蛇と言われると、牙をもっていたり食べ物を丸のみにしたりという
少し怖い生き物というイメージがありませんか?
そんな蛇が人間の身体よりも大分小さい一寸(3センチ)体長で、
人を呑み込もうとすることをたとえた今回の「蛇は寸にして人を吞む」ということわざ。
(想像してみると、小さい蛇が人間を襲おうとするのは少し可愛いような気もしますが、、、)
一体どんなメッセージが込められているのでしょうか?
本記事では、「蛇は寸にして人を吞む」(じゃはすんにしてひとをのむ)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます!
読み方 | 蛇は寸にして人を吞む(じゃはすんにしてひとをのむ) |
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意味 | 優れた人物は、幼いころから抜きんでた素質があることのたとえ |
使い方 | 才能の素晴らしさに驚いたときなど |
英文訳 | ・It early pricks that will be a thorn.(茨になる木は早くから刺す) ・Genius comes out of the young time.(天才は、幼いころから天才だ) |
類義語 | 栴檀は双葉より芳し/啄木鳥の子は卵から頷く/虎子地に落ちて牛を食らうの気あり |
蛇は寸にして人を吞むとは
蛇は寸にして人を吞むの語源や由来として、文献による詳しい記述はありませんでした。
しかし、幼いころから才能の素質があることを、
小さい蛇が人を飲み込む気迫にたとえられており、明治時代からの文献にも
「栴檀は双葉より芳し」ということわざとセットで使用されており、
昔からある慣用表現でした。
栴檀は二葉から馨ばしく、蛇は一寸にして人を呑む気が有る。文三の眼より見る時はお勢はいわゆる女豪の萌芽[二葉亭四迷*浮雲|1887~89]
〈引用:コトバンク「蛇は寸にして人を吞む」より〉
語源・由来:文献は特になし。
語源は、大蛇が一寸(3センチ)にも満たないころから、人を飲み込む気迫があることから。
※「栴檀は双葉より芳し」とともに、かつては一緒に使われていた。
※「蛇は一寸にして人を吞む」と記載されることもある。
【栴檀は双葉より芳し】
蛇は寸にして人を吞むと同義語で、慣用表現としてセットでも使われていた栴檀は双葉より芳しの語源・由来を引用しおきます!
このことわざは、いろはかるたにおいても使用されていた言葉でした。
「栴檀」とは、白檀のことをいう。
白檀は香木であり、双葉のときから非常によい芳香を放つことから、すぐれた人物は幼少時代から他を逸したものを持っているということ。
「双葉」は「二葉」とも書く。
「栴檀は双葉より薫じ梅花は蕾めるに香あり」ともいう。
『上方(京都)いろはかるた』の一つ。〈引用:故事ことわざ辞典「栴檀は双葉より芳し」〉
「意味」優れた人物は、幼いころから抜きんでた素質があることのたとえ
優れた人や、才能がある人などの伝記やエッセイなどを読んだり話を聞いていると、
・ある有名な野球選手は、毎日休まず素振りを1000回していた。
・有名なピアニストは、一度曲を聴いただけで、教えていないのにピアノを完コピしていた。
など「そんなことを幼少期からできていたのか!」と驚くことってありませんか?
以上のように、優れた人物は幼いころから素質を兼ね備えていることを意味しており、
蛇が小さな時から、大きな人間を食らおうとする気迫があることをたとえにしたことわざです。
「ことわざのイメージ」
・優れた人物は小さいころから優れている。
・幼少期に抜きんでた才能や気迫を持つ。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ところでなるこさん、本当に蛇は人を飲み込むのかね、、、?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]私も気になって調べたら、外国ではアミメニシキヘビという大きな蛇が人を呑み込む事件が、最近も発生しているみたい。恐いわねぇ。[/chat]
「使い方」才能の素晴らしさに驚いたときなど
[chat face=”ojiisan_face-1.png” name=”おじいちゃん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]おやおや、孫ちゃんは何をしているんだね。パソコンかね。[/chat]
[chat face=”computer_girl.png” name=”孫” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]おじいちゃんおはよう!そう、これはプログラミングっていうんだよ。趣味で一からパソコンを作ってるの![/chat]
[chat face=”ojiisan_face-1.png” name=”おじいちゃん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ふぁ!?それはそれは、、、素晴らしい。孫ちゃんは蛇は寸にして人を吞む気があるのぉ!どれどれ、、、おじいちゃんにはなにもわからんわい。[/chat]
[chat face=”computer_girl.png” name=”孫” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ありがとうおじいちゃん!将来は自分のパソコン会社を作れる人になるんだ。だからそれまで長生きしてね![/chat]
[chat face=”ojiisan_face-1.png” name=”おじいちゃん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]孫ちゃんのためとなれば、じいちゃんはあと50年いきるぞ![/chat]
このように、孫ちゃんの抜きんでた才能を蛇は寸にして人を吞むという言葉で表現することができます!
「例文」幼いころから才能の素質があったことをつたえるときなど
あの大食いタレントは、蛇は寸にして人を吞むように肉を食べるね。
蛇が人を飲んでしまうたとえからできたことわざではありますが、
幼いころから抜きんでた才能を持つという意味なので、食べ物を食べる様子に使用は適しません。
今回のショパンコンクールで優勝したピアニストは、3歳からピアノを初めて数々の賞を総なめにしてたらしい。やはり優れた功績を残す人は、蛇は寸にして人を吞む気が昔からあったんだろう。
優秀な成績を残したピアニストが、幼いころから優れていたことを
蛇は寸にして人を吞むということわざでわかりやすく表現することができます。
「類義語」蛇は寸にして人を吞む・類義語3選
・栴檀は双葉より芳し
・啄木鳥の子は卵から頷く
・虎子地に落ちて牛を食らうの気あり
栴檀は双葉より芳し
【意味】大成する人は、幼いころから人並外れていることのたとえ。
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啄木鳥の子は卵から頷く
【意味】生まれたときから、将来を思わせる素晴らしい才能があること。
虎子地に落ちて牛を食らうの気あり
【意味】虎の子が生まれてすぐ牛の肉を食らうことから、才知のある人は、幼いころからその片鱗を持つことのたとえ。
「対義語」蛇は寸にして人を吞む・対義語3選
・氏より育ち
・大器晩成
・十で神童十五で才子二十過ぎればただの人
氏より育ち
【意味】人格を形成するときに大切なのは、生まれた家柄ではなく教育や環境であること。「人は氏より育ち」とも言う。
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大器晩成
【意味】偉大な人は、大成するまでに時間がかかるということ。
十で神童十五で才子二十過ぎればただの人
【意味】幼少時代は、神童のように人並はずれて見えても、多くの人は成長すれば平凡になってしまうこと。
「英文」蛇は寸にして人を吞む・英文2選
It early pricks that will be a thorn.
訳:茨になる木は早くから刺す。
early/早く prick/刺す、とがめる thorn/とげ、茨
Genius comes out of the young time.
訳:天才は、幼いころから抜きんでている。
genius/天才 come out of/から出てくる、から抜ける
young time/若い時、幼少期
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
それでは、再度蛇は寸にして人を吞むのポイントを振り返っておきましょう。
・語源は、蛇が一寸ほどの大きさの頃から人を呑む気迫があるということから
・意味は、優れた人物は幼いころから抜きんでた素質があること
・蛇は一寸にして人を吞むとも言う
・栴檀は双葉より芳しとセットで覚えよう
幼少期から抜きんでた才能があれど、それを自身のものにできるのは
その人の努力や継続する力があったからです。
「私には、そんな才能はないからなぁ」と思っても、気づいていないだけで
誰しも何か人よりも得意なことはあるはずです。
そんな自分を認めて生きていきましょうね!
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