「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」ということわざをご存知ですか?
聞いたことはある!という方も多いかもしれません。
盛者必衰の意味とは
ためになるZO
この歴史あることわざ、現代ではどんな場面で使われるのでしょうか?
人生は無常であるということを唄った『平家物語』に触れながら、
ことわざの意味・由来・使い方・例文・類義語・英語表現をみていきましょう!
読み方 | 盛者必衰(じょうしゃひっすい) |
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ローマ字 | Joshahissui |
意味 |
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使い方 | 衰えたり失敗したりしたとき |
類義語 |
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対義語 |
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英文 | The prosperity must decline.(盛者必衰) |
「盛者必衰」とは



『平家物語』より
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」
意味:祇園精舎の鐘の音には、この世すべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。 沙羅双樹の花の色は、どんなに勢いが盛んな者でも必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。
- 「盛者」とは勢いがあること(「しょうしゃ」や「しょうじゃ」とも読みます。)
- 「必衰」とは、必ず衰えていき、最後は滅ぶ
『平家物語』とは
『平家物語』(へいけものがたり)は、日本の鎌倉時代に成立したとされる軍記物語で、平家の栄華と没落、武士階級の台頭などを描いたもの。
参考:『平家物語』
「祇園精舎」とは
正式名:祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎっこどくおんしょうじゃ、梵語: jetavane ’nāthapiṇḍadasya-ārāme)は、インドのコーサラ国首都シュラーヴァスティー(舎衛城)、現ウッタル・プラデーシュ州シュラーヴァスティー県にあった精舎(vihāra)である
参考:「祇園精舎」
「沙羅双樹」とは
サラソウジュ(沙羅双樹、娑羅双樹、学名: Shorea robusta)は、フタバガキ科サラノキ属の常緑高木。シャラソウジュ、サラノキ、シャラノキともいう。ただし、これらの名で呼ばれ、日本の寺院に聖樹として植わっている木のほとんどは、本種ではなくナツツバキである。
参考:「サラソウジュ」
「諸行無常」とは
現実にある全ての事柄は、ちょっとした偶然でできた物でしかなく、日々変化するものであるという事です。
参考:「諸行無常」



「意味」どんなに勢いのある人でもいつか必ず衰えるときがくる
「盛者必衰」の意味とは
難しい言葉に感じますが、次のようにことばを分解して漢字をみていきます↓
- 今勢いが盛んな者(盛者)
- いつか必ず衰える(必衰)
=盛者必衰
ことわざのイメージ
- 衰える様子
- 無常観
- 永遠に続くものはない
「使い方」全力を出したが結果が伴わなかったとき












「例文」盛者必衰(悪い例・良い例)
この世は盛者必衰だから、永遠に平和であろう。
「盛者必衰」の意味は、「いつか必ず衰える」です。永遠に平和という意味にはふさわしくありません。
歴史を見れば、権勢を誇った国や人が必ず衰退を見せている。まさに盛者必衰である。
以下参考文献を紹介します↓
花の咲かぬ矢車草。
「是生滅法。盛者必衰。いっそ、化けて出ようか知ら。」
参考文献:『失敗園』太宰治
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現す。驕れる者久しからず、唯春の夜の夢の如し。流石に曠世の驕児入道相国が、六十余州の春をして、六波羅の朱門に漲らしめたる、平門の栄華も、定命の外に出づべからず。
「類義語」盛者必衰5つ紹介
「盛者必衰」の類義語紹介します↓
有為転変(ういてんぺん)
この世の中の事物一切は因縁によって仮に存在しているもので、常に移り変わっていく儚いものであるということ。
諸行無常(しょぎょうむじょう)
この世の万物は常に変化して、ほんのしばらくも留まるものはないこと。
生者必滅(しょうじゃひつめつ)
この世に生を受けた者は、必ず滅びるものであるということ。
栄枯盛衰(えいこせいすい)
栄えたり衰えたりすること。
無常(むじょう)
一切のものは、生じたり変化したり滅したりして、常住ではないということ。
「対義語」盛者必衰2つ紹介
「盛者必衰」の対義語を2つ紹介します↓
捲土重来(けんどちょうらい)
一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返して、再び攻めてくること。
永遠不滅(えいえんふめつ)
いつまでもなくならず、残り続けること。
「英文」The prosperity must decline.
「盛者必衰」の英文を紹介します↓
- The prosperity:繁栄
- must:~しなければならない
- decline:衰える
直訳:繁栄は衰えなければならない。
「まとめ」
「盛者必衰」とは
勢いあるもの、栄えるものも、いつかは衰え、衰退していき滅びゆくという「無常観」を表し
- 永遠に栄え続けるものなどない
- 永久に続くものなどない
という意味合いを含んだことわざです。
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