天長地久(てんちょうちきゅう)ということわざご存知でしょうか?
聞いたことがなく、意味も知らないという方がいると思います。
[chat face=”roushi.png” name=”老子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「天長地久」は、訓読すると「天は長く地は久(ひさ)し」と読むことができます。[/chat]
この漢字の意味から「この世界が永遠に続いていく」という意味を持つことわざです。
本記事では、「天長地久」(てんちょうちきゅう)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 天長地久(てんちょうちきゅう) |
---|---|
意味 | 天地が永久に変わらないように、物事が永遠に続くこと |
使い方 | 良いことが続いている、又は続いて欲しいということを表すとき |
英文訳 |
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類義語 |
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対義語 |
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天長地久とは
[box03 title=”由来”]『老子』第七章にある一文
「天地所以能長且久者、以其不自生。故能長生。」より。
- 以其不自生 … 自分から生きたいと思わない
- 長生 … 長生き
【書き下し文】
「天は長く、地は久し。天地の能く長く且久しき所以の者は、その自ら生きざるを以て、故に能く長生す」
【訳】
天地が永久に不変であるのは、自らを生かそうという意識がないからなのである。
「天は長く地は久し」から「天地長久」ともいう。[/box03]
[jin-iconbox10]『老子』:老子が書いたと伝えられる道家の経典[/jin-iconbox10]
[jin-iconbox03]
- 「天長地久」は「天地長久」を互い違いに構成したもの
- こういう形を「互文」という。「千客万来」(千万客来―たくさんの客が来る)などと同じ
[/jin-iconbox03]
[chat face=”roushi.png” name=”老子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]1948年まで、天皇誕生日を「天長節」、皇后誕生日を「地久節」と呼んでました。[/chat]
「意味」この世界が永遠に続いていくということ
「天長地久」の意味とは
[jin-iconbox02]この世界が永遠に続いていくということ[/jin-iconbox02]
この熟語を構成する漢字のうち以下の意味を表します。
- 「天地」→空と大地をすなわち世界
- 「長」「久」→長い時間
この漢字を組み合わせて出来た「天長地久」は、主におめでたいことに対して用いられます。
それは人間の寿命であったり、ときに組織や国家の繁栄であったりします。
いずれにしても、喜ばしいことが永遠に続けばいいのにという思いに変わりはありません。
「ことわざのイメージ」
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]永遠に変わることのないおめでたいイメージ
- 幸福
- 喜ばしい
「使い方」ビジネス繁栄を願うとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]会社に飾る羽子板に字を書いてもらいたいんだけど、どんな字が良いかな?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どんなイメージの字を書きたいの?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]これからも事業の繁栄を込めたイメージが良いなぁ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それなら「天長地久」が良いんじゃない?[/chat]
[jin-iconbox02]今後のビジネス繁栄を願う気持ちを込めて使うことができます。[/jin-iconbox02]
「例文」天長地久(悪い例・良い例)
天長地久である中東シリアでは、内戦が続いている。
[jin_icon_caution color=”#e9546b” size=”18px”]悪いことが続いている場合ではなく、平和や幸せが続いている場合に使うことわざのため、誤りです。
野球部の伝統と精神は、天長地久であることを誓い、次回の大会での必勝を期します。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]部活動という日常的なことにも、使うことができます。
以下参考文献を紹介します[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
例えば死者を祭るに供物を捧ぐるは生者の情なれども、其情如何に濃なるも亡き人をして飲食せしむることは叶わず。左れば生者が死者に対して情を尽すは言うまでもなく、懐旧の恨は天長地久も啻ならず、此恨綿々絶ゆる期なしと雖も、冥土人間既に処を殊にすれば、旧を懐うの人情を以て今に処するの人事を妨ぐ可らず。
参考文献:『新女大学』福沢諭吉
即ち会は諸侯の相会する事で、盟とは神明に誓約するゆえんの義である。神かけて誓約する。然らばこの誓約こそは天長地久変ることなかるべきである。
参考文献:『永久平和の先決問題』大隈重信
在來の如き模倣的投機的精神にのみ力を注ぎ、市を安固ならしむる考へでは、時代後れの感があつたけれども、いまその憂は除かれた。ひたすら愛國、努力、更新等の見地から進めば、大阪は日本の智能金嚢である本性を、ます/\中外に發揮する運命を永く享有すると予は深く信ずる。天長地久、大阪市に幸あれかし。
参考文献:『大阪といふところ』長岡半太郎
福沢諭吉:幕末から明治の日本の啓蒙思想家・教育者
大隈重信:幕末の武士、明治時代から大正時代にかけての政治家、第8・17代内閣総理大臣
長岡半太郎:日本の物理学者。 土星型原子モデル提唱の学問的業績を残した。
「類義語」天長地久・2つ紹介
以下類義語2つ紹介します[jin_icon_arrowbottom color=”#e9546b” size=”17px”]
天地長久(てんちちょうきゅう)
物事が終わる事なく、いつまでも続くということ。
[chat face=”roushi.png” name=”老子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「天長地久」と全く同じ意味、漢字を並べ替えただけですよ![/chat]
天壌無窮(てんじょうむきゅう)
天地とともに永遠に続くこと。
[box04 title=”例文”]結婚するなら天壌無窮の愛を誓いたい。[/box04]
[chat face=”roushi.png” name=”老子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「天壌」は天と地「無窮」は極まりないさま、永遠の意。[/chat]
「対義語」天長地久・2つ紹介
諸行無常(しょぎょうむじょう)
世の中の一切のものは、常に変化し、永久不変なものはないこと。
[box04 title=”例文”]昔通っていた学校が無くなってしまい、諸行無常を思う。[/box04]
【由来】
仏教教理の三つの命題(諸行無常、諸法無我、涅槃寂静)のひとつ
「諸行無常」とは、すべての物事は常成らざるものである。
[box06 title=”あわせて読みたい”]諸行無常[/box06]
万物流転(ばんぶつるてん)
この世にある全てのものは、絶え間なく変化してとどまることがないということ。
[box04 title=”例文”]万物流転するだろうから、今は辛くても状況は変わるだろう。[/box04]
【由来】
ヘラクレイトスの「万物は流転する(パンタ・レイ)」という言葉より。
※ヘラクレイトスの考えは、変化し流動する中にすべてのものの真の姿が隠されています。破壊の象徴でありものを変化させる「火」が、この世の根源だというのが彼の主張です。
【ヘラクレイトス】
古代ギリシアの哲学者。小アジアのイオニア地方の町エフェソスの王家に生まれる。高邁(こうまい)であったが傲岸(ごうがん)。同時代のエフェソス市民をはじめホメロス、ヘシオドス、ピタゴラス、クセノファネスといった詩人や哲学者を痛罵(つうば)した。
<引用:コトバンク「ヘラクレイトス」より>
「英文」天長地久・2つ紹介
coeval with heaven and earth
天地と同じ年代
[jin-iconbox03]
- coeval with:~と同年代
- heaven:天国
- earth:地球[/jin-iconbox03]
forever and a day
未来永劫
[jin-iconbox03]
- forever:永遠
- and a dayと合わせて「未来永劫」という意味[/jin-iconbox03]
まとめ
「天長地久」とは?
[jin-iconbox02]読み方:てんちょうちきゅう[/jin-iconbox02]
[jin-iconbox02]意味:天地が永久に変わらないように、物事が永遠に続くこと[/jin-iconbox02]
[jin-iconbox02]由来:『老子』第七章にある一文より[/jin-iconbox02]
永遠に変わることのないおめでたいことを表すときに使います。
このことわざの意味は、漢字の通り天地のように永遠に続いていくでしたね。
このことから、これまで築き上げてきたものや幸せが永遠に続くようにという願いが込められています。
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