立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)とは?意味・類義語・使い方まで徹底解説!

立つ鳥跡を濁さず 子どもが鳥の真似をしている
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鳥が水面を飛んだ後、飛び立つ鳥に目を奪われてしまいがちですが、
その飛んだ”跡”である水面がどんな様子かを、皆さんはご存知でしょうか?

力強く飛び立った鳥が残した水面は、
土などが巻き上げられることもなく濁りもない美しい様子から、
引き際の美徳を表した今回のことわざ。

本記事では、「立つ鳥跡を濁さず」(たつとりあとをにごさず)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。

 

読み方 立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)
意味 立ち去るものの引き際は、美しくあるべきだということ
使い方 卒業するとき、退職するときなどどこかを立ち去るとき
英文訳 It is foolish bird that defiles its own nest.(巣を汚す鳥は愚かだ)
類義語 さぎは立ちての跡を濁さず/飛ぶ鳥跡を濁さず/鳥は立てども跡を濁さず

 

目次

立つ鳥跡を濁さずとは

立つ鳥跡を濁さず 綺麗な水

語源・由来:鳥が飛び立った後の水面は、澄んだまま変わらない情景から
※このことわざでの鳥は「水鳥みずどり」のことだと推測されます。

鳥が飛び去った後も水は澄んだまま変わらない、という情景の描写です。ことわざには、どんな鳥か明示されていませんが、末尾の「濁さず」から水鳥とほぼ推測することができます。安土桃山時代には、「鷺は立ちての跡濁さぬ」といいましたから、サギをイメージしてもよいでしょう。水鳥が飛び去っていった情景を簡潔なことばで描写し、言外に人のあるべき姿を示唆しています。訪れた地に別れを告げるときや従事していた職務を離れる際は、いさぎよく跡を片づけ、きれいにしていくことが昔から大切な心得とされてきました。素朴な表現ですが、俳句などの短詩型文学の伝統に連なる、なかなか印象的なメタファー(隠喩)といえます。

〈引用:コトバンク「立つ鳥跡を濁さず」より

水鳥みずどり

シロサギのイラスト

皆さん、水鳥と聞くとどんな鳥を思い浮かべるでしょうか?
語源・由来の引用文にも挙げられているさぎや鴨・白鳥など、
水上あるいは水のほとりで生活する鳥の総称を水鳥みずどりと言います。

水上または水のほとりで生活する鳥類の総称。水禽(すいきん)。古くは主に鴨(かも)の類をさした。

〈引用:コトバンク「水鳥」より

[chat face=”job_kagakusya.png” name=”鳥博士” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ちなみに、陸で生活する鳥の総称は陸鳥りくどりと呼ぶんじゃよ。地球上には沢山の鳥がいるが、陸鳥だと世界最大の卵を産むダチョウなんかもいるぞ![/chat]

「意味」立ち去るものの引き際は、美しくあるべきだということ

立つ鳥跡を濁さず 卒業式

水面から空に飛び立った鳥の跡を見てみると、濁りがなく美しい状態であることが転じた、立つ鳥跡を濁さずということわざですが、

例えば学校を卒業する際や、会社を退職する際など
立ち去る者は、周りの者に見苦しく思われないよう後始末をしっかりと行い、
潔く立ち去るべきだというメッセージが込められています。

[chat face=”seifuku_aifuku_woman2_best.png” name=”学生さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]確かに、引退した部活の先輩が使っていたロッカーが凄く掃除されてたのを見て、潔くてかっこいいと思っちゃった!これも、立つ鳥跡を濁さずの体現だね![/chat]

昔から去るものの美徳として扱われていたこの言葉ですが、
ここでの「立つ」は「飛び立っていく」というイメージ
「跡」も、水面の様子を表すので同じ読み方の「後」と間違わないように注意しましょう!

「ことわざのイメージ」

  • 引き際は美しくあるべき
  • 水鳥の飛び立った後の水面の清らかさ
  • 立ち去るものは潔くという戒め

「使い方」訪れた場所や属していた組織から離れるとき

【ナルゾウ学校吹奏楽部・部室】

[chat face=”suisougaku_bass_clarinet_man.png” name=”部員そのいち” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]こんにちは~!ってあれ?この部室こんなに綺麗だったっけ[/chat]

[chat face=”suisougaku_flute.png” name=”部員そのに” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]やっほ~!いやそれがさ、昨日で引退した先輩が私たちが帰った後に、「引き際は美しくなきゃね!」と言って、大掃除をしてくれたみたいなの。[/chat]

[chat face=”suisougaku_bass_clarinet_man.png” name=”部員そのいち” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]最後までなんてカッコいんだ…。まさに立つ鳥跡を濁さず、僕も引退するときは先輩たちみたいにかっこよく去っていきたいよ。[/chat]

[chat face=”suisougaku_flute.png” name=”部員そのに” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]本当よね!そんな先輩たちの卒業式も来週ということだし、式典の私たちの演奏で感動してもらえるように、今日も練習頑張ろう![/chat]

「例文」卒業するとき、退職するときなどどこかを立ち去るとき

立つ鳥跡を濁さず サラリーマンが退職

立つ鳥後を濁さずというように、明日の引退式では思い残しのないように大騒ぎしてやろう!と友達と約束した。

よくある誤用例として、立つ鳥の「あと」は、「跡」を使用し水面の様子を表すのですが、
同じ読み方の「後」が使用されがちです。「水面の跡」と覚えて間違えないようにしましょう。

また、思い残すことを消化するという意味ではなく立ち去るものの引き際の美しさを意味するので、この文章での立つ鳥跡を濁さずの使用は適しません。

仕事柄、いろんな地方の施設を借りているが、立つ鳥跡を濁さずというように、来た時よりも美しくして去っていくことで、次の仕事につながるのだ。

訪れた場所を去る際にも使えるこのことわざは、
立ち去る際にその施設をより美しくして去ってきたことで、いい印象を与え
新たなチャンスにつながったということを、
立つ鳥跡を濁さずということわざでわかりやすく伝えることができます。

「類義語」立つ鳥跡を濁さず・類義語3選

鷺が飛び立つ画僧

  • さぎは立ちての跡を濁さず
  • 飛ぶ鳥跡を濁さず
  • 鳥は立てども跡を濁さず

さぎは立ちての跡を濁さず

【意味】立つ鳥跡を濁さずと同義語で、立ち去るものの引き際は美しくあるべきだということ。安土桃山時代に使用されていたことわざ。

飛ぶ鳥跡を濁さず

【意味】水鳥が飛んだあとの水面は、濁らずに清らかである様子から、立ち去るものは自分のいた場所を綺麗に去るべきだという戒めのこと。

鳥は立てども後を濁さず

【意味】このことわざも立つ鳥跡を濁さずと同義語で、引き際は美しくあるべきだという意味。

「対義語」立つ鳥跡を濁さず・対義語3選

土を掘る犬

  • 後足あとあしで砂をかける
  • 後は野となれ山となれ
  • 旅の恥はき捨て

後足あとあしで砂をかける

【意味】犬や馬などは、駆け出すときに砂を蹴散らしていく様子から、世話なった人に対して感謝をするどころか、去り際に迷惑をかけたり被害を与えたりすること。

[box06 title=”あわせて読みたい”]後足で砂をかける[/box06]

後は野となれ山となれ

【意味】目先のことを解決できたのであれば、後はどうでもいいということ。無責任な態度のたとえ。

[box06 title=”あわせて読みたい”]後は野となれ山となれ[/box06]

旅の恥はき捨て

【意味】旅先には知人もいないため、恥をかいたとしてもその場限りで済むということ。

 

「英文」立つ鳥跡を濁さず・英語表現を紹介

鳥の巣に卵が三つ

It is foolish bird that defiles its own nest.
訳:巣を汚す鳥は愚かだ。

foolish/愚かな、わかっていない defiles/defileの複数系、汚す、不潔にする
nest/巣、休み場所

A bird does not foul the nest that it is about to leave.
訳:いま巣立たんとする鳥は古巣を汚したりはしない。

foul/~を汚す be about to/まさに~しようとしている。
leave/~から離れる

On leaving a place one should see that everything is in good order before one goes.
訳:立ち去る際は出発前に万事うまく片付くよう取りはからうべし。

place/場所 in good order/整った、整然とした

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは再度、立つ鳥跡を濁さずのことわざのポイントを振り返っておきましょう!

  • 語源は、鳥が飛び立った後の水面は、澄んだまま変わらない情景から。
  • 意味は、立ち去るものの引き際は、美しくあるべきだということ。
  • 類義語は、さぎは立ちての跡を濁さず/飛ぶ鳥跡を濁さず/鳥は立てども跡を濁さずなど。
  • 立つ鳥”後”を濁さずと間違わないように注意する。

立ち去る人を送りだす方の立場で考えると、
使用されていた場所が綺麗だったり、潔く去っていく姿を見ると、
印象が良く「かっこいい」と思いませんか?

そんな風に、去り際まで美しく振舞えるかっこいい人を目指したいですね!

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