大賢者のように見える) ・Still waters run deep.(静かな川の水は深く流れる) |
類義語 | 大巧は拙なるが若し/能ある鷹は爪を隠す/深い川は静かに流れる |
大賢は愚なるが如しとは
大賢は愚なるが如しのことわざの由来・語源は、
中国北宋の詩人の、蘇軾の『賀歌欧陽少司致仕啓』一節に基づきます。
由来・語源:蘇軾の『賀歌欧陽少司致仕啓』より
『蘇軾』に「大勇は怯なるが若く、大智は愚の如し(本当に勇気のある者は一見臆病者のように見え、本当に知恵ある者は一見愚か者のように見える)」とあるのに基づく。
【蘇軾】
中国北宋を代表する士大夫(知識人)であった蘇軾は、宋代第一の詩人と称されていました。同義語である「大智は愚の如し」も、蘇軾の『賀歌欧陽少司致仕啓』が語源のことわざとして現在も使用されています。
中国,北宋の文学者,書家,政治家。眉州眉山 (四川省) の人。字,子瞻 (しせん) 。号,東坡 (とうば) 。嘉祐2 (1057) 年進士に及第。欧陽修に認められ,英宗の信任を得た。しかしまもなく王安石の新法に反対したため地方官に転出。その後も政争の渦に巻込まれ,また直言をはばからぬ性格もあって,しばしば左遷され,生涯の多くを地方長官で過して終った。父の蘇洵,弟の蘇轍とともに「三蘇」と称される。儒道仏に通じ,詩文書画のあらゆる分野で天才的な業績を残し,宋代を代表する文豪である。
〈引用:コトバンク「蘇軾」より〉
「意味」非常に賢い人は、自分の知識を周りにひけらかさないため、一見愚かな人に見えること
大発明王と呼ばれるエジソンのことは、
何を発明したのかは知らなくても、名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
彼が残した様々な偉業は、現在のテクノロジーの発展に多大なる影響を与えているのですが、彼が幼少期の頃は、その好奇心の豊かさゆえに、「変わり者」であると言われ続けていました。
今では大発明王と呼ばれるエジソンでも、周りから見れば「変人」かつ「愚か者」に見えたのです。
エジソンは、その好奇心旺盛さゆえに、周りの人々から理解されなかったという背景はあるにしろ、大賢は愚なるが如しということわざは、非常に賢い人は普段からその知識をひけらかすわけでもなく、何かを情報を発するわけでもないため、かえって愚か者に見られてしまうということを意味します。
「ことわざのイメージ」
・賢い人ほど、一見愚かに見えてしまう。
・知識のある人は、その知識を周りにひけらかさない。
【アメリカの大発明家エジソン】
大賢は愚なるが如しと、かつては周りから思われていたアメリカの発明家エジソンも、今となってはさまざまな発明をしてきたことで有名ですが、その生涯特許数は約1300件にも及びます。代表的な発明品としては、白熱電球・蓄音機などが挙げられます。波乱万丈の人生を送っていたエジソンの生涯、気になる方はぜひ調べてみてくださいね!
アメリカの発明家,電気技術者。二重電信機,スズ箔蓄音機,カーボンマイクロホン,白熱電球,映画,アルカリ蓄電池,謄写印刷機などを発明,または改良したことで非常に著名である。貧しい材木商兼穀物商の家に生まれ,小学校には数ヵ月しかいかずに母親から教育を受けた。少年時代から彼は電気や化学の実験に熱中した。南北戦争前後の当時は鉄道と電信網の急速な発展時代であった。エジソンは12歳のときに列車に乗り込む新聞売子となり,長距離列車の車内で新聞を発行するなどの商才を示した。
〈引用:コトバンク「エジソン」より〉
「使い方」一見平凡に見える人が、実は相当な知識人であることを伝えるときなど
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なるこさん、テレビを見てくれ!日本人がノーベル物理学賞を受賞したようだ!スピーチがはじまるぞ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]あら、素晴らしいじゃないの!どんな人かしら![/chat]
[chat face=”job_kagakusya.png” name=”すごい物理学者” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]コンニチハ、、、ボ、ボクガ、、コンナスバラシイ、、、アリガトウゴザイマス、、、。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]あら、なんだか随分口下手な人なのね、、、。本当にこの人がノーベル賞受賞者なのかしら?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]大賢は愚なるが如し、本当に賢い人ほど、下手にひけらかさず内に秘めるものがあるのさ、なるこさん。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]そうよね、、、。それにしても素晴らしい功績だわ!ご両親はお喜びでしょうね![/chat]
「例文」いつもは物静かな人が、実は知識人だったと気づいた際など
いつも穏やかで優しい先輩が、実はウェイトリフティングの日本代表選手らしい。大賢は愚なるが如しで、人は見かけにはよらないなぁ。
一見すると優しく平凡に見えた人がスポーツマンだったという、見かけで人を判断できないメッセージは共通しますが、大賢は愚なるが如しということわざは、知識を持った人が普段はその能力をひけらかさないという意味で使われるので、この場合は使用は適しません。
大賢は愚なるが如しで、いつも物静かな〇〇さんは、実はアメリカの大学で博士号を取得していて、教授になれるレベルの研究をしてきたようだ。
普段は物静かで、相当な知識を持っているように見えない人が、実は知識人であるということを大賢は愚なるが如しということわざでわかりやすく表現することができます。
「類義語」大賢は愚なるが如し・類義語3選
・大巧は拙なるが若し
・能ある鷹は爪を隠す
・深い川は静かに流れる
大巧は拙なるが若し
【意味】真の名人は見かけの小細工などしないため、一見下手に見えること。また、自分の名人芸を自慢したりなどもしないため、つたないようにみえること。
「大巧は拙なるが如し」とも書く。
能ある鷹は爪を隠す
【意味】有能な鷹は、普段は獲物にばれないように鋭い爪を隠すことから、能力や実力のある者は軽々しくそれを見せつけないということ。
「能鷹(のうよう)」ともいう。
深い川は静かに流れる
【意味】深い川の流れは、浅い川に比べて水音を立てず静かに流れることから、
分別がある人や思慮深い人は悠然としているが、できていない人ほど騒々しいものだということ。
「対義語」大賢は愚なるが如し・対義語3選
・空き樽は音が高い
・浅瀬に仇波
・吠える犬は嚙みつかぬ
空き樽は音が高い
【意味】空っぽの樽は、叩くと大きな音が出ることから、中身のない軽薄な人ほど、よくしゃべることのたとえ。
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浅瀬に仇波
【意味】川の浅瀬では、波がいたずらに立ち騒ぐことから、思慮深くない人ほどおしゃべりで騒ぎ立てることが多いということ。
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吠える犬は嚙みつかぬ
【意味】よく吠える犬は、めったに噛みついてこないことから、むやみに威張る者は大した実力もなく、たいていは何もできないことのたとえ。
「英文」大賢は愚なるが如し・英文3選
Extremes meet.
訳:両極端は一致する。
extreme/極端(この文では、複数形の”s”が付くため、両極端という意味になります。)
meet/合う、接触する
And he is often the wisest man who is not wise at all.
訳:愚者はしばしば大賢者のように見える。
often/しばしば、時々 wisest/wiseの最上級、賢い、賢明な
not at all/少しも~ない
Still waters run deep.
訳:静かな川の水は深く流れる。
still water/静水 run/流れる deep/深く
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
それでは、再度大賢は愚なるが如しのことわざのポイントを振り返っておきましょう。
・語源・由来は、中国の宋の時代の詩人、蘇軾の『賀歌欧陽少司致仕啓』の一節
・意味は、非常に賢い人は、自分の知識を周りにひけらかさないため、一見愚かな人に見えること
・類義語は、大巧は拙なるが若し/能ある鷹は爪を隠す/深い川は静かに流れる等
「この人変な人だな」「不思議な人だな」「静かな人だなあ」
と思っている、あなたの知り合いが、実は相当な知識人なのかもしれないと思うと、
なんだかワクワクしませんか?
この記事を通して、大賢は愚なるが如しのことわざを少しでも理解していただければ
嬉しく思います!
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