みなさんは流れに棹さす(ながれにさおさす)ということわざを知ってますか?
意味は流れに乗って、勢いを増す行為をすることです。
筆者は全く逆の意味だと思ってました!
実は多くの人が間違った認識をしています。
そこで筆者が徹底的に調べた流れに棹さすの意味や使い方、類義語を解説します。
読み方 | 流れに棹さす(ながれにさおさす) |
---|---|
意味 | 流れに乗って、勢いを増す行為をすること |
使い方 | 好都合なことが重なり、物事が思うままに進む時 |
英文訳 | なし |
類義語 | 得手に帆を揚げる/順風満帆/風に順いて呼ぶ |
流れに棹さす(ながれにさおさす)とは
[box03 title=”由来”]川の流れに乗って進む舟に、棹(さお)をさすことでさらに勢いをつける意味から。[/box03]
- 棹(さお):水底を突き立てて舟を進ませる長い棒
- さす:水底に突き立てる動作
川をすいすい進む舟の光景が、目に浮かびますね。
棹さすという言葉は、夏目漱石の小説『草枕』の冒頭に書かれています。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
夏目漱石『草枕』
有名な冒頭部ですが、理解が難しいですね。現代的に訳すと、このようになります。
情に棹させば流される
→ 棹を川底に強く押すように勢いをつければ、感情に流されててしまう
[box06 title=”あわせて読みたい”]智に働けば角が立つ[/box06]
「意味」流れに乗って、勢いを増す行為をすること
流れに乗って、勢いを増す行為をすることという意味が流れに棹さすです。
まさにスーパーマリオの無敵マリオ状態!ですね。
でも筆者を含め多くの人は間違った認識をしています。
何故なら、昨今は日常の中で、私達が船頭や棹を目にすることはめっきりなくなりました。
そんな中、”川の流れに棹=棒をさすとは・・・なんだか邪魔をしているのではないか”
つまり、流れに逆らって、勢いを失わせる行為をすることとイメージしてしまうのかもしれません。
間違った認識のもう1つの原因としては、水を差す(=邪魔をする)と混同している人が多いと考えられています。
筆者もさすという言葉の音で、水を差すを連想しました。
平成18年度「国語に関する世論調査」の結果についてによると、本来の意味を答えた人は1割台後半、誤った意味を答えた人は6割強でした。
「ことわざのイメージ」
絶好調な状態から、さらに勢いが増すイメージ
「使い方」好都合なことが重なり、物事が思うままに進む時
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]某野球チームの新球場が来年できるって知ってるかい?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]もちろんですよ!流れに棹さすように、監督にビッグボスが就任するそうですよ![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]えぇ!そうなのかい!?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]開幕戦が楽しみですね![/chat]
「例文」流れに棹さす 悪い例・良い例
ここでは、誤った認識と、正しい認識の流れに棹さすの例文を それぞれご紹介します。
みなさんは間違えないように、気を付けましょう!
せっかくみんなの意見がまとまったのに、流れに棹さすように部長が反対意見を述べてきた。
悪い例では勢いを失わせる行為であるため、誤った使い方となります。
みんなの意見がまとまったところ、流れに棹さすように部下が素晴らしいプレゼン資料を作ってくれた。
良い例では勢いを増す行為となるため、正しい使い方となります。
「類義語」流れに棹さす 3つ紹介
ここでは、流れに棹さすの類義語を3つ紹介します。
流れに棹さすが川の流れの勢いに対して、紹介する3つの類義語は風の吹く勢いを用いたものとなります。
得手に帆を揚げる
意味:絶好の機会が到来してそれを利用して行動を起こすこと
[box06 title=”あわせて読みたい”]得手に帆を揚げる[/box06]
順風満帆
意味:全て順調に進行すること
[box06 title=”あわせて読みたい”]順風満帆[/box06]
風に順いて呼ぶ
意味:勢いに乗じて事を行えば成功しやすいということ
「対義語」流れに棹さす
流れに棹さすの対義語はありません。
しかし、誤った認識である水を差すが反対の意味として近いでしょう。
「英文」流れに棹さす 2つ紹介
流れに棹さすの英語はありません。
もし、絶好調・無敵というニュアンスを伝えたいのであれば次の2つを紹介します。
on a roll : 幸運な事が続く、物事がうまくいく
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]How’s everything? (調子はどうだい?)[/chat]
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””] It’s on a roll! No one can stop me!! (絶好調でさ!もう誰も俺の事は止められないぜ!)[/chat]
invincible:(無敵)
Invincible – definition of invincible by The Free Dictionary
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””] I’m invincible(インビンシブル)!!!!![/chat]
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実は私も誤った認識でした。。。という方も多かったのではないでしょうか?
文化庁によると、誤った認識をしている人は6割強。
分からないと答えた人を合わせると、8割にも及ぶので無理もありません。
やはり水を差すと混同しますよね。
流れに棹さすの意味は、流れに乗って、勢いを増す行為をすることです。
この記事をきっかけに、ぜひ正しい使い方をマスターしてくださいね!
意味を把握して、正しい使い方をしましょう!
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